はじめに
昨日2020年10月5日(米現地時間)に自分の所有銘柄の一つであるブリストル・マイヤーズ スクイブ(BMY)の今後に影響を及ぼしそうな掲題のニュースが発表された。
以下にその内容について簡単に整理しておくことにする。
ブリストル・マイヤーズの発表内容
以下はブリストル・マイヤーズの企業サイトより引用・抜粋。
- Bristol Myers Squibb (NYSE: BMY) and MyoKardia, Inc. (Nasdaq: MYOK) today announced a definitive merger agreement under which Bristol Myers Squibb will acquire MyoKardia for $13.1 billion, or $225.00 per share in cash.
ブリストル・マイヤーズ スクイブとマイオカーディアは本日、ブリストルマイヤーズスクイブがマイオカーディアを131億ドル、1株あたり225.00ドルの現金で買収するという最終的な合併契約を発表しました - The transaction was unanimously approved by both the Bristol Myers Squibb and MyoKardia Boards of Directors and is anticipated to close during the fourth quarter of 2020.
この取引はブリストル・マイヤーズ スクイブとマイオカーディアの両取締役会によって満場一致で承認され、2020年の第4四半期中に完了する予定です - MyoKardia is a clinical-stage biopharmaceutical company discovering and developing targeted therapies for the treatment of serious cardiovascular diseases.
マイオカーディアは、重篤な心血管疾患の治療のための標的療法を発見・開発している臨床段階のバイオ医薬品企業です - Through the transaction, Bristol Myers Squibb gains mavacamten, a potential first-in-class cardiovascular medicine for the treatment of obstructive hypertrophic cardiomyopathy (“HCM”), a chronic heart disease with high morbidity and patient impact.
この取引を通じ、ブリストル・マイヤーズ スクイブは、高い罹患率と患者への影響を伴う慢性心臓病である閉塞性肥大型心筋症(「HCM」)の治療のための潜在的なファーストインクラスの心血管薬であるマバカムテン(mavacamten)を獲得します
買収に際してのメリット(Compelling Benefits)としては以下の3点を挙げている。
- Further strengthen the company’s outlook with the addition of mavacamten,
マバカムテンを追加することで、会社の見通しをさらに強化します
現在閉塞性HCMにおけるメディカルニーズが満たされていないため、マバカムテンは中長期的な成長の重要な推進力となる可能性があるとしている。
- Accelerate the expansion of Bristol Myers Squibb’s cardiovascular portfolio.
ブリストル・マイヤーズ スクイブの心臓血管ポートフォリオの拡大を加速します
心血管疾患に関する同社の幅広い専門知識を考えると、マバカムテンはブリストル・マイヤーズ スクイブの既存のポートフォリオに適合する資産になるとしている。
- Deliver significant financial benefits.
大きな経済的利益をもたらします
具体的には以下の様に説明している。
The transaction is expected to add a significant growth driver during the medium- to long-term. It is expected to be minimally dilutive to Bristol Myers Squibb’s non-GAAP earnings per share (EPS) in 2021 and 2022 and accretive beginning in 2023. Bristol Myers Squibb reaffirms its existing 2021 non-GAAP EPS guidance range.
この取引により、中長期的に大きな成長ドライバーが追加されると予想されます。ブリストル・マイヤーズ スクイブの2021年と2022年の非GAAP1株当たり利益(EPS)は最小限に抑えられ、2023年から増加すると予想されます。ブリストル・マイヤーズ スクイブは、既存の2021年の非GAAP EPSガイダンス範囲を再確認します
まとめ
この発表は米国市場開場前になされた様なのだが、ブリストル・マイヤーズの株価は、
と微妙な上昇具合。ダウ工業平均が1.68%、S&P 500が1.80%、NASDAQが2.32%それぞれ上昇した事を考慮すると、実際には下落に近いのではないだろうか。
上の発表にある様にマイオカーディアのマバカムテンは中長期的にはブリストル・マイヤーズにメリットをもたらすかもしれないが、短期的には「2021年と2022年の非GAAP1株当たり利益(EPS)は最小限に抑えられ、2023年から増加すると予想されます」としているのが影響しているのかもしれない。
ブリストルは2019年1月にセルジーンの買収発表(約740億ドル。債務を含めた買収額は950億ドル)をしており、その際は1日で約14%下がっていたことに比べれば株価の観点では影響が軽微だったことを喜ぶべきだろうか。
セルジーンの買収は最近の決算内容を見る限り、結果的にブリストルにとって有効に働いた(元々ブリストルの主力であるオプジーボは減少傾向、セルジーンが持っていたレブラミドは好調)のだが、このマイオカーディアの買収がどうなるか。まずは11月5日に予定されている四半期決算で発表内容にある「既存の2021年の非GAAP EPSガイダンス範囲」がどうなるかに注目することにしよう。