ブリストル(BMY)2020年第3四半期決算(2020/11)

はじめに

昨日2020年11月5日はブリストル・マイヤーズ スクイブ(BMY)の決算発表があった。前四半期の決算後に

ブリストル(BMY)がマイオカーディア買収発表(2020/10)

というニュースがあったがこれは10月の事なので、今回の四半期決算結果には含まれていないだろうが何らかのアップデートはあるかもしれない。その点にも注意しつつ決算内容を確認してみることにする。


2020年第3四半期決算概要

以下の情報はブリストル・マイヤーズ スクイブの企業サイトより引用・抜粋。

  • 2020年第3四半期の総売上高(Total Revenues)は105億4000万ドル、前年同期は60億700万ドルで前年同期比75%増加
  • 2020年第3四半期の調整後1株当たり利益(Non-GAAP Diluted EPS)は1.63ドル、前年同期は1.17ドルで前年同期比39%増加

この増加は前々四半期、前四半期と同様に主に2019年11月20日完了したセルジーンの買収によるもの。

2020年第3四半期の主力製品の収益は以下の通り。

今期もセルジーン買収前のブリストルの主力製品であったオプジーボの前年同期比での収益減少傾向は変わらず。前四半期が世界で9%減、米国で14%減だったのに比べると多少は減少が鈍化したのだろうか。プレゼンテーションスライドでは、

と米国では「Return to sequential demand growth(連続的な需要の成長に戻る)」、世界では「Q3 sales up 5% vs prior year(Q3の売上は前年比5%増)」と説明している(RevenueではなくSalesであるが)。額面通り受け止めていいのか難しい。

2020年通期の見通しについては、以下の様にアップデートされている。

やはり注目すべきはNet SalesとDiluted EPSが上方修正されている点だろうか。これは前回に続いての上方修正となる。整理してみると、

【Net Sales(Non-GAAP)】

Q1:$40.0B – $42.0B

Q2:$40.5B – $42.0B

Q3:$41.5B – $42.0B

【Diluted EPS(Non-GAAP)】

Q1:$6.00 – $6.20

Q2:$6.10 – $6.25

Q3:$6.25 – $6.35

となっている。

Myokadiaの買収に関してはやはり具体的な数値はなく、買収が順調に進んでいることと、買収による将来のシナジーが簡単に説明されていた。冒頭に上げた以前のまとめと大差ないのでここでは割愛。


市場予測との比較

今回の主な決算内容と市場予想とを比べてみると、

  • 2020年第3四半期の総売上高(Total Revenues)は105億4000万ドル、市場予想の103億6000万ドルを上回っている
  • 2020年第3四半期の調整後1株当たり利益(Non-GAAP Diluted EPS)は1.63ドル、市場予想の1.49ドルを上回っている
  • 2020年通期のNon-GAAPベース売上(Net Sales)見通しは400~420億ドル、市場予想は419億ドル
  • 2020年通期のNon-GAAPベース調整後1株当たり利益(Non-GAAP Diluted EPS)見通しは6.10~6.25ドル、市場予想は6.25ドル

となっている。


まとめ

上記の様な決算結果を受けてブリストル・マイヤーズの株価がどうなったかというと、

何故か2.57%の下落。同日のダウ工業平均は1.95%、S&P 500は1.97%、NASDAQが2.53%それぞれ上昇している事を考えると、今一つ納得がいかない結果。

ただ、過去5日間のブリストルとファイザー(PFE)、メルク(MRK)の株価推移を見てみると、

となっており、ブリストルの決算発表があった11月5日はいずれも下落しているので、業界全体が今一つだった点は考慮しても良いかもしれない。

ちなみにその前日、前々日にブリストルを含めていずれも上昇しているのは、その時点ではホワイトハウスと上下両院を民主党が支配する公算が低くなったため。民主党がいずれも勝利した場合は、税制や薬価改革など製薬会社へ打撃を与える施策が進む可能性があった。

また3日はブリストルが試験中の乾癬経口薬が、後期研究でプラセボやアムジェン社のオテズラよりも中等度から重度の皮膚状態の除去に効果的であることが証明されたと発表した事も株価上昇に寄与している。

個人的にはブリストルの決算発表前に株価が上昇し過ぎていた点も昨日の株価下落の要因の一つだろうと思う。

これを書いている11月6日米国市場開場前の時点では、まだ米国の選挙結果が確定していないので、しばらくはブリストルの株価も不安定な状況が続きそうだ。ただ、決算内容を見る限りは決算後に株価が下落したとはいえ、内容はまずまずだったと思うので取りあえずは一安心といったところ。

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