AT&Tがメディア事業スピンオフ(実質配当減か)(2021/5)

はじめに

自分の所有主力銘柄であるAT&T(T)傘下のワーナーメディアとDiscoveryの経営統合についての概要は既にまとめたが、その中で取引が完了した場合AT&Tの配当が減配になる可能性について触れている。

AT&Tの配当金は既に完全リタイアし配当金生活を送っている自分にとっては非常に重要であるので、このワーナーメディアとDiscoveryの経営統合/スピンオフ完了後の配当が実際にどうなるかについて自分なりに整理しておくことにする。


現在所有しているAT&Tの配当は今後どうなるのか

そもそもAT&Tの発表では

  • After close and subject to AT&T Board approval, AT&T expects an annual dividend payout ratio of 40% to 43% on anticipated free cash flow of $20 billion plus.
    取引完了後AT&T取締役会の承認を条件として、200億ドル以上の予想フリーキャッシュフローに対して、40%から43%の年間配当支払い率を見込んでいます

としているのだが、これを正として単純に考えてみると取引完了後のAT&Tの配当は

  • 配当原資:200億ドルx41.5%(中間値をとって)=83億ドル
  • 現在のAT&T発行株式数:71.4億株
  • 一株当たり年間配当:83億ドル/71.4億株=1.16ドル(四半期では0.29ドル)

となり、現在の税引前年間配当2.08ドル(四半期配当0.52ドル)からすると、計算上は約43%の配当減となってしまう。

新しいスピンオフ会社の配当を考慮に入れる必要があるかもしれないが、新会社は

AT&Tへの負債430億ドルと新会社の負債150億ドル、合計580億ドルの負債を抱えてのスタートとなり、取引完了後想定されるEBITDA5倍の負債を2年以内にEBITDA3倍の負債(approximately 3.0x within 24 months)まで削減することを目標としている

ので、フリーキャッシュフローの多くが債務削減に充当されることになり、新会社は無配当か、配当があっても極めて低い配当となる可能性が高いと思われる。


まとめ

現在発表されている情報から、スピンオフ後のAT&Tの配当と新会社の配当について整理してみた結果、

  • スピンオフ後のAT&Tの配当額は、現在の配当に比べて約43%減少する(発表情報の中間値の場合)
  • 新会社は恐らく無配当か、非常に低い配当の可能性が高い

と予想される。また

  • あくまで現在の情報に基づく計算なので、実際取引完了後AT&Tの配当がどの程度減少するかは未確定なので注意(詳細な取引条件で不明な部分はまだ有)
  • 実際の取引完了は2022年半ば(mid-2022)と発表されているので、それまでは配当は現在のものを維持するはず

という点には留意しておきたい。

スピンオフで受け取る株式を含めた配当以外の資産まで計算出来ればよいのだが、株価がどうなるかは分からないし、完全リタイアし配当金生活を送っている現在は株価よりも配当金が重要なので、このまとめはこれで良いだろう。

それにしても43%減か。直近で受け取ったAT&Tの配当は今月2021年5月で税引後の受取配当はドルベースで2979.69ドル、円ベースでは322,789円だったので、それが43%減少した場合と更に減って50%減の場合を計算してみると

【43%減の場合】

四半期:322,789円 ⇒ 取引完了後四半期:183,990円(138,799円減)

年間:322,789×4=1,291,156円 ⇒ 取引完了後年間:735,959円(555,197円減)

【50%減の場合】

四半期:322,789円 ⇒ 取引完了後四半期:161,394円(161,394円減)

年間:322,789×4=1,291,156円 ⇒ 取引完了後年間:645,578円(645,578円減)

となる。

先日完全リタイア後のキャッシュフローを整理した際の年間配当金を350万円としていたので、今回の取引完了後は

【43%減の場合】350万円ー56万円=294万円(約84%)

【50%減の場合】350万円ー65万円=285万円(約81%)

想定した配当の約80%、20%減となり、絶対額では60万±5万円程度減少する見込み

こうして数値にしてみるとかなり凹む。ただ数値化することで対策は立てやすくなる。次はこの減った配当金で完全リタイア/配当金生活が出来るかの検証が必要だな。


補足

ちなみにこのスピンオフ発表後5月17日のAT&Tの株価は

2.70%下落したのだが、その翌日の5月18日は

5.80%と更に大きく下落している。確かに同日のダウ工業平均が0.78%、S&P 500が0.85%、NASDAQが0.56%前日に続きいずれも下落しているものの、AT&Tの下げは突出している。昨日のまとめで

「更に言うと右肩下がりが昨日の閉場時点では終わった様には見えないので、まだ株価下落が続く可能性もある。」

と書いていたのたが、当たって欲しくないことほど当たってしまう。

ただ昨日のAT&T株の動きを見てみると、

ある程度下げは止まった感がある。

一方で米国市場自体がくすぶるインフレ懸念の影響もあり2日連続下落しており、AT&T株も市場につられてまだまだ下がる可能性はある。

AT&T株は年初来ではまだかろうじてプラスに留まっているものの、この2日で約10%下落しており、

マイナスの金額が38000ドルと一番大きい銘柄となってしまった(マイナス14%より悪い銘柄は有り)。早いところ落ち着いて欲しいものだがどうなることか。

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