GEヘルスケア2023年第2四半期決算(2023/7)

はじめに

2023年7月25日(火)には自分の所有銘柄であるGEヘルスケア・テクノロジーズ(GEHC)の2023年第2四半期決算発表があった。

前回の2023年第1四半期決算を受けてGEHC株は8%を超える大幅下落となったのだが、その後は大崩れせず踏みとどまっていた印象がある。

以下最新の決算内容を確認し、併せて株価推移がどうなっているかについて整理しておく。


GEHC2023年第2四半期決算概要

以下の内容は、GEヘルスケア・テクノロジーズの企業サイトより引用・抜粋。

  • 2023年第2四半期の総売上高(Total Revenues)は48億1700万ドル、前年同期は44億8400万ドルで前年同期比7%の増加

  • 2023年第2四半期の継続事業ベース希薄化一株あたり利益(Diluted EPS – continuing operations)は0.91ドル、前年同期は1.04ドルで前年同期比12.5%の減少
  • 2023年第2四半期の調整後一株あたり利益(Adjusted EPS)は0.92ドル、前年同期は1.15ドルで前年同期比20.0%の減少
  • 2023年第2四半期のスタンドアロンベース調整後一株あたり利益(Standalone Adjusted EPS)は0.92ドル、前年同期は0.82ドルで前年同期比12.2%の増加

継続事業ベースのEPSが前年比で減少となっているのは、GEからの分離後の支払い利息の影響によるもの。

  • 2023年第2四半期のフリーキャッシュフロー(純現金収支・Free Cash Flow)はマイナス1億3600万ドル、前年同期はマイナス7800万ドル

こちらもGEからの分離後の支払い利息と退職後給付金の支払い、そして資本支出の増加が影響して前年比でマイナスとなっている。

事業部別業績

全体的に売上が増加しているのに対しEBITマージンが減少している部門が多いのは、原材料のインフレと事業成長のための投資などの影響とのこと。

【Imaging(イメージング)】

売上は26億2000万ドルで前年同期比9%増加(既存事業ベース)、EBIT(Earnings Before Interest and Taxes:利息及び税金引き前利益)は2億7800万ドルで前年同期比9%減少、EBITマージンは10.6%で前年同期は12.5%。

【Ultrasound(超音波)】

売上は8億3900万ドルで前年同期比3%増加(既存事業ベース)、EBIT(Earnings Before Interest and Taxes:利息及び税金引き前利益)は1億9100万ドルで前年同期比13%減少、EBITマージンは22.8%で前年同期は26.6%。

【Patient Care Solutions(患者ケアソリューション)】

売上は7億7000万ドルで前年同期比9%増加(既存事業ベース)、EBIT(Earnings Before Interest and Taxes:利息及び税金引き前利益)は8400万ドルで前年同期比4%増加、EBITマージンは10.9%で前年同期は11.4%。

【Pharmaceutical Diagnostics(医薬品診断)】

売上は5億6800万ドルで前年同期比20%増加(既存事業ベース)、EBIT(Earnings Before Interest and Taxes:利息及び税金引き前利益)は1億5200万ドルで前年同期比32%増加、EBITマージンは26.8%で前年同期は24.1%。

2023年通期見通し

2023年の通期見通しは以下の通り。

  • 既存事業成長率(Organic Growth):6~8%(前回の5~7%から上方修正)
  • Adjusted EBITマージン:15.0~15.5%(前回と変わらず)
  • Adjusted ETR:23.0~25.0%(前回と変わらず)
  • Adjusted EPS:3.70~3.85ドル(前回の3.60~3.75ドルから上方修正)
  • Free cash flowコンバージョン:85%+(前回と変わらず)

その他

その他決算発表及びアナリストとのカンファレンスコールで気になった点は以下の通り。

  • アルツハイマー病治療薬の販売と患者向け検査が商業的に開始されることで、来年は病院や医療センターで同社の画像診断機器の需要が高まる
  • これは(GEHCを含む)PET検査と分子イメージング装置を提供する全ての企業にとって大きな成長機会になるだろう
  • GEからの分離関連項目を除くと第2四半期のフリーキャッシュフローはプラス
  • 季節的要因により第4四半期の調整後EBITマージンは今年最高となる一方、第3四半期は第2四半期と同程度になると想定

市場予測との比較

  • 2023年第2四半期の総売上高(Total Revenues)は48億1700万ドル、市場予想の46億3000万ドルを上回っている
  • 2023年第2四半期の調整後一株あたり利益(Adjusted EPS)は0.92ドル、市場予想の0.87ドルを上回っている

まとめ

上記の様な決算を受けてGEヘルスケアの株価は

前日比0.52%の下落。同日の米国市場が

前日比やや上昇だったのと比べるとGEHCの下落はやや見劣りがする。決算の内容を見ても売上やEPSは市場予想を上回り、通期見通しも上方修正しているだけにこの結果は自分にとっては今一つ腑に落ちない。調べてみても理由は不明のまま。

日中の株価を見てみると

決算発表を受けての開場直後は上昇したもののその後下落に転じ、午後になってやや持ち直したものの前日比下落で終えるという動きだった。もしかするとEBITマージンが減少している部門が多かったことが材料視されたのかもしれない。

決算後数日を含めた年初来の動きを見てみると

市場(S&P 500)の約19%上昇に比べて約33%の上昇と悪くない上昇率。ただ最初に書いた2023年4月の第1四半期決算後からは多少の動きはあるものの株価はほぼ横ばいと停滞しており、今回の決算を受けての下落が拡大しているのが気にかかる。

今後のGEHC株だが、決算を受けて上昇しなかった事やその後も冴えない動きである事を考えると株価上昇にはあまり期待できない状況が続きそうだ。何とかこれ以上大きく下落せずに現在の株価水準を維持してもらいたい。

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