JPモルガン(JPM)2021年第3四半期決算(2021/10)

(追記有)

はじめに

昨日2021年10月13日は本格化する米国企業四半期決算の中で、いつもの様にJPモルガン・チェース(JPM)が自分の所有銘柄のスタートを切って発表を行った。

銀行株は最近の米国債金利上昇もあってどんな結果になるのか想像が難しかったのだが、実際にどうなったのか。以下に決算内容を確認し整理しておく。


JPモルガン・チェース2021年第3四半期決算発表まとめ

以下の内容はJPモルガン・チェースの企業サイトから引用・抜粋。

  • 総収入(Managed Revenue)は304億4100万ドルで、前四半期比3%減、前年同期比2%増
  • 純利益(Net income)は116億8700万ドルで、前四半期比2%減、前年同期比24%増
  • 希薄化後1株あたり純利益(EPS – diluted)は3.74ドルで前四半期より1%減、前年同期比28%増
  • 純金利マージン(調達金利と貸付金利の差)は1.62%で前四半期の1.62%と変わらず

上記Financial Resultsは今四半期も貸し倒れ引当金繰入額(Reserve Build/(release))を21億ドル差し戻した結果が反映されている。これにより希薄化後1株あたり純利益(EPS)は0.52ドル増加したことになる。

また2020年米国連邦税申告書の確定に関連する所得税控除の恩恵が5億6600万ドルあり、これが0.19ドル希薄化後1株あたり純利益(EPS)を押し上げている。

この2点を除くと計算上希薄化後1株あたり純利益(EPS)は3.03ドルという事になる。


2021年通期見通し

2021年通期見通しについては以下の通り。

前四半期は

だったのでCard NCO rateが<2.5%から~2.0%にアップデートされている。NCOはここではNet Charge-Offの略だと思われカードの純貸倒償却の割合がやや下がっていることになる。


市場予測との比較

今回の主な決算内容と市場予想とを比べてみると、

  • 2021年第3四半期の総収入(Managed Revenue)は304億4100万ドル、市場予想の298億ドルを上回っている
  • 2021年第3四半期の希薄化後1株あたり純利益(EPS)は3.74ドル、リフィニティブの市場予想3.00ドルを上回っている

となっている。


まとめ

上記の決算内容を受けて昨日のJPモルガン・チェースの株価は

と2.64%の下落。同日の米国市場はダウ工業平均がほぼ変わらず、S&P 500が0.30%の上昇、NASDAQが0.73%の上昇だったのでそれらと比較するとかなり見劣りのする結果。

1日の株価の動きを見ると以下の様に開場直後に下落してその後はほぼ変わらず。

同じ米銀で自分の所有銘柄であるシティグループ(C)と比べてみると

と開場からしばらくは同じ様に下落していたが、1時間後ぐらいからシティはある程度持ち直している。

更に市場(S&P 500)と比べてみると

市場は開場直後に下落したものの米銀株程の下げではなくほとんどフラットな動き。シティも開場直後はJPモルガンと同じ様な動きだったが、その後は市場に沿った動きになっている様に見受けられる。

となると昨日のJPモルガンの下落はJPモルガン固有の要因である可能性が高いと推測されるのだが、上にまとめた主要な決算結果やアナリストとのカンファレンスコールを確認してみてもその理由が自分にはさっぱりわからない。

確かに昨日は米10年債の利率が下落し長短金利差も縮まったので米銀株が下がるのは理解できるのだが、決算結果も貸倒引当金の差戻しや税法上の優位点があるもののそれを差し引いても希薄化後1株あたり純利益(EPS)は市場予想をやや上回っているし、アナリストとのカンファレンスコールも特に新たな問題は無かったと思うので、2%を超える下落は大きすぎるように思われる。

考えられるのはJPモルガンの先週金曜日10月8日の株価が過去最高の170.22ドルだったので、貸倒引当金の差戻しと税法上の優位点を除いた希薄化後1株あたり純利益(EPS)が市場予想をやや上回る程度にとどまったことなどから利益確定の売却が多かった可能性はあるかもしれない。

取り合えず決算直後のJPモルガン株は自分が想像する以上に下がってしまったわけだが上述の通り特別の悪材料があったとは思えないので、今後は米国債の動きに連動する上下動は予想されるがそれ程酷い事にはならない気がしている。インフレの影響も懸念されるが、アナリストとのカンファレンスコールで最高経営責任者(CEO)Jamie Dimon氏は

  • If you have inflation of 4% or 5%, we’re still going to open deposit accounts and checking accounts and grow our business.
    インフレ率が4%あるいは5%の場合でも、我々は引き続き預金口座と当座預金口座を開設してビジネスを成長させます

と述べておりインフレがJPモルガンの業績への影響は他企業に比べては低くなりそうだ。


追記

JPモルガンの株価は決算発表当日は上記の様に大きく下落したのだが、その翌日の株価は

とそれなりに回復。ただし同日の市場がダウ工業平均が1.56%、S&P 500が1.71%、NASDAQが1.73%いずれも上昇しているのとほぼ同程度に留まっている。それでも市場なりのパフォーマンスだった事は、やはり決算内容に特に悪材料と捉えられることは無かったという証左になったのではないだろうか。

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