はじめに
完全リタイア、配当金生活については、米国株投資を始めた2001年(正確に言えば、生活防衛資金を貯めた2000年)から考えてはおり、適宜行ってきた資産や配当金のチェックから恐らく大丈夫だろうとは思っている。
ただ、実際に退職することになった今、今後のキャッシュフローをもう一度確認してみることにする。退職する前にやっておけと今は思うが、退職の意思を伝えた際はそんな心理的余裕は無かったです。
引退後の想定キャッシュフロー
前提
以下に書いている金額は、収入は少な目、支出は多めにあえてしている。例えば、以下の支出の固定費で国民年金の保険料を「月額2万円」としているが、実際の令和2年は「月額16,540円」。
理由としては、実際に配当金生活になった際に想定していた収入から下振れ、支出から上振れしても影響が出にくいようにするため。あまりきっちり計算してそれが外れた時のショックを前もって防ぐためでもある。
これは多分に自分の性格によるもの。個人的には目覚まし時計を5~10分進めているのと根っこは同じ気がする。これが良いか悪いかは別として、そう考えて計算していることを明記しておく。
収入
現時点(2020年9月)では、年間の税引後受取配当が約340万円程度。そして米国株なので確定申告をすることで戻ってくる二重課税の分がある。
過去2年の実績では、
2018年は「429,102円」(2018/平成30年米国株配当の確定申告における個人的ポイント)
2019年は「335,361円」(2019/令和1年米国株配当の確定申告完了(2020/2))
となっている(2019年の還付金が少ないのは、田舎の空き家を処分した相続分のため)。恐らく40万円ぐらいは二重課税で戻ってくるとみていいだろうが、ひとまずこれは当てにしないで考えてみる。
支出
最近自分で整理してみた完全リタイア後の支出は、
現時点でリストラになったら配当金生活できるのか(2020/5)
に詳しい。そこでは月々の固定費を以下の様に約25万円としているので、25×12=280万円がかかることになる。
- 住宅関連費用(水道光熱費含む):10万円
- 終身生命保険・個人年金保険料(60歳まで):6万円
- 通信費他:1.5万円
- 国民年金:2万円
- 健康保険:4万円
- 病院代:1万
固定費以外の食費などを含んだ変動費は分からないのだが、仮に月5万、10万、15万の変動費がかかるとしてみる。固定費以外月15万円というのは想像しにくいのだが、完全リタイアして暇になり車などを購入した場合には、その可能性も無くはないので一応。
パターン1(月5万):(25+5)×12=360万円
パターン2(月10万):(25+10)×12=420万円
パターン3(月15万):(25+15)×12=480万円
一時的に支払う金額
忘れていけない事として住民税は前年分を支払っているから、今年の所得に対する住民税は来年納めなければならないのだったか。
【配当金生活に向けて】リタイア/退職後の住民税はいくらかかるのか
2020年10月までの所得10ヶ月分の住民税を、2021年6月以降に自分で払う必要がある事を忘れてはいけない。この分は退職金から充当することにしよう。
60歳までのキャッシュフロー
とりあえず60歳までで保険料の支払いが終わり、61歳から個人年金が入って来るので60歳までキャッシュが足りれば何とかなるはず(国民年金は学生時代の未払い期間があるので61歳からも支出が発生する予定)。
配当金は追加投資が恐らく今後ないので、現状のまま変わらないものとする。ここで配当増を加味しないのも先に挙げた支出は少な目に見積もるという自分の考え方。実際配当減や配当停止が発生する可能性もあるわけだし。
パターン1:配当金340万円-支出360万円×10年=マイナス200万円
パターン2:配当金340万円-支出420万円×10年=マイナス800万円
パターン3:配当金340万円-支出480万円×10年=マイナス1,400万円
ということでいずれもマイナスになる。還付金を考慮すればパターン1のケースは黒字になるのだが、ここでは割愛。
したがって配当金で足りない部分は現預金から取り崩すことになる。
現在の現預金はこれまでの実績に基づいて2年間の生活費を生活防衛資金としている。これに加えて退職金が入って来るのだが、これを書いている現在では退職金額が確定していない。会社によってはWebで退職金額が参照できたりするのだが、自分の会社では残念ながらそれはない。
ああそうだ。退職金も今は確定拠出年金(DC:Defined Contribution Plan)が主流なのか。自分は確定拠出年金と確定給付年金(DB:Defined Benefit Plan)双方あり、自分の中では退職金=DBという前提で考えていたが、人によってはDCしかない、つまり60になるまで会社を辞めても受け取れないのだった。そのケースは厳しいなあ。
それはさておき自分の退職金を含めた預貯金は恐らくパターン3の場合でも賄えると想定している。ただし、その場合60の時点ではほぼ現預金が手元に無くなってしまう。これはいささか心もとないが、60になればDCの方は下せるのか。
まとめ
遅ればせながら完全リタイア後の60歳までのキャッシュフロー(とも言えないか)について再度最新の状況を加味して確認してみた。折に触れて何度もリタイア後のキャッシュフローは想定してきたが、計算上は米国株資産を取り崩すことなく完全リタイアしても大丈夫そうな事を再確認してひとまずはホッとした。
ただ、
- 退職金額が未確定
- 現預金を取り崩す生活へのストレス
- 退職後の時間的余裕から予想外の出費
- 追加投資が出来ないことから米国株資産額がこれまでより増えない
- 配当減、配当停止によるキャッシュフローの悪化
といった点が不安要素としてある。1点目の退職金額が未確定は別として、その他の項目は自分で何とか対処できる範囲だろうし、多分慣れていくことができるだろう。少なくとも最近の会社勤めで抱えていたストレスを思えば対処できる気がする。
後は自分の想定に重大な抜け漏れが無い事を祈りつつ、退職金額が確定されるのを待つことにしよう。