GE株のアナリスト評価アップデート(2021/3/16)

はじめに

先週末3月12日(金)には前日木曜日にJPモルガンのTusa氏を含むゼネラル・エレクトリック(GE)の投資格付け複数アップデートがあり、その結果3月11日(木)のGE株が7%超の大幅下落となったことをまとめている。

3月12日(金)のGE株は2.53%と上昇幅はまずまず大きかったが、前日のリバウンドもあるだろうしひとまず落ち着いたかと思っていた。

ところが昨日3月15日(月)のGE株は

とまたしても5%を超える6.12%の大幅上昇。

Tusa氏を含むGEの投資格付け複数アップデート(2021/3)

の中で自分は

「長期的に見ていくのが適切だろうと書いたその舌の根の乾かぬ内にまたゼネラル・エレクトリック(GE)株について書くのもどうかと思う」

と書いているのだが、やはりGEには6万ドル超を投資しているので1日で5%を超える大幅上昇となるとどうしても確認して整理しておかずにはいられない。


2021年3月15日(月)のGE株に関するアナリストアップデート

【Bank of America】

投資格付け:Buyを維持

目標株価:15ドルを維持

以下はBank of AmericaのアナリストAndrew Obin氏の見解要旨。

  • 投資家がGEが計画している1対8の株式併合に不満を抱いた可能性は高い
  • しかし、航空機リース事業売却後のGEのよりシンプルな運営構造とより強力なバランスシートは、幅広い投資家にとってより魅力的なものになるはず
  • GEは2023年までに65億ドルのフリーキャッシュフローを生み出すと予想

【UBS】

投資格付け:Buyを維持

目標株価:15ドルを維持

以下はUBSのアナリストMarkus Mittermaier氏の見解要旨。

  • 航空機リース事業の売却は、負債を返済しバランスシートをさらに強化するために使用できるフリーキャッシュを増やす可能性が高い
  • 株式併合発表後のGE株の引き戻し(pullback)は、長期投資家にとっての購入機会(as a buying opportunity for long-term investors)とみている

まとめ

Obin氏は1週間前の3月8日(月)にその前の週末にWSJが報じた航空機リース事業の売却報道(その時点ではまだ正式決定ではない)を受けて目標株価を14ドルから15ドルに上方修正し、Mittermaier氏は3月3日(水)(航空機リース事業の売却報道以前)に目標株価を14ドルから15ドルに上方修正したばかり。

両者とも前回のGE株アップデートが先週3月10日(水)の2021 GE Investor Outlook及び同日の航空機リース事業の売却決定以前のものであるので、今回はそれらを踏まえての見解アップデートとなっている。

2021 GE Investor Outlook及び同日の航空機リース事業の売却決定後のアナリストの見解をまとめると、

【ポジティブ】

Deutsche Bank、RBC Capital、Bank of America、UBSの5社

【ネガティブ】

Oppenheimer、JPMorganの2社

となる。ただしOppenheimerはここ半年のGE株が120%上昇していることを理由としており、GE自体はポジティブとして見ている。

こうしてみるとJPMorgan、すなわちStephen Tusa氏のネガティブな見解が際立っている。Tusa氏は他のアナリストがキャッシュフローに注目しているのとは異なり、EBITDAと組み合わせた純負債の変化に焦点を当てているので見解が異なってくるのは理解できる。

ここまで見解が異なってくるとTusa氏の視点が適切なのかについて疑問を感じてくるのだが、3~4年前にTusa氏がGEに対してネガティブな見解をしていた時はものの見事にGE株の下落を当てていたので、Tusa氏の見解を無視するのもどうかと思う。

ここ最近のGE株は情報過多のきらいがあり色々考えてしまうのだが、自分の投資スタンスである長期投資/バイアンドホールドに立ち返って、短期的な株価の上下動はあまり気にしない様にしておこう。

とはいえもしTusa氏の見解が正しくてGE株の価値が5ドル以下しかないのであれば、売却という選択肢を考慮しないわけにはいかない、悩ましい。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

コメントの入力は終了しました。