フィリップ・モリス2021年第3四半期決算(2021/10)

はじめに

昨日2021年10月19日(火)は自分の所有銘柄の一つであるフィリップ・モリス(PM)とプロクター・アンド・ギャンブル(PG)の四半期決算発表があった。

どちらの決算発表を先に確認するか迷ったのだが、同じタバコ銘柄のアルトリア・グループ(MO)も保有しているのでフィリップ・モリスの決算を先に確認しておくことにする。


フィリップ・モリス2021年第3四半期決算発表概要

以下の情報は、フィリップ・モリス・インターナショナルのサイトより引用・抜粋。

  • 2021年第3四半期の純収入(Net Revenues)は81億2200万ドルで、前年同期比7.6%増加
  • 2021年第3四半期の調整後営業利益(Adjusted Operating income)は35億4900万ドルで、前年同期比7.4%増加

  • 2021年第3四半期の調整後希薄化1株あたり純利益(Adjusted Diluted EPS)は1.58ドルで、前年同期比11.3%増加

  • 2021年第3四半期のタバコ製品(Cigarettes)と加熱式タバコ製品(Heated Tobacco Units)の出荷量は、タバコ製品が前年同期比0.4%の減少、加熱式タバコ製品が前年同期比23.8%の増加。トータルでの出荷量は2.1%の増加

2021年通期の見通しは以下の通り。

前回の決算発表時から以下の様に数値が修正されている。

  • 調整後希薄化1株あたり純利益(Adjusted Diluted EPS):6.01~6.06ドル。前回の5.97~6.07ドルから目標レンジが狭まっている
  • 為替を除く調整後希薄化1株あたり純利益(Adjusted Diluted EPS, excluding currency):5.84~5.89ドル。前回の5.79~5.89ドルから下限値が上昇し目標レンジが狭まっている
  • HTU(Heated Tabaco Units)出荷量:~950億ユニット。前回の950~1000億ユニットから下方修正

市場予想との比較

今回の主な決算内容と市場予想とを比べてみると、

  • 2021年第3四半期の純収入(Net Revenues)は81億2200万ドルで、市場予想の78億8000万ドルを上回っている
  • 2021年第3四半期の調整後希薄化1株あたり純利益(Adjusted Diluted EPS)は1.58ドルで、市場予想の1.54ドルを上回っている

となっている。


まとめ

上記の様な決算内容を受けてフィリップ・モリス株は

1.70%のマイナス。同日のダウ工業平均が0.56%、S&P 500が0.74%、NASDAQが0.71%いずれも上昇しているので、結構な下落だったと捉えるべきだろう。

ただ上記の決算内容数値や市場予想との比較からすると、フィリップ・モリスがこれ程大きく下落したのは不可解。そこでアナリストとのカンファレンスコール(米市場開場前9時スタート)も含めて調べてみると

の2点が影響を与えた可能性がある。

IQOSデバイス供給の逼迫については、世界的な半導体供給不足の影響をIQOSデバイスも受けており

  • Device shipments outside Japan were limited to a 7% year-over-year increase, significantly below the growth in HTUs.
    日本以外へのデバイス出荷は前年比7%の増加にとどまりHTUの成長を大幅に下回りました
  • there are short-term shortage scenarios under which the transitory supply impact on user growth could result in 2022 organic growth below our 2021-23 targeted average rates for net revenues, OI margin expansion and adjusted diluted EPS
    ユーザーの成長に対する一時的な供給の影響における短期的な不足シナリオでは、2022年のオーガニックグロースが2021年から23年の純収益の目標平均レート、OI(Operating Income)マージンの拡大、調整後の希薄化後EPSを下回る可能性があります

といった発言がなされていた。ただし2021~2023年の目標全体については引き続き自信を持っているとしている。またアナリストから供給の影響がない場合の第3四半期のIQOSデバイス売上はどうだったかという質問に対して、数十万台のデバイス販売機会を逃していたと答えていた。

米国でのIQOSについては、

  • In the scenario, where the ITC determination is upheld, while the financial impact of the scenario is immaterial, given the early stage of the U.S. IQOS roll-out, this would unfortunately mean that U.S. consumer would be unable to buy IQOS for a period of time
    ITCの決定が支持されるシナリオでは、シナリオの経済的影響は重要ではありませんが、米国のIQOS展開の初期段階において残念ながら米国の消費者が一定期間IQOSを購入できないことを意味します
  • Meanwhile, our contingency plans are underway and include domestic manufacturing
    一方、緊急時対応計画は進行中でありそれには国内製造が含まれています

といった発言がポイントだろうか。上記以外にもITCの決定に関する質疑は多かったが、特に緊急時対応計画に対する質問が多かった(米国内で製造する場合のアルトリア・グループ(MO)との関係、など)。

とはいえ昨日のフィリップ・モリス株の日中の動きを見ると

アナリストとのカンファレンスコールが終了した10時にはほぼ前日と同じ位まで株価は回復。その後が市場(S&P 500:紫)やアルトリア・グループ(MO:ピンク)の動きとは異なり右肩下がりとなっている。

となるとアナリストとのカンファレンスコールを含めた決算発表ではなく、自分では調べられなかったがその後それらを受けたアナリストの発言等がフィリップ・モリスの株価に影響を与えたのかもしれない。

数日はフィリップ・モリス株の動きに注意を払う必要があるかもしれないが、とりあえず昨日は市場全体の上昇に助けられたおかげで下落幅が限定的だったと捉えて良かったとしておくことにしよう。

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