アルトリア(MO)2023年第3四半期決算(2023/10)

はじめに

2023年10月26日(木)には自分の所有しているアルトリア・グループ(MO)の2023年第3四半期決算発表があった。

前回2023年第2四半期の決算まとめ時

「今後のアルトリア株だが、決算後は市場自体も下落が続いているので決算を受けての動向は判断しづらい。ただ年初来からの傾向を見る限りでは、それ程上下動のない株価推移が続くのではないだろうか。株価の上昇にはあまり期待できない一方で、現在税引前で8%を超える配当率となっているのは悪くない。何とかこの株価/配当水準を維持してもらいたい。」

と、株価上昇にあまり期待はしていなかった一方、底堅い動きをするのではと思っていたようだが実際の決算結果及び株価はどうだったのか。以下に決算内容を確認し情報を整理しておく。


アルトリア・グループ2023年第3四半期決算概要

以下の内容はアルトリア・グループの企業サイトより引用・抜粋。

  • 2023年第3四半期の売上高(Net Revenues)は62億8100万ドル、前年同期比4.1%減
  • 2023年第3四半期の物品税控除後の売上高(Revenues net of excise taxes)は52億7700万ドル、前年同期比2.5%減
  • 2023年第3四半期の1株当たりの調整後利益(Adjusted diluted EPS)は1.28ドル、前年同期と変わらず

  • 2023年第3四半期のタバコ製品の出荷量は前年同期比11.4%の減少

2023年通期見通し

2023年通期の見通しは以下の通り。

  • 2023年通期の調整済み希薄化後EPS見通し:4.91~4.98ドル(前回の4.98~5.03ドルから下方修正)
  • 2022年実績(4.84ドル)比成長率:1.5%~3%の成長率(前回の1%~4%から下方修正

その他

その他決算発表及びアナリストとのカンファレンスコールで気になった点は以下の通り。

  • 2023年第3四半期に2億6000万ドルの自社株買いを実施。2023年末までの自社株買戻し残は2億6800万ドル
  • 第3四半期に紙巻きタバコの数量減少は引き続き増加したが、これはマクロ経済的要因と、違法な使い捨て電子ベイパー製品が原因
  • 現在入手している情報によると、違法な使い捨て電子ベイパー製品の成長により紙巻きタバコは過去1年で1.5%から2.5%の範囲で減少していると推定される
  • (紙巻きタバコの今後の見通しについての質問)ご存知のとおり、我々は将来を見据えたガイダンスは提供しない

前四半期に買収したNJOY(電子タバコ)が順調である旨説明しているが全体に占める割合は少ない。また、上に挙げた違法な使い捨て電子ベイパー製品への言及及び質疑が多かった。これは前四半期まではほぼ無かったはずだが、10月19日に米国で不正な電子ベイパー製品を製造・販売しているとされる多数の企業に対して差し止めを求める訴訟を起こしたと発表したことが原因だろう。


市場予測との比較

今回の主な決算内容と市場予想とを比べてみると、

  • 2023年第3四半期の物品税控除後の売上高(Revenues net of excise taxes)は52億7700万ドル、市場予想の54億3000万ドルを下回っている
  • 2023年第3四半期の1株当たりの調整後利益(Adjusted diluted EPS)は1.28ドル、市場予想の1.29ドルをやや下回っている

となっている。


まとめ

上記の様な決算発表を受けてアルトリア・グループの株価は

前日比8.31%の下落。同日の米国市場も

大型ハイテク株を中心に3市場とも下落していたのだが、アルトリア株の下落幅は際立っている。市場予想を下回る決算結果に加え、通期見通しを下方修正したことが市場に嫌忌されたのだろう。それにしてもこれ程下落するのは個人的には今一つ納得がいかないのだが。

前回第2四半期決算(8月1日)を含めた過去3ヶ月の株価推移を見てみると

以外にも決算発表前までは市場(S&P 500)と遜色ない推移だったのだが、決算後の下落で市場を下回るパフォーマンスとなってしまった。

そして年初来のアルトリア株の推移を市場と比べてみると

5月から7月末ぐらいまで市場が上昇基調であった期間にアルトリアは低迷していたため、市場が最近の下落傾向にもかかわらず7.24%の上昇となっているのに対し、アルトリアは14.02%の下落となっている。

今後のアルトリア株だが、決算を受けての大幅下落を考えるとしばらくはまだ低迷が続くのだろう。そして気が付くと取得価額に対しても

8.67%のマイナスとなってしまっている。

取得価額比も懸念されるが、配当率も株価の下落に伴い10%近くとなっておりこの水準の配当が維持されるかも気になるところ。確認したところ8月24日に増配を発表(4.3%の増配)しているので流石にすぐに配当減といった事態にはならないと思うのだが、ここしばらくは株価、配当ともに気をもむ日々が続きそうだ。

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