投資開始からの期間
2001年7月から数えて243ヶ月目(20年3ヶ月目)。
資産動向考察
2021年9月末の円ベース資産は以下の通り。
自分が思っていたのとは異なり楽天証券の資産推移で見ると8月末に比べて約100万円の資産増となった。ただこれには色々な要因があるので額面通りに受け取るのは危険。
まず第1の要因として楽天証券の資産推移はこれまで何度か触れたが、恐らく日本時間の月末0時時点のものが反映されるため、米国9月30日の取引終了までは反映されていないこと。9月30日のS&P 500は
と日本時間の0時にあたる米東部時間(サマータイム)の11時から下げ幅を拡大しており、これが上記の楽天証券の円ベース資産推移には反映されていない。
実際米国9月30日の取引終了後の自分のドルベース米国株資産は
と大きくマイナスになっている。
第2の要因は為替レートが8月末に比べてドル高になっている点。
8月末と9月末の為替レートを見てみると
8月末終値:2021年8月31日1ドル=110.02円
9月末終値:2021年9月30日1ドル=111.27円
と9月末は8月末に比べて1%を超えるドル高なので、単純に考えても円ベースで100万円は資産が増加した事になる。
この2点を除いたドルベースでの月末資産の差異については、後でYahoo! Financeで管理している自分の米国株資産ポートフォリオの差異で確認してみることにする。
9月の市場推移
【ダウ工業平均】
8月末終値:35,360.73
9月末終値:33,843.92
8月/9月終値差異:マイナス4.29%
【S&P 500】
8月末終値:4,522.68
9月末終値:4,307.54
8月/9月終値差異:マイナス4.76%
【NASDAQ】
8月末終値:15,259.24
9月末終値:14,448.58
8月/9月終値差異:マイナス5.31%
2021年9月の米国主要3市場は上記の様に揃って前月に比べて4%以上の下落という結果に終わった。
自分でも9月の市場に関しては
S&P 500の5営業日連続下落について(2021/9/11)
恒大集団デフォルト可能性と2021年9月20日の市場下落に関して
米10年債/長期債の利率1.5%超でまた市場急落(2021/9)
と市場の下落がきつかったせいか普段に比べると個別の所有銘柄よりは、市場全般に関する整理・まとめが多かった気がする。
9月にあった主な出来事
基本的には上でまとめた点がポイントとなったが以下簡単にまとめておく。
- 米国債務上限問題
でまとめているので、現在(10月頭)の状況を簡単に整理すると
■2021会計年度の年度末となる9月30日、米議会は12月3日までの暫定予算法案を可決。この結果連邦政府が一時閉鎖される事態はいったん回避
■ただし、30日中に採決するはずだった総額1兆ドル規模のインフラ投資法案は与党民主党内の対立で持ち越し
■議会が上限の適用停止か引き上げの法案を10月18日までに成立させなければ、債務不履行に陥る恐れ
■イエレン米財務長官は9月30日の下院公聴会で、債務不履行に陥れば「米経済や個々の家族に壊滅的な打撃がもたらされる」と警告
といった具合。議会は民主党が下院で過半数、上院で半数のため、最終的には債務上限問題も切り抜けると楽観していたのだが、上に述べた様に与野党対立に留まらず、民主党内右派・左派でもモノによっては必ずしも意見がまとまらない状況でもあり、1人でも造反が出れば合意が成立しないことから10月18日までに債務上限に関する合意がなされるか不安になってきた。
- 恒大集団のデフォルト可能性
恒大集団デフォルト可能性と2021年9月20日の市場下落に関して
で経緯等についてはまとめたが、こちらもその後から現在10月頭までの状況をおさらいしておく。
■人民元での利払いはなされているが、23日、29日のドル建て債権利払い期限での支払はなされなかった模様。ただし債務不履行(デフォルト)になるには30日間の猶予期間がある
■9月28日に中国政府が政府系企業や不動産開発会社に対し、経営難に陥っている中国恒大集団の資産の一部を購入するよう要請との報道
■恒大集団は9月29日に子会社の保有する盛京銀行(遼寧省瀋陽市)の株式を売却(約15.5億ドル)
■10月4日には香港株式市場で恒大集団と傘下の不動産サービス部門恒大物業の株式の株式売買が停止。理由は「重大な取引」に関する発表待ちで、合生創展集団が恒大物業の株式51%を取得する計画との報道もあり
といった具合で、まだまだ先行き不透明。
- 米10年債が1.5%を突破
8月末と9月末の米国債金利は
と10年債が1.30から1.52へと上昇。長短金利差(2年債と10年債)も1.10から1.24へと拡大。
米10年債/長期債の利率1.5%超でまた市場急落(2021/9)
でまとめたように米10年債が1.5の利回り以下の時期がしばらく続いた後に金利が1.5を超えると、市場が株式から債券へと移りやすく市場全体は大きく下がることが多いのだが、2021年9月末はこのケースに該当。
一旦1.5%という目安を超えたので、極端な動きでなければ米国債の利回りが市場に大きな影響を与えることはしばらく無いと思うのだが、ここで挙げたような市場要因と組み合わさった場合にどうなるかは不明なのでまだ注意が必要だろう。
その他自分所有の個別株に関して気になる事として
- 原油価格に伴うエクソン株の上昇
- 米国でのIQOSデバイス輸入・販売禁止の決定(実施はまだ)
という2点があった。前者は
ゴールドマンの年末原油価格予測と2021年9月27日のエクソン株
でまとめた様に今後にやや期待が持てるものだが、後者は
米国でIQOSデバイスの輸入・販売禁止の判定(2021/9)
で書いた様に今後の動向に不安を感じざるを得ない。エクソン株、アルトリア株は自分の所有銘柄では投資額・評価額もそれなりに上位に位置するし、何より配当率が高いので今後の成り行きには注意しておくべきだろう。
また8月にはまだCOVID-19及びデルタ変異株の懸念があったが、9月は米国での新規感染者数も減少傾向に転じたこともあり、市場に及ぼす影響はやや少なくなった気がする。
同じくインフレ懸念についても折に触れて市場の上下に関するキーワードとして出ては来るが、インフレ懸念自体を契機とした市場の大きな上下という感じではなくなってきたのでかなり市場に織り込み済みとなった気がする。
ポートフォリオ
2021年8月末と2021年9月末の自分のポートフォリオは以下の通り。
【2021年8月31日】
【2021年9月30日】
自分の所有銘柄では2021年9月に10%以上の上下動があったものはケマーズ(CC:マイナス13.3%)、ブリストル・マイヤーズ スクイブ(BMY:マイナス11.5%)とチャーター・コミュニケーションズ(CHTR:マイナス10.9%)の3銘柄。
この中では自分の資産額が大きいブリストルが今回確認してみて驚きのマイナス具合だった。特に9月中に大きな悪材料は無かったと思うのだが。気になって9月のブリストル株の動きを同業のファイザー(PFE)と比べてみたところ
概ね同じ様に右肩下がりとなっているので、業界全体が低調だったと捉えるべきなのだろう。
所有23銘柄中上昇が6銘柄、下落が17銘柄と自分のポートフォリオも下落銘柄の方が多かった。
一方で資産額の大きい銘柄はそれなりに持ちこたえ、9月で1万ドルを超える資産減少となったのは上に挙げたブリストル株の約1.7万ドルのマイナスだけとなった。
結局ドルベースの9月の自分のポートフォリオは8月に比べて約4.2万ドルの減少、割合にするとマイナス3.43%。先に挙げた米主要3市場がいずれもマイナス4%を超えていたことを考えると、まずまず頑張った方ではないだろうか。
為替
先月終値:2021年8月31日1ドル=110.02円
今月終値:2021年9月30日1ドル=111.27円
既に上述しているが1ドルあたり1.25円、割合で言うと1.14%のドル高。先月に続いてドル高となり、月末終値だけ見ると6月末の1ドル=111.10円を上回って今年一番のドル高。4月は概ね1ドル=109円から111円の範囲である程度落ち着いている様に見える。この程度であまり大きな変動にならないといいのだが。
まとめ
累計投資:80,000,000円(今月追加投入なし)
米国株:136,550,736円
外貨MMF:37,473円
USドル:1,385,527円
日本円:258,023円
資産:138,231,759円
累計損益(累計投資と資産より):58,231,759円/72.8%
累計引落額:3,000,000円(今月引落なし)
2021年9月は冒頭の通り円ベースの資産については前月比プラスとなった訳だが、実際の所は楽天証券の〆のタイミングやドル高によるもので、実際はポートフォリオの所で触れた前月比約4.2万ドル/3.43%の減少と捉えるのが正しいのだろう。
8月のまとめでは
「基本的にはインフレ懸念、長短金利差、COVID-19の再拡大といった要素が市場に織り込まれた感があるため、8月と同様にあまり大きな変動が無い月になりそうな気がするのだが。」
と書いていたが、実際には先述のそれら以外の問題が顕在化したこともあり、想定に反して上下動が激しくかつ下げ基調の月となった。
ただ自分のドルベース資産マイナス3.43%というのは米国主要3市場の下落に比べてまだマシだった。これはハイテク銘柄の多いNASDAQの9月下落率がダウ工業平均やS&P 500に比べて大きかった事を考えると、自分の所有銘柄にハイテク銘柄がほとんどなく割合的にも小さい事が結果として今月は功を奏したということなのだろう。逆に言うとハイテク銘柄が上昇していた時にその恩恵を受けられず資産の伸びが市場より低い期間が長かったはずなので、必ずしも喜ぶべきことではない。
いずれにせよ2021年9月は上下動が激しく、かつ下げ基調の月だった訳だが、問題はその要因と考えられることが完全には解決していない点。10月もこれらが一段落するまでは上下動が激しく神経質な市場となりそうな気がする。10月は所有銘柄の6~9月期決算が始まり、その内容次第では市場の不安定さに一層拍車がかかる可能性もある。基本的には下げ基調が続きそうな気がするが、何とか早期に市場の不安要素が解決し、決算も今後に期待を持たせる内容になってくれればいいのだが、さてどうなるか。