ディズニー(DIS)のボブ・アイガーCEOが退任(2020/2)

はじめに

2020年2月24日からコロナウイルスの影響で、それまで何とか持ちこたえていた米国市場全体が急落しており、保有銘柄の個別状況までなかなか注意が向かない中で、これは確認しておいた方がよいと思ったのが掲題のニュース。以下にその内容をまとめておく。


ボブ・アイガー氏のCEO退任発表

以下はウォルト・ディズニーの企業サイトより引用・抜粋。

  • The Walt Disney Company Board of Directors announced today that Bob Chapek has been named Chief Executive Officer, The Walt Disney Company, effective immediately.
    ウォルト・ディズニー・カンパニーの取締役会は、本日付けでボブ・チャペックがウォルトディズニーカンパニーの最高経営責任者に任命されたことを発表しました。
  • Robert A. Iger assumes the role of Executive Chairman and will direct the Company’s creative endeavors, while leading the Board and providing the full benefit of his experience, leadership and guidance to ensure a smooth and successful transition through the end of his contract on Dec. 31, 2021.
  • ロバート A.アイガーは会長職として、当社の創造的な取り組みを指揮し、 経験、リーダーシップ、およびガイダンスを最大限に活用して取締役会を率い、2021年12月31日の契約終了までのスムーズな移行を確かなものとします。
    “With the successful launch of Disney’s direct-to-consumer businesses and the integration of Twenty-First Century Fox well underway, I believe this is the optimal time to transition to a new CEO,” Mr. Iger said.
    「ディズニーの消費者向けビジネスの立ち上げが成功し、21世紀フォックスの統合が順調に進んでいるので、これが新しいCEOに移行する最適な時期だと思います」とアイガー氏は述べました。

発表資料では、上記に続いてアイガー氏がチャペック氏の紹介、チャペック氏の簡単なコメントがあり、チャペック氏の経歴と続いている。詳細は割愛するが、チャペック氏は直近ではテーマパーク部門の会長を務めていた。テーマパーク部門は前回の決算発表にもあるように、売上、営業利益ともにウォルト・ディズニーの中核部門の一つ。

以下は投資家向けカンファレンス・コールより気になったアイガー氏のコメント。

  • “identified Bob actually quite some ago as a likely successor of mine, and with everything else in place, the time seemed right.”
    「ボブは実はかなり前に私の後継者であると認識されており、すべてが整った今回が正しいタイミングに見えました」
  • “the company has gotten larger and the company’s gotten more complex just in the recent 12 months,”
    「この12ヶ月で会社が大きくなり、会社がさらに複雑になりました」
  • “I felt … that I should be spending as much time as possible on the creative side of our businesses because with the asset base in place and strategy in place, that becomes the biggest priority.
    「私は、我々のビジネスの創造的な側面にできるだけ多くの時間を費やすべきだと感じました。資産基盤と戦略が整ったので、それが最優先事項になっています。
  • Thinking about what I want to accomplish before I leave the company at the end of ’21, getting everything right creatively would be my No. 1 goal. I could not do that if I were running the company on a day-to-day basis.”
    21年の終わりに会社を辞める前に達成したいことを考えると、すべてを創造的に正しくすることが私の一番の目標です。日々会社を経営していれば、それはできないでしょう。」

この辺りがCEO退任の理由なのだろう。個人的には今一つ「Creative」が具体的に何を指しているか分からないので、釈然としない点はあるのだが。


まとめ

この発表は米国市場終了後にあったので、本日26日のディズニーの株価にどのような影響を及ぼすのかには要注目。

アイガー氏は2005年10月から15年近くCEO職を担ってきたわけで、その間の株価も以下の様に概ね堅調。

アイガー氏の69才という年齢も考慮すると、確かに適切なCEO交代のタイミングなのかもしれないが、長期にわたってCEOを務めてきたアイガー氏がCEO職を退くというのは、今後に不安を持たせる要素ではある。引継ぎ期間が2021年末まで22ヶ月と長めであることはその不安をある程度は軽減する気もするのだが、どうなるだろう。

恐らくしばらくすると、ボブ・チャペック氏が新たな経営方針などに言及すると思われるので、それを待ってから判断するのが吉だろうか。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

コメントの入力は終了しました。