ダウ・インク(DOW)2023年第2四半期決算(2023/7)

はじめに

2023年7月25日(火)には自分の所有銘柄であるダウ・インク(DOW)の2023年第2四半期決算発表があった。

前回の2023年第1四半期決算の際は決算を受けて

前日比5%を超える大幅下落。原因は前年同期に比べて全事業において売上等が減少し、第2四半期の売上見込みも市場予想を下回った点が材料視されていた。

以下、今回のダウ・インクの決算内容はどうなったのか確認して整理しておく。


ダウ・インク2023年第2四半期決算概要

以下の情報はダウ・インクの企業サイトより引用・抜粋。

  • 2023年第2四半期の総売上(Net Sales)は114億2000万ドル、前年同期は156億6400万ドルで前年同期比27%減
  • 2023年第2四半期の一時項目を除く一株当たり利益(Operating Earnings Per Share)は0.75ドル、前年同期は2.31ドル

事業部別業績

いずれの事業部も前年に比べて悪化しているが、昨年はロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー/原材料コスト高騰を価格に転嫁していた事が共通した要因。

包装・特殊プラスチックの売上高は28%減の59億4000万ドル。出荷量が7%減少し、価格(Local Price)が21%低下となっている。

世界全体におけるエネルギー/原料コストの低下によりポリエチレン及びオレフィンの価格が大きく低下しているのが主な原因。

素材・インフラストラクチャの売上高は前年比27%減の31億7700万ドル。価格(Local Price)が15%減少し、出荷量も11%減少、為替が1%の逆風となっている。

主に工業、耐久消費財及び建築・建設用途での需要減少によるものとしているのが主な原因。

パフォーマンスマテリアル・コーティングの売上高は前年同期比27%減の21億9700万ドル。価格(Local Price)が16%減少し、出荷量も10%減少、為替が1%の逆風となっている。

すべての地域での売上・価格が低下していることが主な原因。

2023年通期見通し

前四半期にあった2023年通期の考慮要因(FY2023 MODELING CONSIDERATIONS)のスライドは今回はなし。おそらく前回から変更が無いためだと思われる。

2023年第3四半期の見通しは以下の通り。

売上は102億5000万~107億5000万ドルを予想しているが、第2四半期に比べて減少することが見込まれる。

その他

その他決算発表及びアナリストとのカンファレンスコールで気になった点は以下の通り。

  • 2023年に10億ドルのコスト削減を実現するための取り組みは第2四半期に2億5000万ドルを達成し、年初来3億5000万ドルの削減で予定通り進んでいる
  • 配当と自社株買いを通じて第2四半期に株主に7億4300万ドルを還元
  • 第3四半期も引き続き厳しいマクロ経済環境が予想される
  • 第3、第4四半期が需要の最低点
  • 中国では成長を遂げているものの、新型コロナウイルスゼロ規制の終了後に予想される経済回復はまだ完全には実現していない
  • 欧州における景気後退圧力はまだ続くだろう

市場予測との比較

今回の主な決算内容と市場予想を比較してみると、

  • 2023年第2四半期の総売上(Net Sales)は114億2000万ドル、市場予想の112億7000万ドルを上回っている
  • 2023年第2四半期の一時項目を除く一株当たり利益(Operating Earnings Per Share)は0.75ドルで、市場予想の0.70ドルを上回っている
  • 2023年第3四半期の売上見通しは102億5000万~107億5000万ドル、市場予想の123億7000万ドルを下回っている

となっている。


まとめ

上記の様な決算を受けてダウ・インク株は

前日比1.77%の上昇。同日の米国市場が

前日比やや上昇だったのと比べてもまずまず上昇したと言える。

今後第3四半期、第4四半期も売上は減少が見込まれるとしたものの、第2四半期は売上、EPSとも市場予想を上回ったことが好感されたのだろうか。上がり過ぎな気もする。

と思ったのだが決算後数日を含めた年初来のダウ・インク株は

第1四半期決算以降は多少の上下動はあったものの株価はほぼ変わらずでS&P 500と比べると見劣りするパフォーマンスとなっていたのが、今回の決算を受けて4営業日連続で上昇中。

今後のダウ・インク株だが決算やカンファレンスコールでの発言からすると、第3四半期を含めた下半期は低調な業績が続き、株価の大幅な上昇は見込めないと思っていたのだが、決算後は好調な株価推移となっている。自分の予想に反してこのまま上昇基調となって欲しいがどうなるだろうか。

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