【微妙な1年】2021年米国株式投資考察(資産/購入/配当)

米国株式投資21年目の振り返り

米国株式を始めてから21年目の2021年を振り返ってみる。月ごとの状況は以下を参照。

2021年1月米国株資産2021年1月米国株配当

2021年2月米国株資産2021年2月米国株配当

2021年3月米国株資産2021年3月米国株配当

2021年4月米国株資産2021年4月米国株配当

2021年5月米国株資産2021年5月米国株配当

2021年6月米国株資産2021年6月米国株配当

2021年7月米国株資産2021年7月米国株配当

2021年8月米国株資産2021年8月米国株配当

2021年9月米国株資産2021年9月米国株配当

2021年10月米国株資産2021年10月米国株配当

2021年11月米国株資産2021年11月米国株配当

2021年12月米国株資産2021年12月米国株配当

2020年10月に退職・完全リタイアしたため2021年は購入が1回も無かった。これ以降も基本的には株式の購入は出来ないと思うが、2022年はAT&Tがワーナーメディアを分離するため、その内容によっては分離後の新会社を売却して別の株を購入するかもしれない。


投資資金/引落金額/資産状況

投資資金

2021年投資資金:0円(累計投資資金:80,000,000円)

2021年の年間追加投資額は既述の通り無し。累計投資資金は80,000,000円で変わらず。

引落金額

2020年引落金額:1,000,000円(累計引落金額:1,000,000円)

2021年引落金額:3,500,000円(累計引落金額:4,500,000円)

基本的に引落金額は完全リタイア後の生活費に充てるため。

2021年は年間出費を想定したキャッシュフローに従って予定通り米国個別株配当金の350万円を証券口座から引き落とした。

2022年は先のAT&T分離に伴う配当金減が予想されているため、2022年の年間引落は95万円×3=285万円を想定している。

資産状況

2021年は上述の通りに350万円の引き落としが反映されている。

2021年の円ベース資産状況は以下の通り。

2021年は概ね5月までは全体的に上昇していたのだが、6月に大きく下落してからはほぼ横ばい。そして11月に大きく下がり12月にやや回復という1年となった。

ただこれは円ベースでの資産の話であり、実際に米国株のドル資産(配当残等米国株以外の資産も少しあるが)は

2021年の自分の所有米国株年間パフォーマンス(2022/1)

で確認した通り2019年12月から2020年12月の1年間では1.2万ドルしか増えていない。上のグラフは2021年1月からの推移だが、2020年12月末の資産は1億1500万円程度であったのでグラフ以上に円ベース資産とドルベース資産の差異は大きいことになる。後で確認する為替の影響が大きかったということなのだろう。

以下は累計円ベース資産のグラフ。

2021年5月はCOVID-19前に記録した2019年12月の1億4300万円台を上回る1億4400万円台に到達。その後は2021年の資産状況の通り資産を減じて1.31億円で終えることとなった。

ただし2020年11月から2021年5月までの上昇でCOVID-19時の大幅減少を回復しており、傾向としてはそれ程悪くはない気がする。

続いて投資資金を除いた損益ベースでの2021年のグラフ。

2021年5月には1月から投資額に対する利益が2500万円超増加して6500万円近くまで到達。その後は利益5500万円を超えて持ちこたえていたのだが、11月、12月には利益をやや減じてしまった。それでも2021年1月末から1500万円近く増加していることを考えると悪くはない。

2021年までの累計損益のグラフは以下の通り。

やはりこうしてみると2020年11月から2021年5月までの上昇でCOVID-19の下落分を取り戻しているのが資産の推移より縦軸の金額幅が少ないためによく分かる。


配当金

2001年総配当金額(税引後):0円

2002年総配当金額(税引後):19,436円

2003年総配当金額(税引後):66,616円

2004年総配当金額(税引後):108,972円

2005年総配当金額(税引後):162,596円

2006年総配当金額(税引後):248,963円

2007年総配当金額(税引後):352,701円

2008年総配当金額(税引後):446,275円

2009年総配当金額(税引後):309,206円

2010年総配当金額(税引後):314,511円

2011年総配当金額(税引後):336,760円

2012年総配当金額(税引後):377,505円

2013年総配当金額(税引後):511,893円

2014年総配当金額(税引後):615,427円

2015年総配当金額(税引後):1,216,837円

2016年総配当金額(税引後):1,558,230円

2017年総配当金額(税引後):2,129,688円

2018年総配当金額(税引後):2,710,703円

2019年総配当金額(税引後):3,171,302円

2020年総配当金額(税引後):3,435,959円

2021年総配当金額(税引後):3,701,497円

2021年の税引後円ベースの米国株受取配当総額は3,701,497円。2020年6月に最後の購入をしたので2020年と2021年が全く同じ所有株数という訳ではないが、2020年から25万円ほど増加しているのはかなり良かったと言える。

もっともこれは円ベースの資産と同様ドル円為替レートがドル高に振れた影響もあり、ドルと円の配当を見てみると

円ベース受取配当:3,701,497円、前年比107.7%

ドルベース受取配当:34002.98ドル、前年比104.2%

と3%超の差があることが判る。

今後もこのドル高傾向が続くかどうかは不明であるし、2022年にはAT&T(T)の分離に伴う配当減がほぼ確実なため、2022年は2021年より受取配当が減ることを覚悟しておく必要がある。


為替

2021年の為替レートは以下の通り。

昨年2020年のドル円為替レートが右肩下がりでドル安だったのとは逆に、2021年は概ね右肩上がりでドル高となった。

2020年12月末の為替レートが1ドル=103.21円、2021年12月末の為替レートが1ドル=115.08円なので1年間で11.5%のドル高となった。先に触れた円ベースの資産額がドルベースの資産より大幅に増えているのはこの為替のためという事が改めて確認できた。

投資開始からの為替レートは以下の通り。

ここ最近はやはりドル安傾向が続き2020年12月末に103円台だったドル円為替レートがドル高に転じ2021年末には115円台になったのが目に付く。それでもここ数年は概ね105円~115円の範囲に留まっており、それ以前の変動に比べるとまだ落ち着いているように見える。2000年代の様に激しい動きになると色々と落ち着かないのでそろそろ落ち着いて欲しい。完全リタイアして株式購入が基本的に無くなり円をドルに変換することもないはずなので、基本的にドル高になってくれるのは有難いのだが、あまりドル高になり過ぎると日本の物価上昇が日々の生活に無視できない影響を与えてくる可能性もある。


まとめ

2021年の米国株投資を振り返ってみると、以下の様な点がポイントと言えるだろう。

①米国市場は上昇したが、自分の米国株資産は1万ドル程度(1.2%)しか増えなかった

②ただし円ベース資産では1600万円程増加

③ドル円為替レートが大幅にドル高に振れたため②の結果となった

④配当は追加投資が無かったにもかかわらずドルベースで4.2%、円ベースで7.7%増加し370万円に到達

⑤COVID-19はデルタ変異株、オミクロン変異株といった変異株の出現により、一旦減ったと思っても新規感染者数が増える状況が反復している

⑥インフレが進み、人件費・燃料費・輸送費など様々な面でコスト高となり企業業績への影響が出ている

⑦テーパリングの加速と2022年米利上げの観測

⑧AT&Tが2022年のワーナーメディア分離を発表

自分の資産についてはドル高の恩恵があったため円ベースではまずまず増加したもののドルベースではあまり変わらずと微妙に感じる1年だった。特に下半期は自分が多く所有しているAT&T(T)、シティグループ(C)が減少したのが大きかった。米国市場は年間を通じて20%程度上昇していたのだがそれは主に大型IT株に起因するところが大きく、自分はそれらを所有していないのが自分の資産増が市場に比べて低パフォーマンスだったことの一因でもある。

一方で配当の面から見ると大型IT株の配当率は総じて低いあるいは無配当であるので、資産増の恩恵は受けられなくとも完全リタイアをし配当金生活を始めた今は配当がそれなりに増えた状況で満足するべきなのだろう。株価が大きく上昇し、配当率も高い銘柄というのはあるはずもない。

2021年も2020年に続いてCOVID-19が蔓延した。アメリカでは上半期は基本的に新規感染者数が減少傾向だったのだが、7月からはデルタ変異株により新規感染者数が増加、9月頃にピークとなって減少傾向となったのだが、12月からはオミクロン変異株のため今もアメリカだけでなく全世界で連日過去最高の新規感染者数を更新している状態。ただし新規感染者数が増加しても市場全体としては直接的に影響を及ぼされた感はしない。以下はS&P 500の2021年の動き。

COVID-19の新規感染者数と市場が連動したのであれば8月、12月は市場は下落するはずで、9月下旬から10月にかけてはアメリカで新規感染者数が減少傾向にあったため市場は上昇しても良い気がするが実際には下落傾向となっている。

ただこれは市場とCOVID-19新規感染者数に直接的な相関性はなさそうに見えるだけで、実際には感染による労働力の不足、その不足を補うための人件費上昇といったインフレにつながる要因にはなっているだろうから、株式市場への影響はやはりあるのだろう。オミクロン変異株は重症化・死亡率が想定していたほどではないにしても、新規感染者数は急激に増加しているため2022年にどのような影響が出るかが気に掛かる。

インフレについては春先から懸念されており、2020年6~9月期の決算発表ではではそれらに言及する企業も多かった。ただ11月、12月の消費者物価指数発表時には実際の値は高かったにもかかわらず市場予想の範囲内に収まっており、期間をかけてある程度市場に織り込み済みになった感がある。

こういった市場、インフレ状況からFRBがテーパリングを加速し、2022年には利上げをする可能性が高くなったことも2021年では目に付いた。FRBやFOMCの情報で短期的に市場に影響が出ることも多かった。2021年各月の米2年債/10年債の金利と長短金利差を確認してみると以下の様になる。

2年債10年債金利差
1月末0.111.111.00
2月末0.141.441.30
3月末0.161.741.58
4月末0.161.651.49
5月末0.141.581.44
6月末0.251.451.20
7月末0.191.241.05
8月末0.201.301.10
9月末0.281.521.24
10月末0.481.551.07
11月末0.521.430.91
12月末0.731.520.79

2021年の自分の所有銘柄シティグループ(C)の動きを見てみると

10年債金利よりも長短金利差がシティの株価と連動しているように見える。例えば6月は10年債金利が少し低下はしているが2年債金利が逆に上昇して金利差が広がり、それもあってか6月のシティ株は大きく落ち込んでいる。ちなみにもう一つの所有銀行株であるJPモルガン・チェース(JPM)もシティ程ではないが6月はやはり株価が大きく下落している。11月、12月のシティが冴えないのもその辺りが一因だったのだろう。

ただこれを書いている2022年1月半ば時点では2022年の長短金利差と銀行株(特にシティ)との傾向が変わっている様な気がする。

2022年の米国債金利は

となっており、2年債と10年債の長短金利差はさほど変わっていない(1月3日から13日で破棄金利差は縮まっている)のだが、シティの株価は

市場(S&P 500)が下落しているにもかかわらず10%超の上昇で、JPモルガンも5%を超える上昇となっている。1月に入って早期利上げ観測が強まり10年債金利が昨年末の1.52から急上昇していることが原因と思われ、金利差よりも10年債金利そのものが重視されている気がする。2022年の金利動向とそれに絡んだ銀行株の動きにも注目しておきたい。

最後に2021年に発表された2022年に予定されているAT&Tからのワーナーメディア分離だが、これが自分にとっては2021年の最大にして最悪の出来事だったろうか。何度も言及したことがあるが分離に伴う受取配当金の大幅減少が想定されており、自分の完全リタイア後の配当金生活に直接的な影響が出る。一応配当金生活の想定キャッシュフローには既に反映し、終身・個人年金保険の払込が終了する60才まで配当金生活は大丈夫であろうとしているが、実際にどうなるかは不透明。2022年の最重要ポイントはこれにどう対応するかになる。

さて2022年末にはどのような感想を抱いていることになるのだろうか。

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