AT&TのCFOによる最新情報アップデート(2023/9)

はじめに

自分の主力銘柄であるAT&Tは2023年第2四半期決算は想定よりは無難に乗り切ったもののその後の市場の低迷もあって株価は伸び悩んでおり、その後アナリストの投資格付けアップデートで上昇はしたが先行きに自信が持てるほどではなく

「正直このアナリストの投資格付けアップデートだけではAT&T株が上昇に転じるのは期待薄だろう。恐らく2023年第3四半期決算前に講演などで開示されるであろうAT&T経営陣の最新情報アップデートで、このアナリストの見解を補完するような良い内容を提供してくれると良いのだが。」

と考えていた。

そんな中昨日2023年9月14日(木)には2023 Bank of America Media, Communications & Entertainment ConferenceでAT&T(T)の最高財務責任者(CFO)Pascal Desroches氏の 講演があり最新情報のアップデートが行われた。

今回の発表内容は自分の期待に沿うものだったのか、そしてこのアップデートを受けてAT&Tの株価はどうなったのか。以下に確認して整理しておく。


2023 Bank of America Media, Communications & Entertainment ConferenceにおけるAT&T最高財務責任者Pascal Desroches氏のアップデート

以下はAT&Tの企業ページより主な点を引用・抜粋。

【企業戦略】

  • 過去3年間にわたり、AT&Tは自社の強みを5G とファイバー中心に再配置してきた
  • AT&Tはこの戦略を継続的かつ一貫して実行することで恩恵を受けている
  • ユーザーあたりの後払い平均収益(ARPU)の継続的な増加とワイヤレスサービス収益の健全な成長は、同社のワイヤレス事業の健全性を反映している
  • 過去3年間で約1000億ドルを設備と周波数帯に投資しながら、純負債を約200億ドル削減している

【財務関連】

  • AT&Tは持続可能な長期成長戦略を引き続き順調に実行しており、年間160億ドルを超えるフリーキャッシュフローを生み出す軌道に乗っている
  • 2023年第3四半期のフリーキャッシュフローは45億~50億ドルの範囲になると予想

【5G及びファイバー】

  • ワイヤレス分野では第2四半期に浮き彫りになった影響は予想通り解消され、需要傾向の正常化が続く市場にもかかわらず規律ある持続可能な市場投入戦略のおかげで第3四半期には後払い電話の顧客が増加すると予想している
  • ファイバーでは、業界の傾向が過去よりも低い世帯移動(lower household move activity)の影響を受け続けているにもかかわらず、AT&Tは季節的な上昇(seasonal uptick)を示している

実際には上記以外にもいろいろ言及しているのだが、多くは上記内容の補完説明や9月6日に最高経営責任者(CEO)のJohn Stankey氏が2023 Goldman Sachs Communacopia + Technology Conferenceで話した内容と重複しているためここでは割愛。

ちなみに鉛被覆ケーブル問題に関しては掲載資料にはないが、講演では

「鉛被覆ケーブルを調査するためにEPAと協力していると述べ、ウォール・ストリート・ジャーナルが調査した現場には公衆衛生上の危機は存在しなかった」

としている。これも9月6日のJohn Stankey氏の発言と同じ。


まとめ

上記の様な内容を受けてAT&T株は

前日比約3%の上昇。同日の米国市場も

いずれの市場も1%近い伸びだったが、AT&T株はそれを上回る上昇となっている。

今回のPascal Desroches氏のアップデートには前週のJohn Stankey氏のアップデート時にはなかった2023年第3四半期のフリーキャッシュフロー見通しが明らかにされたことが特に好感されたようだ(John Stankey氏のアップデート時は前日比0.90%の上昇)。

年初来のAT&T株の推移をみると

やはり2023年第1四半期決算でフリーキャッシュフローが市場予想に達しなかったことからの急落/下落傾向、そして7月半ばの鉛被覆ケーブル問題での下落から回復しているとは言い難い。

それでも直近1ヶ月を見てみると

昨日の上昇分を除いても市場(S&P 500)とほぼ遜色ない動きとなっており、やや改善の兆しが見られる気はする。何とかこのまま回復傾向に向かってくれるといいのだが。

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