シティグループ(C)2021年第3四半期決算(2021/10)

はじめに

昨日2021年10月14日(木)は一昨日にあった自分の所有銘柄であるJPモルガン・チェース(JPM)に続き、同じく所有銘柄であるシティグループ(C)の決算発表があった。

同じ米銀株だがJPモルガン・チェースの翌日にシティグループの決算発表というのがここ数年の流れであり、たいてい前日のJPモルガン・チェースの決算結果にシティグループの株価もつられるイメージがある(あくまでイメージで実際に調べてまではいない)。

JPモルガンの決算後の株価は個人的には決算内容からすると下がり過ぎだった気がするのだが、この流れを受けるとシティの決算及びその後の株価には期待が持てないだろうというのがシティ決算発表前の自分の考え。

シティの決算結果とそれを受けて実際の株価がどうなったかについて整理してみる。


シティグループ2021年第3四半期決算発表の概要

以下の内容はシティグループ企業サイトの発表資料より抜粋・引用。

  • 収入(Revenues)は171億5400万ドルで前四半期より2%減、前年同期比1%減
  • 純利益(Net Income)は46億4400万ドルで前四半期より25%減、前年同期比48%増
  • 1株あたり純利益(EPS)は2.15ドルで前四半期より25%減、前年同期比58%増
  • 純金利マージン(調達金利と貸付金利の差)は前四半期の1.92%から1.93%に増加

貸し倒れ引当準備金(Net ACL(Allowance for Credit Losses)Build)は前四半期の24億200万ドルに続き今四半期も11億6200万ドルを差し戻している。

JPモルガンは貸し倒れ引当金の差し戻しがEPSへ与える影響を明示しているのだが、シティはなし。


その他2021年見通しなど

2021年の通期見通しについては相変わらず発表無し。アナリストとのカンファレンスコール中では

  • On the top line for total Citigroup, we still expect revenues to be down in the mid-single-digit range on a reported basis, excluding any divestiture-related impacts.
    売却関連の影響を除きレポートベースで依然1桁台半ばの収入(revenues)減少を想定
  • On a year-to-date basis, net interest revenue declined by roughly $2.3 billion.
    年初来ベースで金利収入はおよそ23億ドル減少
  • On the expense side, we continue to expect full-year expenses to be up in the mid-single-digit range, excluding any divestiture-related impacts
    費用面では、売却関連の影響を除いて通年の費用は引き続き1桁台半ばの範囲で増加すると予想

としている。これは2021年第2四半期のカンファレンスコールで説明された内容から基本的に変わっていない(年初来の金利収入が前四半期は22億ドル減少が23億ドル減少に変化)。

また2021年第3四半期中にシティグループは400万ドル相当の普通株を買い戻している。


市場予測との比較

今回の主な決算内容と市場予想とを比べてみると、

  • 2021年第3四半期の収入(Revenues)は171億5400万ドル、市場予想の171億ドルを上回っている
  • 2021年第3四半期の1株あたり純利益(EPS)は2.15ドル、市場予想の1.65ドルを上回っている

となっている。


まとめ

上記の様な決算結果を受けて昨日のシティグループの株価は

0.77%の上昇。ただし同日のダウ工業平均が1.56%、S&P 500が1.71%、NASDAQが1.73%いずれも上昇していることを考えると見劣りがする株価。

それでもマイナスで終わらなかっただけ良かったと考えるべきだろう。というのも昨日のシティの株価の動きは

開場直後一瞬前日比で上昇したもののその後1時間と少しは前日をかなり下回る株価。自分が情報端末を落として寝る前は70ドルを割るぐらいだったのでこれはダメだったかと思っていたのだが、起床して終値を確認したところ上記の様にプラスで終わっていたのでホッとした。

昨日はバンク・オブ・アメリカ(BAC)とウェルズ・ファーゴ(WFC)の米銀決算発表もあったのだが、

バンク・オブ・アメリカほど上昇しなかったのは残念だが、ウェルズ・ファーゴの様にマイナスで終わらなかったので良しとしよう。ちなみにいずれも市場予想を上回る一株当たり利益だったようなので、各行の間でこれ程株価の上下動が発生した理由はよく分からない(所有銘柄以外は深堀しないので)。取り合えず昨日下落の理由が今一つ分からないとした自分が所有しているJPモルガンが上昇に転じたのは有難い。

シティの配当についてだがアナリストとのカンファレンスコールの中に何度か触れられたものの、残念ながら今後の配当増(他の主要米銀は6月の米銀ストレステスト後に配当増を発表しているがシティのみ据え置き)については明言されずあくまで配当と自社株買いのミックスで株主へ還元するという従来のスタンスを繰り返すに留まっている。

取り合えずシティグループは概ね無事に決算を乗り切った感じがするので一安心の決算発表だった。

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