ボーイング787型機の部品に新たな問題が確認(2021/10)

はじめに

2021年10月11日週は米企業の6~9月期決算が本格化し、自分の所有銘柄のJPモルガン・チェース(JPM)が13日シティグループ(C)が14日決算発表を行ったこともあり他の銘柄についてはあまり気を遣っていなかったのだが、10月14日の自分のポートフォリオが以下の様にほぼ上昇している中でボーイング(BA)だけが2%近い下落であったことに気が付いた。

同日のダウ工業平均が1.56%、S&P 500が1.71%、NASDAQが1.73%いずれも上昇しているので、このボーイング株の下落について調べてみたところ掲題の様にまた商用航空機の問題が発生していたようだ。

以下にその内容について確認し整理しておくことにする。


2021年10月14日に発表された787型機の部品に関する問題

以下はウォール・ストリート・ジャーナルが第一報を報道した内容が中心。

  • ボーイングによると、787で使われているチタン製部品の一部が不適切に製造されているとメーカーから連絡があった
  • ボーイングは主要サプライヤーであるイタリアのレオナルドが下請け業者のMPSから調達し使用したチタン製部品が仕様に合わず、過去3年に製造された一部機体で交換の必要があることを確認
  • 問題の部品にはレオナルドが組み立てたフレームの複数部分に使用されたチタン製のスペーサー、ブラケット、留め具が含まれる
  • ボーイングは本紙の取材に対し運航中の機体に対して直ちに安全上の問題はないと回答し、欠陥部品が搭載されている機体を調べている。FAA(米国連邦航空局)も同社の判断を了承している
  • ボーイングは別の主要サプライヤーであるスピリット・エアロシステムズ・ホールディングスに対し、同じ下請け業者のMPSから調達した部品の検査を求めた
  • レオナルドは現地時間14日、同社の協力会社でボーイングの認定サプライヤーである伊MPS(Manufacturing Processes Specification S.r.l.)との取引を打ち切ったと発表
  • レオナルドは「787の部品問題はMPSに問題があり、MPSは検察当局の監視下にある。レオナルドは被害者であり、この問題に関する潜在的な費用を負担することない」とコメント

まとめ

正直「またか」というのが率直な気持ち。

というのも

またボーイングの787型機納入が一時停止(2021/5)

2021年7月12日週のボーイング関連情報まとめ

で確認した様に今年2021年は787型機に関しての問題が多過ぎる。更に言うなら787型機以外に関しても品質に関する問題が度々報道されている。

737MAXの問題以降ボーイングは品質管理プロセスの改善に努めており、こういった品質関連の問題が明らかになるのはプロセスが機能していると見ることもできるが、それにしてもなあ。

年初来のボーイング株は

と9月末に

ボーイング(BA)の投資格付けアップデート、他(2021/9)

で触れたように中国での737MAX型機運航停止解除の可能性や投資格付けアップデートもありやや上昇基調になったように見受けられたのが今回の問題で再び下落。

9月末のまとめの際に

「米国に次ぐ第2の航空機市場である中国で運航停止されていたボーイング737MAX型機の規制当局向けテスト飛行がつつがなく終わったという事で、それが契機となって今度こそ上昇基調になって欲しいところ。」

と書いていたのだがその期待は儚く潰えてしまった。

10月27日にボーイングの四半期決算発表が予定されているのだがあまり期待せずにいた方がよさそうだ。配当再開は一体いつの事になるのやら。

これを書いている現時点では配当金生活に問題はないのだが来年AT&T(T)のスピンオフ時に配当減になる際には、業績・株価もパッとせず配当停止が続いているボーイング株の取り扱いについては考えた方がいいのかもしれない。

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