FAA監査でボーイング737MAX製造に問題発見(2024/3)

はじめに

自分の所有銘柄であるボーイング(BA)は2024年初めに737MAX型機の事故が発生して大きく下落。その後の2024年1月31日の2023年第4四半期決算発表以降は急激な下げは止まっていたのだが、昨日3月12日は市場が

前日比でそこそこの上昇を見せた中で

4.29%の大幅下落。ダウ工業平均がS&P 500、NASDAQ総合に比べて上昇幅が少ないのはボーイングがダウの構成銘柄である事も理由だろう。

昨日のボーイング株下落の原因は掲題の通り米連邦航空局(FAA)の監査でボーイング737MAXの製造に数十件の問題が見つかったと報道されたことらしい。以下その内容について確認/整理しておく。


2024年3月11日(月)取引時間外後のニューヨーク・タイムズ報道

以下はニューヨーク・タイムズの報道より引用・抜粋。

  • アラスカ航空の737MAX機でパネルが吹き飛んだ後、ボーイングの737MAXの製造工程に対する連邦航空局の監査(FAA)が実施した89のテストの内33で不合格だった
  • 737MAXの機体を製造しているサプライヤーのスピリット・エアロシステムズ(SPR)は、13の監査のうち6つに合格し残りは不合格だった
  • ドアプラグの部品に焦点を当てたSPRの監査では5つの問題が見つかり、部品の取り付けを扱った監査は不合格だった
  • FAAの報告書によると、このSPRの監査では作業を実施した技術者に懸念が生じ、SPRがそのプロセスの運用に必要な知識を決定できなかったことが判明した
  • SPRが不合格となった他の監査には、貨物ドアに関するものとコックピットの窓の取り付けに関するものが含まれる

そのニューヨーク・タイムズ報道を引用したロイターの報道。

  • ロイターのコメント要求に対して
    • ボーイングは早急な変更を実施し、安全性と品質を強化するための計画を策定中であると電子メールで返答
    • FAAとSPRはすぐには返答がなかった

その他直近のボーイングに関する報道

  • 3月12日、FAAの監査不合格後のボーイング社内メール(ロイター報道より)
    • 従業員は安全上の危険に注意し、製造プロセスに正確に従うことに集中しなければならない
    • 私たちは、製造ラインを止めることも飛行機を地上に留めておくこともためらわない
    • ウィチタの施設で検査ポイントを追加した
  • 3月12日、米国運輸安全委員会(NTSB)が8月6日と7日、ボーイング737MAX機の飛行中にドアプラグが外れた原因究明に関する公聴会を開催すると発表
  • 3月9日、ウォール・ストリート・ジャーナル誌がアラスカ航空の737MAX機でパネルが吹き飛んだ事故に関して米司法省が刑事捜査を開始と報道
    • ロイター通信の質問に対してアラスカ航空は以下の様に返答
      •  このような事故では司法省の捜査が通常行われる
      • 全面的に協力しており、当社が捜査対象になっているとは考えていない
  • 3月4日~8日週にはユナイテッド航空(UAL)が運航するボーイング機で3件の事故発生
    • 4日、ヒューストン発フロリダ行きのボーイング737型機が、出発前に飛行場にあったプラスチック緩衝材をエンジンに吸い込み、離陸直後に空港に戻る。ソーシャルメディアへの投稿ではエンジンから炎が出ていた
    • 7日、サンフランシスコ発大阪行きのボーイング777-200型機が離陸後に機体からタイヤが外れ、ロサンゼルスに緊急着陸
    • 8日、ヒューストンでボーイング737MAX型機が着陸後に滑走路から誘導路へ進入しようとした際に草地に入ってしまい停止

まとめ

2024年の年初来ボーイング株は

冒頭に触れた様に2024年1月31日の2023年第4四半期決算発表以降は市場が上昇しているのに対して緩やかに下落はしているものの大きな下落は無かったのだが、3月8日(金)から昨日3月12日(火)までの3営業日で顕著に下落している。上に挙げた直近のボーイングの事故関連の報道が影響したのだろう。

それにしてもボーイングとスピリットどちらにあるいは両社に原因があるのかは不明だが、これ程不合格項目が出るとは思いもよらなかった。FAAの監査に合格するのはいつになるのだろう。ちなみにスピリット・エアロシステムズ(SPR)株は

7.78%の下落となっている。

最後に監査に通るまではボーイング株の上昇は期待できないだろうが、自分が所有しボーイングにエンジンを供給しているゼネラル・エレクトリック(GE)の業績/株価に影響が出ないことを祈りたい。

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