ケラノバ(K)2024年第四半期決算発表(2024/5)

はじめに

2024年5月2日(木)には自分の所有しているケラノバ(K)の2024年第1四半期決算発表があった。

前四半期決算時はまずまずの結果だったが

「今後のケラノバ株だが今回の決算自体は無難に乗り切ったが、まだ2023年のコスト高やサプライチェーンの混乱からの回復途上であり、大きな株価上昇は見込めないだろう。」

「あまり期待はせずに、下半期の本格回復を期待することにしよう。」

と書いていたのだが今回の決算はどうなったのか。以下ケラノバの決算内容及び株価について確認・整理しておく。


ケラノバ2024年第1四半期決算概要

以下の情報はケラノバの企業サイトより引用・抜粋。

  • 2024年第1四半期の総売上高(Reported Net Sales)は32ドル、前年同期は33億4200万ドルで前年同期比4.3%減少
  • 2024年第1四半期の一時項目を除く調整後1株あたり利益(Adjusted Diluted EPS)は1.01ドル(恒常為替ベースでは1.04ドル)、前年同期は0.78ドルで前年同期比29.5%増加(恒常為替ベースでは0.78ドルで33.3%増加)

2024年通期見通し

2024年通期見通しは以下の通り。

  • Net Sales(売上):既存事業ベースで2023年比+3%超(前回と変わらず)
  • Operating Profit(営業利益、調整後ベース):18億5000万~19億ドル(前回と変わらず)
  • Earnings Per Share(EPS、調整後ベース):3.55~3.65ドル(前回と変わらず)
  • Free Cash Flow:~10億ドル(前回と変わらず)

ただし上記には以下の事業/ポートフォリオ再編、ネットワーク最適化、所得税の影響は含まれていない。

その他

その他決算発表及びアナリストとのカンファレンスコールで気になった点は以下の通り。

  • 2024年第1四半期中に製品価格は8.5%上昇、出荷量は3.1%減少
  • 米国を含め、市場が前進の初期の兆候を示していることに勇気づけられており、自信をもって通期の見通しを再確認している
  • 年間を通して総利益と営業利益の両方で好業績が見込まれると予想しているが、おそらく第1四半期のようなペースではないだろう
  • (第1四半期が予想より良い結果だったとしているにもかかわらず通期見通しを引き上げなかった理由について)まだ第1四半期だけという単純な事実に尽きる。残り3四半期には常に不確実性があるが、(第1四半期の結果は)非常に良い年を提供するという強い自信を与えてくれ、それによって最適なレベルの再投資やバランスシートの強化について真剣に考えることができる
  • (価格設定について)個別の地域やボリューム価格/構成について深く立ち入りたくはないが、状況はかなり改善されつつある
  • (問題のあったサプライチェーンについて)我々のサプライチェーンが過去に不利な立場にあったとは言えない。我々は供給充填率を非常に高いレベルに維持したいという点でおそらく他の企業よりも保守的だったためである。現在、当社のサプライチェーンは非常に高いレベルで機能している
  • 消費者は依然としてかなりのプレッシャーにさらされているが、明るい兆しが見えてきていると我々は考えている
  • (粗利益率について)サプライチェーンのパフォーマンス向上や価格戦略によって出荷の傾向が改善するにつれて、前年同期比第1四半期のようなペースではないものの引き続き粗利益率が改善すると予想しており、年間では35%以上になるだろう

市場予測との比較

今回の主な決算内容と市場予想とを比べてみると、

  • 2024年第1四半期の総売上高(Reported Net Sales)は32ドル、市場予想の31億6000万ドルをやや上回っている
  • 2024年第1四半期の一時項目を除く1株あたり利益(Adjusted Diluted EPS)は1.01ドル、市場予想の0.85ドルを上回っている

となっている。


まとめ

上記の様な決算内容を受けてのケラノバの株価は

前日比7.55%上昇。同日の米国市場も

いずれも上昇しているがケラノバの上昇幅はそれらを大きく上回っている。

市場予想を上回る決算内容に加え、カンファレンスコールで冒頭に挙げたサプライチェーンの問題は表現を変えたものの現在は満足のいくレベルで機能していることや、市場が回復の兆しを見せているとの発言があったことなどが好感されたのだろう。

決算後数日を含めた年初来のケラノバ株の推移を見てみると

前回決算でやや上昇したもののその後は結構上下動があって方向感に乏しい動きで、冒頭に書いていた通り市場(S&P 500)の上昇に比べてパッとしない株価推移が続いていたのだが、4月半ばからはやや上昇傾向で市場に近くまで持ち直して今回決算で市場を上回るまでになった。その後数日もまずまずの動きとなっている。

今後のケラノバ株だが、前回決算で本格的な回復が下半期と目されていたのが今回決算でその時期が早まりそうなこともあり、しばらくは安定した株価推移が続きそうな気がする。第2四半期決算は第1四半期ほどではないとしているので、何とか次回第2四半期決算で市場の想定通りの結果を残して下半期につなげて欲しいものだ。

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