はじめに
2024年4月3日にOPECプラスの共同閣僚監視委員会(JMMC:Joint Ministerial Monitoring Committee)が行われた。
前回OPECプラス会合をまとめたのは2023年11月30日開催の閣僚級会合(OPEC and non-OPEC Ministerial Meeting)で、その際は
- 来年初(2024年1月1日から2024年3月末まで)に日量約220万バレルの自主減産を実施することで合意
していた。
今回の会合で2024年4月以降の自主減産対応はどうなったのか、併せて前回のまとめから今回までに行われたOPECプラス会合の情報も確認して整理しておく。
2024年4月3日のOPECプラス会合及び2023年11月会合以降のまとめ
【2024年2月1日のJMMC会合】
- 2023年11月に合意された2024年1~3月期の減産計画を維持することで合意
【2024年3月3日のOPECプラス発表】
- 2023年11月に合意された2024年1~3月期の減産に合意した以下の国々が、4~6月期も日量約220万バレルの減産を継続することを発表
- サウジアラビア:日量100万バレル
- イラク:日量22万バレル
- アラブ首長国連邦(UAE):日量16万3000バレル
- クウェート:日量13万5000バレル
- カザフスタン:日量8万2000バレル
- アルジェリア:日量5万1000バレル
- オマーン:日量4万2000バレル
- ロシア連邦:日量47万1000バレル
【2024年4月のJMMC会合】
- 2024年3月に発表された2024年4~6月期の減産計画を維持することで合意
- 2024年1~3月期に過剰生産量が顕著な参加国は、2024年4月30日までに詳細な補償計画をOPEC事務局に提出する
過去半年のニューヨーク原油先物価格推移
前回まとめた2023年11月のOPECプラス会合を含む過去6ヶ月のニューヨーク原油先物価格の推移は以下の通り。
2023年の11月のOPECプラス会合を経て12月初旬までは下落傾向が続き、一時1バレル70ドルを割ったのだが、その後は凸凹はあるものの概ね価格上昇が続き1バレル85ドルを超えており、諸所の事情はあるがOPECプラスの減産措置は、原油価格の高値維持に有効に働いているように見える。
過去半年のエクソン・モービル株の推移
同期間中の自分が所有している総合エネルギー企業であるエクソン・モービル(XOM)株の推移は以下の様になる。
エクソンの推移にニューヨーク原油先物価格の推移をマッピングしてみると
となっており、過去半年のエクソン株はニューヨーク原油先物価格と概ね似たような動きとなっている。
まとめ
2023年11月以降から最新のOPECプラス会合、併せて過去半年のニューヨーク原油先物価格及び自分が所有しているエクソン・モービル株の推移について確認してみた。決まっていた2024年1~3月の減産措置が今回のOPECプラス会合で更新されると思っていたのだが、上記の通り3月初旬には決まっていた。冷静に考えれば4月からの減産をそれ以前に決めておくのは当然のことだったか。
それはさておき、ロシアのウクライナ侵攻やイスラエルのガザ侵攻など原油を巡る地政学的不安定さは未だ継続しているものの、ここ半年のOPECプラスの減産政策は原油価格の高値維持という狙い通りに機能しているようだ。そのおかげもあってか自分が所有しているエクソン・モービル株を堅調に推移している。
難しいのは原油価格が高くなるとエクソン株は上昇するだろうが各種石油製品輸入の多い日本での生活費が高騰するし、原油価格が安くなると日本での生活費高騰は抑えらえるだろうが、自分の所有しているエクソン株は低迷する可能性が高い点。今後もOPECプラスの政策が機能し原油価格が適切な水準で推移してくれることを願いたい。