2022年12月発表の米消費者物価指数と市場(2022/12)

はじめに

2022年12月13日(火)に2022年11月の米消費者物価指数(CPI:Consumer Price Index)が米労働統計局から発表された。

今回の米消費者物価指数は12月のFRBの利上げに影響を及ぼす可能性が高く非常に注目されていたのだが、実際の結果及びそれを受けての市場の反応はどうだったのか。

以下発表された米消費者物価指数の内容を確認し、それを受けて市場がどう変動したかについて整理しておく。


2022年12月13日米労働省労働統計局(U.S. Bureau of Labor Statistics)発表の2022年11月消費者物価指数(CPI)

以下の情報は米労働省労働統計局の発表資料より引用・抜粋。

  • 2022年11月の前月比消費者物価指数(季節要因調整済)は0.1%上昇、市場予想は0.3%の上昇

  • 2022年11月の前年比消費者物価指数(季節要因調整済)は全品目では7.1%上昇、市場予想は7.3%の上昇で2021年12月以降最小の伸び率。変動の大きい食品及びエネルギーを除くと前年比6.0%上昇、市場予想は6.1%の上昇

  • 家庭用食品(Food at home)は前年比12.0%上昇。2022年10月は前年比12.4%上昇
  • 電気代(Electricity)は前年比13.7%上昇。2022年10月は前年比14.1%上昇
  • 住居費(Shelter、主に家賃。サービス分野で最大の構成要素でCPI全体の約3分の1を占める)は前年比7.1%上昇。2022年10月は6.9%上昇

変動の大きい食品及びエネルギーを除いたいわゆるコアCPIは前月比0.2%の上昇となっており、これは2021年8月以来最も低い伸び率となっている。


同日の市場の動き

米国市場

開場直後は上述のCPI結果が市場予想を下回り伸び率も鈍化していることが伺えたこともあって、FRBがインフレ抑制を目的とした利上げを減速させるとの期待からいずれも市場は大きく上昇して始まった(S&P 500は一時2.5%超)のだが、その後は実際に今回のCPIがFRBの金利政策にどの程度の影響を及ぼすのか(FRBの金利発表は現地時間で翌日14日の午後と期間が短い)の警戒感もあってか、時間の経過と共に下落し結局前日比プラスではあったものの大きな変動とはならなかった。

米国10年債

米国10年債は

やはりCPIの発表を受けて金利上昇ペースが抑制されるとの思惑からか、債権から株式に資金が流れて大きく利回りが低下したのだが、その後は株式市場と同様に今回のCPIがどれ程FRBの金利政策に影響を与えるかの懸念もあってかジワジワ上昇している。

ドル円為替

ドル円為替は

FRBがCPIを受けて利上げペースを落とす可能性が高まり、日米の金利差が縮まるのではという憶測からドルを売って円を買う動きが広まったため2円近く下落。


まとめ

CPIに鈍化傾向が見受けられ市場予想も下回ったことで開場直後の米国市場は大きく上昇したものの、実際のFRB金利が減速するかの警戒感からか結局はそこそこの上昇で終了。

自分の米国株ドル資産も開場直後は1.5万ドルを超える上昇だったのだが

自分のポートフォリオ銘柄で低調なものがあったことから結局前日とほぼ変わらず。

そして楽天証券の円資産表示は為替がドル安になったこともあって前日比大幅減少。

取り合えずはドルベースの資産がマイナスとならなかった事で良しと考えることにしよう。

自分の資産は別として無難にCPI発表を通過した気がするが、気掛かりなのは何度も上に書いたが実際の政策金利はどうなるかという点。CPIを受けて利上げペースを減速し50ベーシスポイントの利上げが有力だろうが、その通りだった場合あるいはここ数回と同じく75ベーシスポイントの利上げだった場合に市場がどう動くのかは不透明。単純に考えると50ベーシスポイントだった場合は市場は上昇、75ベーシスポイントだった場合は市場は下落するのだろうが、さてどうなるか。

短期的には自分の資産が大きく減少する可能性も頭に入れつつ、長期的に米国のインフレが鈍化しかつ景気停滞に陥らないような政策金利となってくれることを期待したい。バイアンドホールドなので長期視点で考えることを忘れず、短期的な上下動に過度に反応しないように気を付けよう。

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