シスコ(CSCO)2022年第1四半期決算発表(2021/11)

はじめに

2021年11月17日の米国市場閉場後に自分の所有銘柄の一つであるシスコ・システムズ(CSCO)の決算発表があった。ひと月近く続いた自分の所有米国銘柄の決算発表もこれで一段落したことになる。ちなみにシスコは7~9月ではなく8~10月が今回の決算対象期間。

時間外取引では大幅に下落し、実際決算を受けての株価も

と大幅下落しており決算内容を確認するのは気が進まないのだが、以下決算内容を確認し整理しておく。


2022年第1四半期決算概要

以下はシスコ・システムズの企業サイトより引用・抜粋。

  • 2022年第1四半期の売上高(Revenues)は129億ドル、前年同期は119億2900万ドルで前年同期比8%の増加
  • 2022年第1四半期の純利益(Net Income)は29億8000万ドル、前年同期は21億7400万ドルで前年同期比37%の増加
  • 2022年第1四半期の一時項目を除く一株あたり利益(EPS diluted)は0.70ドル、前年同期は0.51ドルで前年同期比37%の増加

  • 2022年第1四半期のNon-GAAPベースの一時項目を除く一株あたり利益(EPS diluted)は0.82ドル、前年同期は0.76ドルで前年同期比8%の増加

製品カテゴリごとの売上は以下の通り。

2022年度第1四半期からシスコは製品を以下の新しいカテゴリで報告すると発表している。

  • Secure, Agile Netwroks
  • Hybrid Work
  • End-to-End Security
  • Internet for Future
  • Optimized Application Experiences

詳しくは以下の通り。

売上全体に占める割合は製品73.9%、サービス26.1%となっている。

2022年度第2四半期の見通しについては以下の通り。

2022年度通年の見通しについては以下の通り。

前四半期から変わらず。


市場予測との比較

今回の主な決算内容と市場予想とを比べてみると、

  • 2022年第1四半期の売上高(Revenues)は129億ドル、市場予想の129億8000万ドルを下回っている
  • 2022年第1四半期のNon-GAAPベースの一時項目を除く一株あたり利益(EPS diluted)は0.82ドル、市場予想の0.81ドルを上回っている
  • 2022年第2四半期の売上成長率は4.5~6.5%、市場予想は7.4%
  • 2022年第2四半期のNon-GAAPベースの一時項目を除く一株あたり利益(EPS diluted)見通しは0.80~0.82ドル。市場予想は0.82ドル
  • 2022年通年のNon-GAAPベースの一時項目を除く一株あたり利益(EPS diluted)見通しは3.38~3.45ドル。市場予想は3.39ドル

となっている。


まとめ

上記の様な決算内容を受けてシスコの株価は冒頭の通り5%を超えるマイナス。同日のダウ工業平均が0.17%のマイナス、S&P 500が0.34%、NASDAQが0.45%それぞれ上昇しているのと比べてもシスコの株価が大きく下落しているのがよく分かる。

ただ決算内容自体は売上が市場予想に届かなかったもののNon-GAAPベースのEPSは市場予想を上回っており、2022年第1四半期の結果自体はそれ程悪くなかった気がする。

ここまでシスコの株価が下がったのは、シスコが2022年第2四半期の売上成長率を4.5~6.5%としているのに対し市場予想は7.4%を見込んで市場予想を大幅に下回ったこと、そしてその原因となっているサプライチェーンの問題が大きかったようだ。

シスコは売上・収益を製品中心からサービス・ソフトウエアの割合を増やすよう転換している最中であるが、現在はまだ製品の売上が7割となっている。それが現在他企業でも問題になっているサプライチェーンの影響をシスコも受けていることがより明確になった。

アナリストとのカンファレンスコールでも最高財務責任者(CFO)のR. Scott Herren氏がアナリストの質問に対して

  • There’s no question that the Q2 guide is impacted by the supply chain, the component supply issues that are putting a headwind on what we can get out the door
    第2四半期の見通しがサプライチェーンの影響を受けていることは間違いありません。コンポーネント供給の問題が我々が出荷できるものに逆風をもたらしています

とし、このサプライチェーンの問題はシスコの会計年度で下半期まで続くともしている。

年初来のシスコ株の推移を見てみると

昨日の下落まではほぼ市場(S&P 500)と同程度のパフォーマンス。

問題は昨日の下落で止まるのか、それとも今後下落傾向が続いてしまうのかという点。個人的には昨日の下落である程度マイナス要因を吸収できたのではないかと思うのだが、サプライチェーンの問題はシスコに限らず根深そうなので、次の決算発表で具体的な数値が出るまでは冴えない状況が続くのではないだろうか。

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