2019年5月10日、アメリカの対中関税25%引き上げ経緯まとめ

はじめに

昨年から折に触れて気にはしていたアメリカと中国の貿易交渉は、結局交渉期限のアメリカ東部時間時間5月10日0時までにまとまらず、11日午前0時1分から中国からの輸入品に新たな関税が課されることになった。

自分のために直近の流れについて整理しておくことにしよう。


直近(2019年5月)の米中交渉まとめ

以下基本的にはアメリカ東部時間を元にした日。ロイター、トランプ大統領のツイッターより引用・抜粋。

5月5日:

  • まずトランプ米大統領が、2000億ドル相当の中国製品に対する関税を10日から現在の10%から25%に引き上げるとツイッターで表明。現在関税を課していない3250億ドル相当の中国製品についても、「近く」25%の関税を発動する考えを示す。この際の状況は既に整理済み

5月6日:

  • 5月5日の時点ではウォール・ストリート・ジャーナルが関係筋の話として、トランプ大統領のコメントを受けて中国が今週の協議を取りやめることを検討していると報じていたが、中国政府は、通商協議のために交渉団を米国に派遣する方針を示す
  • トランプ大統領はツイッターへの投稿で、米国の対中貿易赤字に言及。「申し訳ないが、これ以上こうした状況を続けることはない!(Sorry, we’re not going to be doing that anymore!)」と述べる
  • アメリカの通常取引終了後に、ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表とム
    ニューシン米財務長官が、中国がこれまでの通商協議での合意に背いていると批判。ただし、中国の交渉団が9、10日に訪米し協議を継続するとした上で、劉鶴副首相が両日の協議に出席する見通しだと述べる

5月7日:

  • 中国は7日、劉鶴副首相が通商協議のため9 – 10日に訪米すると明らかにした。米国の対中関税引き上げ回避を図る。
    中国商務省が訪米予定を確認した。劉副首相は当初3日間としていたワシントン滞在期間を2日間に変更するという。

5月8日:

  • 複数の米政府関係筋と民間の関係筋によると、中国政府は米中貿易交渉の合意文書案の全7章に修正を加えて、米国側に提示した。
    合意文書案は150ページ近くに及ぶが、中国政府が加えた修正はこれまでの交渉を白紙に戻すような内容だったという。
    関係筋によると中国政府は、知的財産・企業秘密の保護、技術の強制移転、競争政策、金融サービス市場へのアクセス、為替操作の分野で、米国が強い不満を示していた問題を解決するために法律を改正するとの約束を撤回した。
    修正後の文書がワシントンに届いたのは5月3日の夜。その後5日にトランプ米大統領が対中関税の引き上げをツイッターで表明した。
    ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表は、中国側が過去に改革の約束を守らなかったため、中国に合意事項を順守させるには法改正が不可欠との立場を示している。
  • 米ホワイトハウスのサンダース報道官は8日、中国が通商合意の実現に意欲を示す情報を入手したと記者団に明らかにした。サンダース氏は記者団に「先方が合意を望むことを示す情報を得た。わが方のチームは翌日、協議の席に着く。そこからどうなるか見極めたい」と述べた。
    ロイターはこれに先立ち、複数の米政府関係筋と民間の関係筋の話として、中国政府が米中貿易交渉の合意文書案の全7章に修正を加えて米国側に提示した、と伝えた
  • 米政府は8日、2000億ドル相当の中国製品に対する関税を10日午前0時1分(日本時間午後1時1分)に現在の10%から25%に引き上げると官報で正式に通知した。
    中国商務省は、米国の対応は非常に遺憾と表明。米国が関税を引き上げるなら対抗措置を取ると警告した。貿易摩擦の激化は双方にとって利益にならないとも指摘した。

5月9日:

  • 中国商務省は9日、米国との貿易戦争において自国の利益を守る用意が十分にあると表明した。その上で、米国が一方的な措置でなく対話を通じて問題を解決することを期待するとした。
    商務省の高峰報道官は記者団に対し、中国には国益を守る決意と能力があるが、米国が歩み寄ることを期待すると述べた。
    「中国の姿勢は一貫しており、いかなる圧力にも屈しない」と表明し、「起こり得るあらゆる事態に対応できる用意がある」と語った。詳細には言及しなかった。
    報道官は、合意に達するには双方の努力が必要だと指摘。米政府が関税引き上げをちらつかせているにもかかわらず、中国は通商代表を訪米させることで誠意を示したと付け加えた。
    また、通商交渉のプロセスは長く、意見の相違があることは普通だと指摘。中国は貿易を巡る対立の解消に向けて米国と協議を続けることに前向きだとした。
    このほか、中国企業が技術機密を盗んでいるとの指摘は不当で、事実に基づいていないと述べた。
  • トランプ米大統領は9日、中国の習近平国家主席からの「素晴らしい書簡」を受け取ったとし、「習主席とおそらく電話で会談するだろう」と述べた。
    また米中通商協議が今週合意に達する可能性があるとの見方を示した。
  • 米国と中国は9日、ワシントンで行われている貿易問題を巡る閣僚級協議の1日目を終了した。
    中国の劉鶴副首相はこの日、ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表、ムニューシン財務長官と約90分会談。 ホワイトハウスの報道官によると、ライトハイザー、ムニューシンの両氏と劉鶴副首相は、10日午前に通商協議を継続することで合意した。
    米政府は米東部時間10日午前0時1分(日本時間同午後1時1分)に、中国からの2000億ドル相当の輸入品に対する関税を10%から25%に引き上げるとしている。

5月10日:

  • 米政府は10日、中国からの2000億ドル相当の輸入品に対する関税を10%から25%に引き上げた。
    新たな関税は米東部時間10日午前0時1分(日本時間同午後1時1分)以降の輸出品に適用される。
  • 中国商務省は10日、米国が2000億ドル相当の中国製品に対する関税を10%から25%に引き上げたことは「非常に遺憾だ」とする声明を発表し、対抗措置を講じる考えを示した。 対抗措置の詳細は明らかにしなかった。
    商務省は協議は継続しているとし、米中が互いに歩み寄り、協力と対話を通じて問題を解決することを期待すると表明した。

この後日本時間の夜、アメリカ時間の早朝にトランプ大統領がツイッターを投稿しているのだが、発言を削除したりもしているので、もう少し情報の整理には時間を置くべきだろう。

こうして米中双方の交渉を時系列で見てみると、両国の駆け引きが透けて見えてとても興味深い。自分の資産に影響している点を除けば、なのだが…。


まとめ

ここ数日の自分の資産の動きは、

この様になっており、ドル安も重なって下落傾向。今のところは5月8日(米国市場5月7日)に大きく下落した以外は、個人的には許容範囲。

昨年2018年の10月、あるいは12月の株価急下落の際は理由が今一つ不明瞭だったのに大きく下落していただが、今回の資産の下落は理由がはっきりしており、ここ数ヶ月貿易交渉がどうなるか気に掛けてもいたし、2018年10月、12月に比べると今のところそれほど大きな下落ではないので、悪い結果ではあるけれども個人的なショックはそれほど大きくない。

ただ、あくまで現在(日本時間5月10日夜)の時点では、という事で今後の市場動向及び自分の資産への影響がどうなるのかは予想がつかないのが正直なところだが、どちらにしろバイアンドホールド/長期投資で今までやってきたので、基本的には様子見だろう。願わくば中長期的に自分の資産に好影響を及ぼしてくれればいいのだがなあ…。

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