またボーイングの787型機納入が一時停止(2021/5)

はじめに

2021年5月27日(木)にゼネラル・エレクトリック(GE)株が7%超上昇した事をまとめた際に、ボーイング(BA)株も同日上昇していたことを原因の一つではないかと書いたのだが、その翌日はGE、ボーイング両社とも下落。

単純に27日の上昇の反動だと思っていたのだが、週末に確認してみたところボーイングがまた掲題の様な状態になったことが下落の要因だったようだ。GEの方は特段GEに特化したニュースはなかったので、反動とボーイングの株価下落につられたものと思われる。

以下、ボーイング787関連の報道についてまとめておく。


米国時間5月28日(金)のFAA発表

FAA(米連邦航空局)のサイトで発表を探してみたのだが見つからなかったので、各種報道よりFAAが発表したとされる内容を引用・抜粋。各種報道とも同じ内容で、ボーイング787 Dreamlinerの納入一時停止に関するもの。

  • “Boeing still needs to show that its proposed inspection method would meet FAA’s federal safety regulations. The FAA is waiting for additional data from Boeing before determining whether the company’s solution meets safety regulations,” the FAA said in a statement.
    「ボーイングは提案した検査方法がFAAの連邦安全規制に適合することを示す必要がある。FAAはボーイング社のソリューションが安全規制に適合するかどうかを判断する前に、ボーイングからの追加データを待っている」とFAAは声明で述べた.
  • “Since the FAA has not approved Boeing’s proposal, Boeing chose to temporarily stop deliveries to its customers.”
    「FAA がボーイングの提案を承認していないため、ボーイングは顧客への納入を一時的に停止することを選択した」

これに対しボーイングは以下の様に説明している。

  • “We are working to provide the FAA with additional information concerning the analysis and documentation associated with the verification work on undelivered 787s,” a Boeing spokesperson said in an emailed statement.
    ボーイングの広報担当者は電子メールでの声明で「未納入の787の検証作業に関連する分析と文書化に関する追加情報をFAAに提供するため取り組んでいる」と述べた。
  • “We continue to work closely with the FAA in a transparent and timely manner. There is no impact on the in-service fleet.”
    「我々は透明性が高くタイムリーにFAAと緊密に連携し続けています。稼働中の機体には影響はありません」

まとめ

787 Dreamlinerについては

ボーイングの目標株価及び787型機の納入情報更新(2021/3)

で触れたように3月に約5ヶ月の納入停止が再開されたばかり。ボーイングのサイト納入情報によると3月には2機、4月には9機が納入されている。

冒頭の様にボーイング株への影響はそれ程は大きくなかったが、個人的には不安が残る。

というのも2021年第1四半期決算の際に売上の減少の大きな理由として787の納入停止を挙げているため。今回の一時的としている納入停止の期間によっては、ボーイングの株価、業績に影響が出るのが懸念される。

それにしてもボーイングのトラブルがここ最近目立つ気がする。

またボーイング737MAX機がトラブル(2021/4)

で2021年4月に737MAX機に電気系統にトラブルがあり、

ボーイング(BA)が737MAX生産引上げの報道(2021/5)

で確認した際には約1ヶ月でその問題は解決されたようだが、また787が納入停止と一つ問題が解決するとまた別の問題が起こるという状況。

不思議なのはそういった状況にもかかわらずボーイングの株価は年初来上昇していること。

4月半ばから5月半ばにかけての下落は上の737MAXの納入停止が大きいのだろうが、それを差し引いても年初来では先週末時点でS&P 500を上回るパフォーマンスとなっている。単に自分がボーイングのネガティブな情報を気にし過ぎなだけなのだろうか。

5月に入ってから世界的なCOVID感染者数が再び減少傾向となっているので、自分の懸念が杞憂に終わり旅客需要の増加からボーイングの業績・株価が上昇してくれることを期待したい。

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