クラフト・ハインツの投資格付けアップデート、他(2022/5)

はじめに

昨日2022年5月26日の米国市場は、百貨店大手メーシーズ(M)、ディスカウント小売大手のダラー・ゼネラル(DG)やダラー・ツリー(DLTR)がいずれも通期見通しを上方修正したり、米連邦準備理事会(FRB)の積極的な利上げに対する懸念が和らいだこともあり

上記の様に大きく上昇。

そんな中、自分の所有銘柄であるクラフト・ハインツ(KHC)株は

市場に逆行して6.1%の大幅下落。理由は掲題のアナリストの投資格付けアップデートが原因と思われる。以下その内容を確認しておくことにする。


UBSのアナリストCody Ross氏のケロッグ投資格付けアップデート

投資格付け:NeutralからSellに下方修正

目標株価:40ドルから34ドルに下方修正

以下はCody Ross氏の投資格付けアップデートの要旨。

  • KHC is contending with one of the highest inflationary pressures over the next 12 months, increasing their need to take another round of price this year, which we believe is unlikely in light of WMT’s and TGT’s commentary last week
    クラフト・ハインツは今後12ヶ月間で最も高いインフレ圧力の1つと闘っており、今年は価格を改定する必要性が高まっていますが、我々にとっては先週のWMT(ウォルマート)とTGT(ターゲット・コーポレーション)のコメントに照らして考えられないことです
  • (The company)has pulled back significantly on promotions, competes in categories with greater trade down risk, and has arguably the highest risk to consumer trade down to private label
    (同社は)プロモーションを大幅に削減しトレードダウン(より安いものを買おうとする消費動向)のリスクが高いカテゴリーで競争しており、消費者の自社ブランドへのトレードダウンのリスクが間違いなく最も高い
  • If the company is not able to pass through pricing in 2H22, we believe this would serve as a negative catalyst to the shares
    クラフト・ハインツが22年下半期に価格設定を切り抜けられない場合、我々はこれが株価へのマイナスの触媒として作用すると考えている

補足すると先週ウォルマートとターゲット・コーポレーションは先週の決算発表でいずれも通期見通しを下方修正しており、その原因の一つとして価格インフレにより食料品に関する消費者の支出が減少していることが考えられるため、上記アナリストのコメントに繋がったものと思われる。


まとめ

アナリストのクラフト・ハインツ投資格付けアップデートの内容を確認してみたが、自分にも納得しやすい内容だったのでクラフト・ハインツ株が下落したのも致し方ないという感じではある(ただし下がり過ぎな気もするが)。

他の同業銘柄を見てみると

クラフト・ハインツにつられて大きく下落しているかと思ったのだが、市場の上昇には届かないものの企業によってマチマチだった。食料関連の消費支出減少という業界共通の課題というよりはクラフト・ハインツ個別の要因が大きいようだ。

過去3ヶ月のクラフト・ハインツ株の動きを市場(S&P 500)と比べてみると

となる。5月17日に市場が上昇しているにも関わらず下落、翌18日に市場の下落と相まって大きく下げているのは先に述べたウォルマートが17日、ターゲット・コーポレーションが18日にそれぞれ決算発表を行ったためだろう。

今回のアナリストの投資格付けアップデートを踏まえるとクラフト・ハインツは先月の四半期決算で売上見通しをやや上方修正したもののしばらく厳しい時期が続くのかもしれない。


おまけ

今回はアナリストの投資格付けアップデートが要因でクラフト・ハインツ株が大きく下落したのだが、同日自分の所有銘柄であるダウ・インク(DOW)に対しても投資格付けアップデートが行われておりOutperformからIn-Lineに下方修正されている。

しかし株価は

市場の上昇には劣るものの前日比プラスで終えている(市場の上昇を差し引くと実質マイナスだったと言えなくもないが)。

ちなみにダウ・インクに関しては今週上記も含め2回投資格付けの下方修正があったのだが、

株価はそこまで悪くなっていない。

これらのアップデート内容は確認していないが、必ずしも投資格付けのアップデート(下方修正)が株価に悪影響を及ぼすとは限らないという証左として触れておく。

ちなみに過去3ヶ月だと

4月21日の決算発表から市場の下落振り、そして投資格付けの下方修正が2回あったにもかかわらず堅調に推移している。

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