GEヘルスケア2023年第1四半期決算(2023/4)

はじめに

2023年4月25日(火)には自分の所有銘柄であるGEヘルスケア・テクノロジーズ(GEHC)の2023年第1四半期決算発表があった。

GEヘルスケアは2023年1月にゼネラル・エレクトリック(GE)からスピンオフしており、その後1月に2022年第4四半期決算をGEヘルスケアの下で発表しているものの、期が2022年10~12月でありGEのヘルスケア事業部門であった当時の決算であった。

今回は2023年1~3月期の決算であり、GEヘルスケアとしてスピンオフしてから初めての決算となる。以下その決算内容がどうだったか、そしてその結果株価がどうなったかについて確認、整理しておく。


GEHC2023年第1四半期決算概要

以下の内容は、GEヘルスケア・テクノロジーズの企業サイトより引用・抜粋。

  • 2023年第1四半期の総売上高(Total Revenues)は47億700万ドル、前年同期は43億4300万ドルで前年同期比8%の増加

  • 2023年第1四半期の継続事業ベース希薄化一株あたり利益(Diluted EPS – continuing operations)は0.41ドル、前年同期は0.86ドルで前年同期比52.3%の減少
  • 2023年第1四半期の調整後一株あたり利益(Adjusted EPS)は0.85ドル、前年同期は0.96ドルで前年同期比11.5%の減少
  • 2023年第1四半期のスタンドアロンベース調整後一株あたり利益(Standalone Adjusted EPS)は0.85ドル、前年同期は0.63ドルで前年同期比34.9%の増加

  • 2023年第1四半期のフリーキャッシュフロー(純現金収支・Free Cash Flow)は3億2500万ドル、前年同期は3億7100万ドルで前年同期比12%の減少

事業部別業績

【Imaging(イメージング)】

売上は24億9600万ドルで前年同期比12%増加(既存事業ベース)、EBIT(Earnings Before Interest and Taxes:利息及び税金引き前利益)は1億9100万ドルで前年同期比7%減少、EBITマージンは7.7%で前年同期は8.9%。

売上が増加しているのに対しEBITマージンが減少しているのは、インフレと事業成長のための投資などの影響とのこと。

【Ultrasound(超音波)】

売上は8億5900万ドルで前年同期比10%増加(既存事業ベース)、EBIT(Earnings Before Interest and Taxes:利息及び税金引き前利益)は2億700万ドルで前年同期比8%増加、EBITマージンは24.1%で前年同期は23.6%。

インフレや事業成長への投資がありながらも、生産性の改善や価格設定が奏功したとのこと。

【Patient Care Solutions(患者ケアソリューション)】

売上は7億8100万ドルで前年同期比11%増加(既存事業ベース)、EBIT(Earnings Before Interest and Taxes:利息及び税金引き前利益)は1億900万ドルで前年同期比68%増加、EBITマージンは14.0%で前年同期は9.1%。

インフレや事業成長への投資がありながらも、生産性の改善や価格設定が奏功したとのこと。

【Pharmaceutical Diagnostics(医薬品診断)】

売上は5億5800万ドルで前年同期比19%増加(既存事業ベース)、EBIT(Earnings Before Interest and Taxes:利息及び税金引き前利益)は1億5500万ドルで前年同期比12%増加、EBITマージンは23.0%で前年同期は27.8%。

売上が増加しているのに対しEBITマージンが減少しているのは、原材料のインフレと事業成長のための投資などの影響とのこと。

2023年通期見通し

2023年の通期見通しは以下の通り。

  • 既存事業成長率(Organic Growth):5~7%
  • Adjusted EBITマージン:15.0~15.5%
  • Adjusted EPS:3.60~3.75ドル
  • Free cash flowコンバージョン:85%+

いずれも前回決算時から変わらず。

その他

その他決算発表及びアナリストとのカンファレンスコールで気になった点は以下の通り。

  • 一株当たり@0.03ドルの配当を発表
  • 第2四半期と第4四半期のキャッシュフローは、長期債務に関連する支払利息の約75%がこれらの四半期に支払われるため支払利息の影響を受けるため、第1四半期に比べて第2四半期の現金生成は減少すると予想
  • 季節要因、サプライヤー及び報酬の支払いタイミングにより、キャッシュフローは上半期に比べて下半期に大幅に増加する想定
  • 病院が新しい機械の購入などの設備投資を控えている兆候を監視しており、慎重ではあるが楽観的(cautiously optimistic)

市場予測との比較

  • 2023年第1四半期の総売上高(Total Revenues)は47億700万ドル、市場予想の46億3000万ドルを上回っている
  • 2023年第1四半期の調整後一株あたり利益(Adjusted EPS)は0.85ドル、市場予想の0.79ドルを上回っている

まとめ

上記の様な決算を受けてGEヘルスケアの株価は

8.43%の大幅下落。同日の米国市場が

いずれも1%を超える下落だったものの、それと比べてもかなり大きい下げ幅となっている。

GEヘルスケアが売上、EPSとも市場予想を上回っているにもかかわらず、何故決算後にこれ程大きく下落したのかだが、調べてみても今一つ理由ははっきりしなかった。

考えられるマイナス要因としては

  • フリーキャッシュフローが前年同期比で減少
  • カンファレンスコール中で病院が設備投資を控える可能性が示唆された
  • 第1四半期決算は総じて堅調だったものの、通期見通しが上方修正されなかった

といった点だろうか。ただしいずれも8%を超える下落を引き起こすものとは思えない。調べた限りではアナリストのアップデートも無かった。

年初来のGEヘルスケア株を見てみると

決算後の下落を含めても年初来では約40%の上昇で市場(S&P 500)を大幅に上回るパフォーマンスとなっている。もしかすると決算自体は堅調だったものの格別の好材料は無かったことから、これまでの上昇を考慮して利益確定売りが進んだことが下落の原因かもしれない。

いずれにせよ理由は不明だが決算後に大きく下落しているだけに、今後のGEヘルスケアには注意をしておいた方が良さそうだ。

最後に前回の決算まとめ

「願わくばフリーキャッシュフローを今回の決算発表/アナリストとのカンファレンスコールでは言及が無かった配当という形で還元してくれるといいのだが。」

と書いていた配当が発表された訳だが一株あたり@0.03ドル、配当率にすると0.35%程度と米国株にしては低い配当率であり、自分の所有株数も160株しかないので配当金生活にほぼ影響が無いのが残念だった。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

コメントの入力は終了しました。