AT&Tがメディア事業スピンオフ(配当関連追加)(2021/5)

はじめに

先週(2021年5月17日(月)~)は自分の完全リタイア後の配当金生活に大きな影響を及ぼすAT&T(T)傘下のワーナーメディアがDiscoveryと経営統合し、AT&Tからスピンオフ(完了予定は2022年半ば)するという発表があり、その精査で以下の様にAT&T関連の情報ばかり収集・確認していた。

AT&Tがメディア事業スピンオフ(発表まとめ)(2021/5)

AT&Tがメディア事業スピンオフ(実質配当減か)(2021/5)

AT&Tがメディア事業スピンオフ(市場の評価等)(2021/5)

統合/スピンオフに関する一通りの情報は出揃っただろうと考えており、昨日2021年5月24日(月)のJ.P. Morgan Global Technology, Media and Communications Conferenceでの最高経営責任者(CEO)John Stankey氏の講演も、同じ情報の繰り返しだろうと思っていたら掲題の通り特に配当に関して先週時点よりも踏み込んだアップデートがあった(大体はやはり既出の情報だったが)ので、講演の内容で気になったところを整理しておくことにする。


J.P. Morgan Global Technology, Media and Communications ConferenceにおけるJohn Stankey CEOの講演で気になった点

以下はAT&Tの企業サイトより引用・抜粋。先に書いた通り既出のものは基本触れず。

【HBO Max関連】

  • recently announced ad-supported subscription tier of HBO Max priced at $9.99 per month, which will launch in the United States the first week of June
    最近発表されたHBO Maxの広告付きサブスクリプションは月額9.99ドルで、6月第1週に米国で開始されます

2021年3月のAT&T Analyst & Investor Day 2021で広告付きHBO Maxが6月開始と言う発表はなされていたが、先週5月19日(水)に正式な価格(4月末に報道で予想されていた価格通り)と開始時期が発表されている。

【WarnerMediaとDiscoveryの経営統合関連】

  • holders of approximately 44% of Discovery stock have already indicated they will vote in favor of the transaction
    Discovery株の保有者約44%は既に取引に賛成票を投じることを示しています

先週の発表時点ではAT&TとDiscoveryの取締役会は承認済みでディスカバリーの株主による承認と規制当局の承認が必要としていたが、昨日の講演ではより踏み込んだ情報を提示していた。

【配当・新会社関連】

  • AT&T does not expect changes to the dividend prior to the close of the WarnerMedia-Discovery transaction, which is expected to occur in mid-2022.
    AT&Tは2022年半ばに完了すると予想されるWarnerMedia-Discovery統合の前に配当金が変更されるとは考えていません

これは先週の時点では言及していなかったはず。個人的には経営統合/スピンオフの前にも債務削減のため減配という可能性もあるのでは、と思っていたので一応経営統合まで配当減が無いと明言されたのはほっとする材料(まあ2022年半ばまでなのだが)。

  • The expected value of those shares based on the capitalization as of May 14, 2021, is in the $7-$8 range per share of AT&T stock, or the equivalent of 4+ years of AT&T’s current annual dividend, tax free.
    2021年5月14日現在の資本金に基づくこれらの株式(新会社)の期待値は、AT&T株式1株あたり7ドル~8ドルの範囲、またはAT&Tの現在の年間配当の4年以上に相当し非課税です

これは先週UBSのアナリストJohn Hodulik氏が指摘していたのとほぼ同じ内容だが、AT&TのCEOが発言していることに意味があるだろう。

  • Stockholders will have optionality to maintain their stake in the new media company and benefit from any appreciation, or, for those who prefer dividend income, they may sell their shares of the new media company and reinvest in dividend stocks, including AT&T.
    株主は新しいメディア会社への出資を維持し評価/株価上昇(appreciation)の恩恵を受けるか、配当収入を好む人は、新しいメディア会社の株式を売却してAT&Tを含む配当株に再投資するかを選択できます

これは何と言うか正直過ぎる発言。先週

AT&Tがメディア事業スピンオフ(実質配当減か)(2021/5)

で自分が書いた様に

「新会社は無配当か、配当があっても極めて低い配当となる可能性が高いと思われる」

という事なのだろう。


その他アップデート

昨日5月24日にはMorgan StanleyのアナリストSimon Flannery氏がAT&Tの目標株価を下方修正している。残念ながら調べた限りではその理由までは確認できなかった。

Morgan StanleyのアナリストSimon Flannery氏

投資格付け:Equalweightで変わらず

目標株価:34ドルから32ドルに引き下げ


まとめ

上記の様な情報がどの程度影響したのかは不明だが、昨日のAT&Tの株価は

と0.87%の下落。ダウ工業平均が0.54%、S&P 500が0.99%、NASDAQが1.41%いずれも上昇していたのを考えるとそこそこの株価下落となっている。

この原因がアナリストの目標株価引き下げによるものなのか、John Stankey CEOの講演内容が評価されなかったためなのかは判断が難しいところ。いずれにせよ前回書いた経営陣の自社株買いは昨日は評価されなかったようだ。

まとめると昨日の講演では

  • 取り合えずスピンオフ完了(2022年半ば)前まではAT&Tの減配はなさそう
  • スピンオフ完了(2022年半ば)後の新会社の配当には期待しない方が良さそう(CEOが配当重視の人は新会社の株を売却して配当株に再投資できます、と言っているので)
  • 新会社の株はAT&T株式1株あたり7ドル~8ドルの範囲(またはAT&Tの現在の年間配当の4年以上)

という3点が個人的にはポイントか。1番目を除いては先週時点でそうではないかと推測された情報ではあるが、CEOが講演で発言したという点に大きな違いがある。

取り合えずスピンオフが完了するまで後1年あるので、その間に新しいAT&T株と新会社の株をどうするか考えることにしよう。何となくJohn Stankey氏が言ったように新会社株を売却して他の配当株に再投資するような気もするが、やっぱり新会社の配当は期待できないのか・・・。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

コメントの入力は終了しました。