2020年1月15日の米中「第一段階」通商合意調印の前情報

はじめに

今週は自分の主力株であるシティグループ(C)などを手始めとして自分が保有している銘柄の四半期決算が発表され始める。

それにも増して個人的に気になっているのは、1月15日に予定されている米中「第一段階」通商合意調印。昨日、本日とそれに関連する報道がなされていたので、その内容をまとめておくことにする。


ムニューシン米財務長官の発言

以下は1月12日のFOXニュース・チャンネルの“Sunday Morning Futures with Maria Bartiromo”ショウでのムニューシン米財務長官の発言より引用・抜粋。

  • “We have been going through a translation process that I think we said was really a technical issue,”
    (調印文書は)現在翻訳作業が行われており、われわれはこれについて技術的な問題だと言ったと思う
  •  “And the language will be released this week. So I think it is — the day of the signing, we will be releasing the English version.”
    内容は今週公表されるだろう。おそらく署名の日に英語版を公表するだろう
  • “And people can see. This is a very, very extensive agreement,”
    それは非常に、非常に大規模な合意であることがわかるだろう
  • “Let me just say, it is $200 billion of additional products across the board over the next two years, and, specifically in agriculture, $40 billion to $50 billion.”
    全体として2年間で2000億ドル相当の米産品が追加購入され、農産品に関しては400億~500億ドルとなる、と言っておこう

「米中包括経済対話」の再開合意

以下はロイターの報道より引用・抜粋。ただし第一報はウォール・ストリート・ジャーナル誌。

  • The United States and China have agreed to restart semi-annual talks aimed at resolving economic disputes between the two countries, a process abandoned at the start of the Trump administration as a trade conflict between the countries escalated.
    米中は、両国間の経済紛争を解決することを目的とした半年に一度の会談を再開することに同意しました。これは両国間の貿易紛争が拡大したため、トランプ政権の開始時に放棄されたものです
  • An official familiar with the deliberations said the resumption of the U.S. China Comprehensive Economic Dialogue will be announced on Jan. 15 as part of the signing of a Phase 1 trade deal between the U.S. and China.
    審議に詳しい関係者は、米中「第一段階」通商合意調印の一環として、1月15日に米中包括的経済対話の再開が発表されると述べた
  • The regular meetings will provide a forum for steady, high-level conversation between the world’s two largest economies separate from the sometimes rocky negotiations over their trade relationship.
    定期的な会議は、貿易関係をめぐり不定期に行われる交渉とは別に、世界の2大国間の安定した高レベルの会話のための場を提供することになります

まとめ

15日調印予定の具体的な内容については、2019年12月13日の報道内容から未だ明らかになっていない。本日の午後中国の劉副首相がワシントンに向けて出発しているので、さすがに合意がひっくり返されることは無いだろうが、この時点で具体的な内容に関して不明な点が多いのが気に掛かるところではある。

一方で、2000年代にジョージ・W・ブッシュ大統領が始め、バラク・オバマ大統領の下でも続けられていたが、トランプ大統領が2017年7月を最後にしていた「米中包括経済対話」が米中「第一段階」通商合意調印の一環として再開の発表がなされるとの報道は、米中が個別交渉とは別に定期的な話し合いの場を持つ、という点で結構大きな歩み寄りだと思う。

2020年初めから米とイランの緊張が高まり先行きが不安なのだが、米中の交渉の方は目新しい内容でなくても良いので、大きなネガティブサプライズがなく調印されることを切に希望するのだがどうなるか。

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