配当金生活キャッシュフローのベース(2021/6/1、更新有)

補足

ベースは2021年6月に作成したがその時点では想定に基づくものもあったので、時間経過とともに確定した点などは赤字・太字で追記している。あくまで追記でありベース部分はあえて変更していない

はじめに

先日引退から半年後のキャッシュフローをまとめたが、その際自分で書いていて

  • メンテナンス性に欠ける
  • 手計算が煩雑で間違いの可能性が高くなる

と思い、いずれ表計算ソフトで引退後のキャッシュフローをまとめるつもりとしていた。

それに加え、2021年5月17日の発表でAT&T傘下のワーナーメディアがスピンオフを完了する2022年半ば以降、今まで想定していた配当金が減るであろうことが判明した。

そこでAT&Tの配当減を加味して表計算ソフトで引退後のキャッシュフローを再整理してみる。


表計算ソフトを使ったキャッシュフロー枠組

基本的にはこれまでキャッシュフローを計算する際に使ってきた項目に想定される金額を当てはめていく。前回までは月割にしていたが無理に月割にせず想定される発生タイミングで金額が減るようにする。

イメージとしてはこんな感じで、年ごとに繰り返す。

Jan-21Feb-21Mar-21Apr-21
 月初預貯金
 配当金充当
 その他入金(還付金等)
 出費 住居費
 生命保険
 国民年金
 健康保険
 通信費
 医療費
 住民税
 生活費
 月末預貯金

以下各項目について、簡単に前回と違う点を含めてもう一度定義しておく。詳しい内容は以前のキャッシュフローを参照

想定金額は支出は少し多め、収入は少し少な目に見積もっている

項目定義

月初預貯金

引き落し口座にある預貯金の額をそのまま転記。前月の月末預貯金と同額

配当金充当

配当金を証券口座から引き落し口座に入金した額。3~4ヶ月に1度程度100万入金。2021年は以前のものから年間350万円、そして2022年からはAT&Tの配当金が半減すると想定し、年間285万円、1回95万円の入金とする

 その他入金(還付金等)

確定申告時の還付金など配当金以外の入金額。前回は計算に入れたり入れなかったりだった確定申告時の還付金(米国株で二重課税されている分の還付金。受取配当の約10%)を一律毎年3月に30万円入って来る想定とする

住居費

家賃、水道光熱費(電気、ガス、水道代)の合計。月10万円を想定

生命保険

終身保険1つ、個人年金2つの支払額。2021年6月(25万円)、9月(26万円)から年払い。年払いに出来ない個人年金毎月8000円。払込終了は年払いが2028年、月払いが2029年

国民年金

月2万円の2年払い(48万円)が各年4月に発生

健康保険

2022年10月までは任意継続保険(月63000円)。4月に年払い。2021年は1年分756000円。2022年は7ヶ月分441,000円。

それ以降は国民健康保険。上場株式等の配当所得等の申告不要制度を利用することで2022年11月からの健康保険料は月々8,000円になるはずだが、1万円と想定

通信費

電話代、携帯代、ケーブルTV/ネットワーク代。月額1.5万円想定

医療費

医療費及び薬局での費用。月額1万円を想定

住民税

2021年は前年の実績をベースに年72万円を年4回に分けて支払(6、8、10、2022年1月)。2022年以降は収入に応じた住民税は無くなるはず(配当金は源泉徴収)だが、間違いのあった時の為月1万円程度を想定

⇒2022年6月に配当の源泉徴収以外の住民税は不要であることが確定(詳細はこちら

生活費

その他生活費。主に食費、趣味、衣料品、旅行、その他を想定

 月末預貯金

引き落し口座にある預貯金の額をそのまま転記。翌月の月初預貯金と同額


ベースキャッシュフローの作成

上記を基に値を入力していく。2021年5月まではこんな感じ。生活費は月15万円としているが、表計算ソフトなので簡単に変更できる。

開始時期を完全リタイアが始まった2020年11月からではなく2021年1月からにしているのは退職一時金の入金が2021年1月だったため。

Jan-21Feb-21Mar-21Apr-21May-21
 月初預貯金  2,091,441 11,236,441 10,511,441 10,750,441 10,445,441
 配当金充当  1,000,000
 その他入金(還付金等)  9,450,000     300,000
 出費 住居費     100,000     100,000     100,000     100,000     100,000
 生命保険       30,000       30,000       30,000       30,000       30,000
 年金     480,000
 健康保険     756,000
 通信費       15,000       15,000       15,000       15,000       15,000
 医療費       10,000       10,000       10,000       10,000       10,000
 住民税     420,000
 生活費     150,000     150,000     150,000     150,000     150,000
 月末預貯金 11,236,441 10,511,441 10,750,441 10,445,441  9,660,441

これを60才になるまで(60才になると生命保険の払込が終了し、個人年金が入って来るので基本的に増えていくはず)入力する。

60才までのシミュレーション

年末でのキャッシュを抜粋してみると以下の様になった。

【生活費月10万円】

年齢西暦年末預貯金
522021末    9,639,441
532022末    8,752,441
542023末    7,846,441
552024末    7,683,441
562025末    6,807,441
572026末    6,411,441
582027末    5,535,441
592028末    5,139,441
602029末    4,829,441

【生活費月15万円】

年齢西暦預貯金
522021末    9,039,441
532022末    7,552,441
542023末    6,046,441
552024末    5,333,441
562025末    3,857,441
572026末    2,861,441
582027末    1,385,441
592028末       389,441
602029末     -520,559

これはAT&Tの配当減を加味して前回の配当金想定年間350万円を今回から2022年以降285万円とアップデートした結果生活費が月15万円だった場合計算上は2029年末にはキャッシュがショートするが、上に書いた様に2029年(60才)からは個人年金を受け取ることが出来るので恐らくカバーできるはず。

配当金想定を年65万円減らしたにもかかわらず前回のキャッシュフロー計算とそれ程変わらないのは、前回は単純に10年分で計算していたのを、今回は60才までとしてみたところ実際には10年ではなく9年と1年少ないことが判明したため

言い訳になるが、元々の引退後のキャッシュフロー見込を作成したのは半年以上前なので1年ズレていたのは当たり前ではある。それにしても60才までという点に気が付いて良かった。もし気が付いていなければ今回のAT&Tの将来的な配当減の影響で生活費月15万円の場合は、預貯金が更に不足している想定となり、精神的落ち込みがかなり激しかっただろう。

もっとも投資を始める前に、預貯金とは別に生活防衛資金として2年分の生活費は確保しており未だ手付かずであるので多少の預貯金の不足はカバーできるのだが、このお金は自分の性格的に一生使わないのがベストな気がする。


まとめ

前回までのキャッシュフローの見難さ・管理し難さの改善、そして今回のAT&Tの想定される配当減に対応できるかを確認するという目的で表計算ソフトを使って60才までのキャッシュフローのベースを作成してみた。

ここでは説明もあり文字が多いが、表計算ソフトでは数値を入れ替えるだけで簡単に結果が出てくるのでかなり便利に想定キャッシュフローの管理が出来るようになった。

そしてAT&Tの配当減を加味しても、月15万円の生活費までは何とか配当金生活が維持できそうなことも確認できた。

後は適宜太字で書いた未だはっきりしない要素が確定した時点や、今回の様に大きな配当減があった場合にアップデートしていく事でそれなりの確度で配当金生活のキャッシュフローが管理できるだろう。それなりに時間はかかったが今後の管理しやすさを思うと、表計算ソフトを使ったキャッシュフロー管理に変更して正解だった。

それにしても1年余計に計算していたという想定外のミス(結果的にいい方に働いたが)があったとはいえ、予想されるAT&Tの配当減にも何とか対応できそうなことが判明したので本当に良かった。

今後は実績とこのキャッシュフローのベースを比較した予実管理を行い、配当金生活が維持できるかを確認しつつ、その際にこの表計算のキャッシュフローのベース自体が間違っていないか・抜け漏れがないかもチェックしていこう(手計算よりは間違いが少ないはずだが、それでも不安は残るので)。

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