ウォルトディズニー(DIS)2022年4Q決算(2022/11)

はじめに

2022年11月8日(火)の米国市場閉場後には自分の所有銘柄であるウォルト・ディズニー(DIS)の2022年第4四半期決算発表があった。

前回の第3四半期決算を受けて上昇したものの、その後は冴えない動きをして100ドルを割ることもあったウォルト・ディズニー株だが今回の決算結果はどうだったのか。以下内容を確認し整理しておく。


ウォルト・ディズニー2022年第4四半期決算概要

以下は、ウォルト・ディズニーの企業サイトより引用・抜粋。

  • 2022年第4四半期の売上高(Revenues)は201億5000万ドル、前年同期は185億3400万ドルで前年同期比9%の増加
  • 2022年第4四半期の特定項目を除く一株当たり利益(Diluted EPS excluding certain items)は0.30ドル、前年同期は0.37ドルで前年同期比19%の減少

事業部別業績

事業部ごとの業績は以下の通り。

【Disney Media and Entertainment Distribution】

Disney Media and Entertainment Distributionの売上は前年比3%減の127億2500万ドル、営業利益は前年比91%減の8300万ドル。DTCの売上は8%増加しているものの、DTCの営業損失は前年比倍以上に拡大している。営業損失の理由は主にディズニー・プラスの番組制作、マーケティング、インフラ投資コストが嵩んだことや、今四半期はPremier Accessのリリースが無かったこと(前年はブラック・ウィドウとジャングル・クルーズがリリースされていた)を挙げている。

Direct-to-Consumerの中核をなすディズニー・プラス、ESPN+、Huluの2022年第4四半期末有料視聴者数と月平均利用額は以下の通り。

【有料視聴者数(単位100万)】

ディズニー・プラスの加入者数は1億6420万。前四半期は1億5210万だったので1210万の増加。市場予想の790万増を上回っている。

ESPN+は前四半期から150万増、Huluは前四半期から100万増。

【月平均利用額】

多くのサービスで平均利用額が前年比で減少している(前四半期比でも減少しているものが多い)のは、他のサービスと抱き合わせて値引きされたプランを契約する顧客が増えていることを要因の一つとして挙げている。

【Disney Parks, Experiences and Products】

Disney Parks, Experiences and Productsの売上は74億2500万ドルで前年同期は54億5000万ドル、営業利益は15億1400万ドルで前年同期は6億4000万ドル。来園者の増加や園内での支出増加が寄与したことを理由として挙げている。


市場予測との比較

今回の主な決算内容と市場予想とを比べてみると、

  • 2022年第4四半期の売上高(Revenues)は201億5000万ドル、市場予想の212億5000万ドルを下回っている
  • 2022年第4四半期の特定項目を除く一株当たり利益(Diluted EPS excluding certain items)は0.30ドル、市場予想の0.55ドルを下回っている
  • 2022年第4四半期末のディズニー・プラス総加入者数は1億6420万、市場予想の1億6100万を上回っている

となっている。


まとめ

上記の様な決算内容を受けてウォルト・ディズニーの株価は

13.16%の大幅下落。同日の米国市場が

下落基調であった事を差し引いても大きな下げ幅となっている。

ディズニー・プラスの加入者数は市場予想を上回る増加だったものの、売上、EPSとも市場予想を大きく下回っており、この決算を受けて複数のアナリスト(調べた限りでは13人のアナリスト)が目標株価を引き下げた事も株価下落に拍車をかけたと思われる。

決算資料では、経済環境が大きく変わらない前提で、DTCの営業赤字は今後縮小しディズニー・プラスは2024年度中に黒字化すると引き続き見込んでいる、としているがDTCの営業損失が拡大していることや、ユーザーの平均利用額が減少していることなどを考えると正直疑わしい気がする。

決算発表以降も含めたウォルト・ディズニー株の年初来推移は

約38%の下落と市場(S&P 500)の約16%減に比べてかなり見劣りがするパフォーマンスとなっている。

今後のディズニー株だが、米国では12月8日から始まる予定の広告付きディズニー・プラス動画配信がどの程度業績に貢献するかに注目したい。これ次第では2024年のディズニー・プラス黒字化も現実的になる可能性はある。逆にこれも期待外れに終わると、一層の株価下落が起こる可能性もあると思われる。

最後に上記年初来の推移で11月11日の株価が5%程上昇しているのは、ロイター通信が入手した幹部宛ての内部メモからウォルト・ディズニーが採用凍結と人員の一部削減を計画していることが明らかになったため。

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