FDAがIQOSを曝露低減タバコ製品とし販売許可(2020/7)

はじめに

週末に自分のポートフォリオを眺めていて、先月購入したアルトリア・グループ(MO)の株価が購入時価格(手数料抜き@40ドル、手数料込み@40.05116ドル)を上回った事に気が付いた。

何か理由があるのかと思って確認してみたところ、金曜日の株価上昇に影響は無かったと思われるが、先週掲題の発表がなされていたのでその内容について整理しておく。


FDAの発表(7月7日)

以下はFDA(米食品医薬品局)のサイトより引用・抜粋。

  • Today, the U.S. Food and Drug Administration authorized the marketing of Philip Morris Products S.A.’s “IQOS Tobacco Heating System” as modified risk tobacco products (MRTPs).
    本日、FDAはフィリップモリスプロダクツS.A.の「IQOSタバコヒーティングシステム」の販売をリスク低減タバコ製品(MRTP)として承認しました。

本当はその後に英語の詳細が続くのだが自分には翻訳が難しかったので、同種の内容を伝えていると思われるフィリップ モリス ジャパン合同会社のサイトより日本語を引用・抜粋する。

米食品医薬品局(U.S. Food & Drug Administration; 以下FDA)は本日(7月7日)、フィリップ モリス インターナショナル(以下PMI)社製の電気加熱式たばこ製品「IQOS」の「リスク低減たばこ製品(MRTP:Modified Risk Tobacco Products)申請」について、「曝露低減たばこ製品」として販売することを許可しました。同局は、IQOSについて「曝露低減」のコミュニケーションを付して販売することは、公衆衛生を促進するために妥当であると判断しました。

– 今回の決定は、IQOSは、紙巻たばことは根本的に異なるたばこ製品であり、喫煙を続ける成人喫煙者にとってより良い選択肢であることを示しています。

– IQOSは、FDAのMRTP申請を通じて、曝露低減たばこ製品として販売が許可された、最初で唯一の電気加熱式たばこ製品です。

– FDAは、以下のコミュニケーションを付した形でIQOSを販売することを許可しました。

・IQOSはたばこ葉を燃やさず加熱する

・これにより、発生する有害および有害性成分の量が大幅に低減する

・科学的研究の結果、従来の紙巻たばこからIQOSに完全に切替えることで、成人喫煙者の体内での有害および有害性成分への曝露が低減する

– FDAは、成人喫煙者と現在たばこ製品を使用していない人たちを含め、社会全体の健康にとってIQOSが有益であると考えられることが、これまでの科学的検証データによって示されていると結論付けました。

– FDAの決定はさらに、IQOSは紙巻たばこの喫煙を続けるよりもより良い選択肢であるという、第三者による独立した国際的・科学的コンセンサスに基づいており、米国におけるIQOS販売の許可に関する2019年4月のFDAの決定も踏まえています。

– 今回の決定は、政府や公衆衛生当局が公衆衛生を保護および促進していくために、煙の出ない代替製品と紙巻たばこを区別し、どう規制するかについて、重要な例を示すものです。

文中に頻繁に出てくる曝露低減(reduced exposure)とは、ここでは「有害物質にさらされることの低減」という意味合いだろう。

今までとは違う「曝露低減」というキーワードを元に販売活動が出来るという点は、今後の米国内でのIQOS販売に有利に働くだろうと思われる。そしてアルトリアの完全子会社であるフィリップモリスUSA(PM USA)が独占的なライセンス契約に基づいて米国でIQOSを商品化している。


まとめ

といった具合に先週はアルトリア・グループに有利に働くと思われる発表があったのだが、直近の株価推移では冒頭に上げたとおり、7日の発表よりは10日の市場全体の上昇に拠るところが大きい気がする。

ただ、7日は市場が下落していたのでやはりポジティブには受け止められたのだろう。

短期的にはあまり材料視されてはいないようだが、長期的にはこの承認がアルトリア・グループの業績・株価に好影響を及ぼすことを期待したいものだ。ここしばらくはJUULの失敗や紙巻タバコの出荷量減少などのネガティブなニュースしかなかったからなあ。

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