ボーイング(BA)2021年第4四半期決算発表(2022/1)

はじめに

2022年1月26日には自分が所有しているボーイング(BA)の2021年第4四半期決算発表があった。

同日に自分の所有主力銘柄であるAT&T(T)の決算発表があったのでそちらのまとめを優先させてしまい少し遅れたが、ボーイングの最新の四半期決算について確認し整理しておく。


ボーイング2021年第4四半期決算発表

以下の内容はボーイングの企業サイトより引用・抜粋。

  • 2021年第4四半期の売上高(Revenues)は147億9300万ドルで、前年同期比3%減少
  • 2021年第4四半期の純損失(Net Loss)は41億6400万ドルの損失、前年同期は84億3900万ドルの損失
  • 2021年第4四半期の一株当たり損失(Loss Per Share)は7.02ドルの損失、前年同期は14.65ドルの損失
  • 2021年第4四半期の調整後中核事業一株当たり損失(Core Loss Per Share)は7.69ドルの損失、前年同期は15.25ドルの損失

  • 2021年第4四半期のフリーキャッシュフローは4億9400万ドル、前年同期はマイナス42億7400万ドル

  • 2021年第4四半期の財務状況は総債務(Total Consolidated Debt)が581億ドル、前四半期から43億ドル減少

事業部ごとの業績は以下の通り。

【Commercial Airplanes(商用機部門)】

  • 2021年第4四半期の商用機の引き渡しは99件、前年同期は59件で68%の増加
  • 売上は47億5000万ドルで前年同期とほぼ変わらず
  • 損失は44億5400万ドル、前年同期は76億4800万ドルの損失。787の検査や修理のために第4四半期2億8500万ドルの費用が発生、合計では約20億ドル発生する見込み(前四半期は合計約10億ドルと見込んでいた)。また787の納入遅延に伴い35億ドルの税引前費用を計上している(前年同期は65億ドルを計上している)
  • 受注残は4200機以上で2970億ドル

【Defense, Space & Security(防衛・宇宙・セキュリティ部門)】

  • 売上は58億6200万ドルで前年同期比14%減
  • 利益は2億5500万ドルの損失で前年同期は5億200万ドルの利益
  • 受注残は660億ドル。うち33%は海外からの注文

【Global Services(グローバル・サービス部門)】

  • 売上は42億9100万ドルで前年同期比15%増
  • 利益は4億100万ドルで前年同期比180%増

2022年の見通しについては提示されず。


市場予測との比較

今回の主な決算内容と市場予想とを比べてみると、

  • 2021年第4四半期の売上高(Revenues)は147億9300万ドル、市場予想の169億6000万ドルを下回っている
  • 2021年第4四半期の調整後中核事業一株当たり損失(Core Loss Per Share)は7.69ドルの損失、市場予想の0.09ドルの損失よりも悪い
  • 2021年第4四半期のフリーキャッシュフローは4億9400万ドル、市場予想のマイナス10億ドルよりは良い

となっている。


まとめ

上記の様な決算結果を受けてボーイング株は

5%近い大幅下落。同日の米国主要市場は

午後に大きく値を下げたが前日とあまり変わらない結果であったのと比べてもボーイング株の下落は目に付く。

四半期のフリーキャッシュフローがプラスになったのはポジティブなサプライズではあったが、決算結果が売上、調整後中核事業一株当たり損失の双方で市場予想を大幅に下回ったのが原因だろう。その理由は先にも述べた787関連での費用が10億ドル増加して20億ドルに、更に税引き前費用を45億ドル計上しているのが大きい。そして787運航再開時期についてもはっきりしていない。

年初来のボーイング株と市場(S&P 500)を見てみると

1月半ばまでは市場よりも良いパフォーマンスだったものの、半ば以降は市場の下落と同様にボーイング株も下落傾向となり決算発表を受けて下落傾向が加速。結局のところ787の問題が解決しない限りはボーイングの株価・業績改善は限りがあるということなのだろう。

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