OPECプラスが減産の段階的縮小で合意(2020/12/4)

はじめに

先日

エクソン(XOM)が減損処理発表、他(2020/12/01)

で少し触れた、今後自分がそれなりに投資しているエクソン・モービル(XOM)の株価に影響を与えると思われるOPECプラスの会合の結果が出たので以下に整理しておく。


2020年12月3日のOPECプラス会合まとめ

前提:現在日量770万バレルの減産が継続中

OPECプラス開始直前:

  • 2021年1月に予定されていた減産の規模は、現在の770万バレルの減産から190万バレル減産幅を縮小し、日量580万バレル
  • ただ減産規模の縮小は、新型コロナの拡大を受けて3ヶ月の先送りが見込まれていた
  • 事前の調整に手間がかかり元々予定されていた12月1日の会合が12月3日に延期となった

OPECプラス会合結果:

  • 2021年1月から現在の日量770万バレルの減産から50万バレル減産幅を縮小し、日量720万バレルの減産とする
  • 2020年1月から毎月OPECプラス閣僚協議で翌月の減産を見直す
  • 2020年2月以降も1ヶ月当たりの縮小幅は日量50万バレルまでにとどめる
  • 2020年の全般的かつ長期的な方針については合意に至らず

OPECプラス結果の理由補足:

  1. 1月から減産規模を580万バレルまで縮小する計画だったが、新型コロナの感染再拡大を受け修正を議論してきた
  2. 需要停滞への警戒から縮小を3ヶ月延期するとの見方が有力
  3. しかし最近になってワクチンの承認や接種に向けた動きが相次ぎ、経済活動が正常化に向かうとの期待が浮上
  4. 結果減産規模は当初計画より小幅にとどまった
  5. サウジアラビアのアブドルアジズ・エネルギー相は、多くの国で意見の隔たりがあり協議は難航した、とコメント

まとめ

結果として元々予定されていた減産縮小には至らず。つまり市場に供給される原油は2020年1月から現在供給されている日量より50万バレル増えるにとどまり、この程度では原油の供給過多にはならない見通し。

それを受けてか原油先物価格はやや上昇。以下は過去1ヶ月のニューヨークの原油先物市場のチャート。

昨日も含めて概ね右肩上がりで上昇している。

これを受けてのエクソン・モービル(XOM)の昨日の株価は、

僅かながら上昇。ダウ工業平均が0.29%の上昇、S&P 500が0.06%の下落、NASDAQが0.23%の上昇だったので、それよりは多少マシだったという程度で、昨日のOPECプラスの会合結果で大きな影響は出なかった事になる(OPECプラスの会合結果が出たのは米国市場の午後)。

ただ大きな影響が出なかったことが重要で、もしOPECプラスの会合が物別れし減産延長が崩れる可能性もあった事を思えば御の字だろう。実際一部の産油国から新型コロナウイルスワクチンへの期待から上記の様に原油相場が値上がりする中、減産延長に疑問の声が上がっていたらしいので。

取りあえずエクソン株に影響を与えそうな要因を無難に乗り切った事は素直に喜んでおくべきだろう(かといってまだ予断を許さない状況ではあると思うのだが・・・)。

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