はじめに
2024年6月26日(水)の米国市場閉場後16:30に2024年の米銀ストレステスト結果が公表されたのは既にまとめたが、それを受けて自分の所有銘柄であるJPモルガン・チェース(JPM)がいくつかの発表を6月28日(金)に行っている(恐らく米株式市場閉場後)。
以下、それら内容について確認し整理しておく。
2024年ストレステストを受けてのJPモルガン発表
以下はJPモルガン・チェースの企業サイト及びFRBのサイトより引用・抜粋。
四半期配当の増配
- 2024年第3四半期の普通株式四半期配当を1株当たり1.25ドル (現在は1株当たり1.15ドル。8.7%) に増額する予定であると発表
新たな自社株買戻しプログラムの承認
- 当社取締役会は、2024年7月1日より300億ドルの新たな普通株式買い戻しプログラムを承認
新たなストレス資本バッファー(SCB:Stress Capital Buffer)要件
- 連邦準備制度理事会が定める当社の暫定的なストレス資本バッファー(SCB)要件は3.3%(現行の2.9%から上昇)
- 規制バッファー(regulatory buffers)を含む当社の普通株式等Tier 1(CET1)資本比率要件は12.3%(現行の11.9%から上昇)
- ストレス損失が増加する可能性に関する2024年6月26日の当社の開示と一致して、連邦準備制度理事会が当社のストレス結果を修正した場合、当社の標準化CET1資本比率要件は12.3%よりもわずかに高くなる可能性がある。連邦準備制度理事会は2024年8月31日までに当社に最終的なSCB要件を提供し、その要件は2024年10月1日に発効し、2025年9月30日まで有効となる
FRBとJPモルガンのストレステスト結果
FRBとJPモルガンのストレステスト結果には以下の様にやや相違がある。
【JPモルガン】
【FRB】
例えば普通株式等Tier 1(CET1)資本比率はJPモルガンの結果では12.3%、FRBの結果では12.5%となっている。
この差異はストレステストのシナリオ自体は同じものだが使用するモデルと手法が異なっているため。
最高経営責任者(CEO)Jamie Dimon氏のコメント
- 当社の強みにより、将来に向けた事業構築への継続的な投資、持続可能な配当の支払い、および必要に応じて残りの余剰資本を株主に還元することが可能
- 取締役会が計画している今年2回目の増配は、株主への持続可能な資本配分レベルを示すものであり、当社の強力な財務実績と事業への継続的な投資によって支えられている
- 新しい自社株買いプログラムは、時間の経過とともに余剰資本を適切な場合に株主に還元するためのさらなる柔軟性を提供する
- 邦準備制度理事会の2024年のストレステストの結果は、業界全体の銀行が回復力があり、深刻な仮想ショックにも耐えることができ、引き続き経済全体の強さの源として機能できることを示している
- CCAR(Comprehensive Capital Analysis and Review:包括的資本分析及びレビュー)は単一のポイントインタイムのストレステストだが、当社では毎週何百ものストレステストを実施しており、これにはさまざまな種類の非常に大きな市場変動が含まれる
- 当社は引き続き、相当な余剰資本を備えた堅固なバランスシートを維持し、世界中のお客様、政府、コミュニティのために常に貢献できるよう、さまざまな潜在的な環境に備えていく
まとめ
以上2024年米銀ストレステストを受けてのJPモルガン発表をまとめてみた。
発表が6月28日(金)の米株式市場取引後だと思われるため、これらの発表が株価にどの様に反映されるかが気になるところ。
- 配当増の発表
- 新たな自社株買い戻しプログラムの発表
- 新たなストレステスト資本バッファー及び普通株式等Tier 1(CET1)資本比率要件
はいずれも好材料に見えるが、それらの割合や金額などが市場の期待に届いていない場合は株価下落に繋がる恐れもあるのでまだ一抹の不安は残る。
これらの発表を受けて週明け7月1日(月)のJPモルガン株が上昇し、7月12日(金)に予定されている2024年第2四半期決算にうまく繋げて欲しいものだ。