2021年7月12日週のボーイング関連情報まとめ

はじめに

2021年7月12日週は米国での四半期決算発表が本格化し、自分の所有銘柄であるJPモルガン・チェース(JPM)とシティグループ(C)の決算発表も行われた。

JPモルガン(JPM)2021年第2四半期決算(2021/7)

シティグループ(C)2021年第2四半期決算(2021/7)

これらの決算内容にばかり注目してしまったが、同週は同じく所有銘柄であるボーイング(BA)に関するネガティブな報道がされていた。以下にその内容を確認し、整理しておくことにする。


2021年7月12日週のボーイングに関する報道

7月12日:

【787ドリームライナーの在庫に問題発覚】

  • 米連邦航空局(FAA)が12日の米国市場閉場後、ボーイングの「787ドリームライナー」の在庫の一部に新たに製造品質面の問題が見つかり、修理をした上で顧客に引き渡すことになったと発表
  • FAAによると問題点及び認識の過程は以下の通り。
    • まだ引き渡されていない同社の在庫の一部の787ドリームライナーの機首付近で見つかった
    • FAAが義務付けているボーイングのシミュレーション統合生産(SIM)のプロセスに関する現在進行中の全面的な検査で明らかになった
  • FAAは「すでに商業利用されている787にも同様の修理が必要かデータを基に判断する」と発表

7月13日:

【前日の787ドリームライナーに関するFAA発表を受けてのボーイング発表】

  • ボーイングが「787ドリームライナー」の生産に関連する構造的問題が見つかったため、一時的に生産ペースを引き下げると発表
  • 改修作業のため年内の出荷は約100機ある在庫の半分以下になる見通し
  • 当初は在庫の大部分を年内に出荷する計画だった
  • どの程度生産ペースを落とすかは明らかにしていないが、現在の月間生産は5機

【ボーイングの投資格付けアップデート】

  • Wolfe ResearchのアナリストHunter Keay氏がボーイングの投資格付けUnderperformからPeer Performに上方修正
  • 目標株価は224ドル
  • 投資格付けアップデートの要旨は以下の通り
    • 最近の米航空会社の航空機発注増に伴い、2022~2024年の米航空会社の資本的支出シナリオを上方修正
    • 3ヶ月前に比べ需給バランスが改善し、ボーイング受注の下振れシナリオの可能性が減少
    • ただしボーイング固有のリスクは依然としてあると言及

7月14日:

【2021年第2四半期の商用機引き渡し/受注情報更新】

  • ボーイングが2021年第2四半期(4~6月)の商用機引き渡し/受注情報をアップデート
  • 引き渡しは前年同期比59機(3.95倍)増の79機
  • 受注は307機(31.7倍)増の317機

7月15日:

【ボーイング737型機への検査命令】

  • 米連邦航空局(FAA)が15日、ボーイング737型機を運航する航空会社に対し客室の気圧高度計がうまく働かない可能性があるとしてウェブサイトに検査命令を掲載
  • 2000飛行時間以内ごとに客室の圧力スイッチ検査を繰り返すなどし、必要なら交換するよう要請
  •  対象は737MAXを含む737型機全シリーズ(米国内登録2502機、米国外登録9315機)で、昨年11月のFAAによる737MAXの運航停止解除とは無関係
  • ボーイングとFAAは当初問題を検討し安全性に支障はないと結論付けたが、追加の調査と分析を経て、5月に両翼での作動ミスの発生率が当初の推計よりはるかに大きく、安全性の問題をはらむとの判断に至ったとのこと
  • FAAは作動ミスの発生率が想定外に高い原因を断定するには現状で十分な情報がないとしている
  • ボーイングは今回の命令について「FAAの決定を支持する」とし、同社としても6月に同様の要請を航空会社に出していたと説明

まとめ

上記の様に2021年7月12日週はボーイングに関するアップデートが目白押しだったのだが、それらを受けて株価がどうなったかというと、

787ドリームライナーの在庫に問題が発覚した12日の米国市場閉場後以降連日の右肩下がりで約20ドル、10%近い下落となっている。

市場(S&P 500)はほぼフラットであったことを考えると、ボーイングの下落振りが際立つ。

原因は言うまでもなく上に挙げた報道のほとんどがネガティブであった点だろう。良いニュースであった引き渡し/受注増や格付けアップデートも株価の下落傾向を止められていない。

それにしてもここ最近ボーイングは品質関連での問題が多過ぎる。自分がまとめただけでも過去3ヶ月で以下の様に

ボーイング777Xの認証が2023年後半との報道(2021/6)

またボーイングの787型機納入が一時停止(2021/5)

またボーイング737MAX機がトラブル(2021/4)

毎月の様に品質に関する問題が報道されており、年初来ではまだプラスを保っているものの

これでは今後の先行きに不安が増すばかり。ワクチン接種が進むことで航空需要が高まり、それに応じてボーイングの株も上がるかと少し期待していたのだがこれだけ問題が多いとは。

今月末7月28日に予定されているボーイングの2021年第2四半期決算発表の内容がどうなるか。何とか先行きに期待が持てる内容になって欲しい。

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