ボーイング737MAX、欧州での運航再開報道(2020/10)

はじめに

昨日は自分の所有しているボーイング(BA)とゼネラル・エレクトリック(GE)の業績・株価に影響がありそうな報道があったので、その内容について確認・整理しておくことにする。


2020年10月16日のブルームバーグの報道

以下はブルームバーグの欧州航空安全機関(EASA:European Aviation Safety Agency)Patrick Ky事務局長へのインタビューより引用・抜粋。

  • Europe’s top aviation regulator said he’s satisfied that changes to Boeing Co.’s 737 Max have made the plane safe enough to return to the region’s skies before 2020 is out
    欧州航空安全機関(EASA)のトップ(Patrick Ky氏)はボーイング737MAXについて、改修で年内の域内飛行に十分な安全性が確保されたことに満足していると述べた
  • After test flights conducted in September, EASA is performing final document reviews ahead of a draft airworthiness directive it expects to issue next month
    9月に実施された試験飛行の後、EASAは来月発行される予定の耐空性指令案に先立って最終文書レビューを実施している
  • That will be followed by four weeks of public comment, while the development of a so-called synthetic sensor to add redundancy will take 20 to 24 months
    その後4週間のパブリックコメントが実施され、冗長性を追加するためのいわゆる合成センサーの開発には20〜24か月かかる
  • “Our analysis is showing that this is safe, and the level of safety reached is high enough for us,”
    「私たちの分析ではこれが安全であり、到達した安全性のレベルが私たちにとって十分に高いことを示しています」
  • “What we discussed with Boeing is the fact that with the third sensor, we could reach even higher safety levels.”
    「ボーイングと話し合ったのは、第三のセンサーを使用するとさらに高い安全レベルに到達できるという事実です」(第三のセンサーとは、上で挙げている冗長性のための合成センサー(synthetic sensor)の事)
  • The comments mark the firmest endorsement yet from a major regulator of Boeing’s goal to return its beleaguered workhorse to service by year-end, following numerous delays and setbacks.
    今回の発言は数々の遅れや後退を余儀なくされた737MAXの年内運航再開を目指すボーイングにとって、欧州域内でこれまでで最も強固な支持を意味する

ブルームバーグの記事ではこの後FAA(米連邦航空局)のプロセスについて言及しており関係者の話として、ボーイングはソフトウェア監査や安全性評価を含む最終的な文書パッケージをまもなく提出される予定としている。


報道を受けてのボーイングとGEの株価

上記の報道を受けてボーイングの株価がどうなったかというと、

1.89%の上昇。ダウ工業平均が0.39%、S&P 500が0.01%の上昇、NASDAQが0.36%のマイナスだった事を考えるとまずまずの上昇具合だったのではないだろうか。

それよりも同日のゼネラル・エレクトリック(GE)の株価が、

6.11%の急上昇。第2四半期の決算時には航空機エンジンを扱うAviation部門が大きく落ち込んだこともあり、GEの株価も決算発表後に6.59ドル(前日比4.35%減)、その翌日には6.26ドル(前日比5.01%減)となったのだが、先月には

GE今年下半期にキャッシュフロー黒字化?(2020/9/17)

という報道もあり、もしボーイング737MAXが年内に運航再開という事になれば、ボーイング737MAXにエンジンを提供しているAviation部門の回復にもつながる訳で、今後のGEの業績回復に対する期待が高まったということなのだろう。


まとめ

上記報道の通り年内に737MAXが運航再開ということになれば、ボーイング、GEの今後には多少期待が持てるのだろうか。欧米ではCOVID-19の懸念が未だ続いており、航空需要の先行きについてはまだまだ予断を許さない状況で本格的な回復には遠いかもしれないが、少なくとも運航再開が両社にとってマイナスに働くことはないだろう。

現在の自分のボーイング、GEの所有状況は以下の通り。

ボーイングは取得価額に比べてプラス26%となっているものの配当停止中。配当が再開されるのは何時のことになるやら。

GEは僅かながら配当が出ているものの取得価額に比べて半値以下。

完全リタイアを決めた今となっては、株価・資産の増加よりも配当率の方が気になるのだが、両社共に配当金生活に貢献してくれるにはかなり時間がかかりそう。両社とも売却して別の銘柄に、と考えなくもないのだが、現時点では所有株全体の配当金プラス対処均等で配当金生活が賄える見込みであるので、あくまで考えるに留めておくのが適当だろうか。ここで売却するより、現在の配当金への貢献はほぼ無いのだが、数年後の回復に期待して保持していた方がボーイングとGEの場合は良さそうな気がする。

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