コカ・コーラ(KO)2023年第2四半期決算(2023/7)

はじめに

2023年7月26日(水)には自分が所有しているコカ・コーラ(KO)の2023年第2四半期決算発表があった。

前回4月の決算発表後には

「3月後半からはやや持ち直してきた感はある。今回の決算を受けてこの良い流れが続くのか、それとも再び低調となってしまうのかが気になるが、決算内容からは明確な方向性を判断するのは難しい。利益率は低下しているものの、価格上昇しているにもかかわらず出荷量が増えていることから、それ程悪くはならないと思うのだが」

と書いていたのだが実際はどうだったのだろうか。以下決算の内容を整理し、株価推移も確認しておく。


コカ・コーラ(KO)2023年第2四半期決算概要

以下の内容はコカ・コーラの企業サイトより引用・抜粋。

  • 2023年第2四半期の純売上高(Net Operating Revenues)は119億7200万ドルで前年同期比6%増加

  • 2023年第2四半期のNon-GAAPベースの比較可能な一時項目を除く1株当たり利益(Comparable Diluted Net Income Per Share)は0.78ドルで前年同期比11%増加

  • Operating Margin(営業利益率)はGAAPベースでは20.1%(前年同期は20.7%)、Non-GAAPベースでは31.6%(前年同期は30.7%)

2023年見通し

2023年通期の主な見通しは以下の通り。

【Non-GAAPベース】

  • Organic Revenue(既存事業売上高)成長率:8~9%(前回の7~8%から上方修正)
  • Comparable currency neutral EPS(為替を含まない調整後EPS)成長率:9~11%(前回の7~9%から上方修正)
  • Comparable EPS(為替を含む調整後EPS)成長率:5~6%(前回の4~5%から上方修正)
  • Free Cash Flow:95億ドル(114億ドルの営業キャッシュフローから設備投資19億ドルを差し引いたもの)(前回から変更なし)

ただしこれらには

This does not include the impact of ongoing tax litigation with the IRS, if the company were not to prevail.

とIRSとの税務訴訟に勝てなかった場合の影響は含まれていない。

2023年第3四半期見通しの考慮要因は以下の通り。

【Non-GAAPベース】

  • Comparable net revenues(比較可能な総売上):約2%の為替の悪影響及び1%の買収・売却・組織再編の悪影響
  • Comparable EPS(為替を含む調整後EPS):約3%の為替の悪影響

その他

その他決算発表及びアナリストとのカンファレンスコールで気になった点は以下の通り。

  • 第2四半期に商品全体の平均価格は10%上昇
  • 第2四半期の出荷量はほぼ横ばいで、出足が鈍かった後徐々に改善し、6月は当四半期で最も好調な月となった
  • 下半期に向けて、世界的なインフレ環境は地域ごとに消費者と当社のビジネスに異なる影響を与えている
    • 北米や西ヨーロッパなどの先進国市場では、インフレは緩やかになり始めており、労働市場は引き続き好調
    • 多くの発展途上市場や新興市場では、消費者は持続的なインフレに慣れているが、インフレが激しい市場の数は拡大している

市場予測との比較

今回の主な決算内容と市場予想とを比べてみると、

  • 2023年第2四半期の純売上高(Net Operating Revenues)は119億7200万ドルで、市場予想の117億4000万ドルを上回っている
  • 2023年第2四半期のNon-GAAPベースの比較可能な一時項目を除く1株当たり利益(Comparable Diluted Net Income Per Share)は0.78ドルで、市場予想の0.72ドルを上回っている

となっている。


まとめ

上記の様な決算内容を受けてコカ・コーラの株価は

前日比1.29%の上昇。同日の米国市場が

FOMC会合結果を受けたパウエル議長の会見で一時大きく変動したものの結局は前日比ほぼ横ばいとなったのとそれ程変わらない結果で終えているのと比べるとまずまずの結果。

売上やEPSが市場予想を上回り通年見通しも上方修正したことを考えると株価上昇幅は物足りない気もするが、上述した様に価格上昇が功を奏している一方で販売量は横ばいである事を考えると、コカ・コーラの価格/販売戦略がこのまま堅調に続くかは見通しが難しいとも思われるので割と妥当な結果であるかもしれない。

決算発表後数日を含めたコカ・コーラの年初来株価は

年初来ややマイナスとなっており、市場(S&P 500)の17.6%上昇と比べるとかなり見劣りがする。特に6月から市場が大きく伸びている一方で、コカ・コーラ株は低空飛行とその差が目立っている。

今後のコカ・コーラ株だが、決算発表の内容からすると上昇傾向となっても良さそうな気がしたのだが、決算後数日の株価がそれ程パッとしないことを考えるとあまり期待は出来なさそうだ。何とか現状の水準を維持して大きな下落にはならないで欲しい。

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