恒大集団デフォルト可能性と2021年9月20日の市場下落に関して

はじめに

昨日2021年9月20日(月)の米国市場はダウ工業平均が1.78%、S&P 500が1.70%、NASDAQが2.19%いずれもマイナスで、下落率がS&P 500とNASDAQは5月以来、ダウ工業平均は7月以来の大きさだったようだ。

自分のポートフォリオも久々に2万ドルを超える大幅下落となり、

何とか踏みとどまっていた米株式のみで120万ドルという節目を思いっ切り割ってしまった。円ベースの資産(こちらは米株以外の配当金残なども含んでいる)ではさらに為替の影響もあり

と1日で380万円を超える下落となったが、1.3億円台はギリギリ維持といった散々な1日だった。

以下にこの日の米国市場大幅下落要因について簡単にまとめておくことにする。


2021年9月20日(月)の米国市場大幅下落の要因

恒大集団(Evergrande)のデフォルト可能性

この問題については結構前(2020年9月)に債務不履行に陥る可能性が指摘されており、自分も認識はしていたが香港証券取引所のことでもあるので重きを置いてはいなかった。

2021年9月になって様々な報道がなされても米国市場にはそれ程大きな影響は無かった(と個人的には思っている)のだが、S&Pグローバル・レーティングが中国政府による恒大集団の直接支援についての公算が少なく、恒大集団はデフォルト寸前の状況にあるという分析レポートを発表したことが、冒頭の様な9月20日の米国市場大幅下落のトリガーとなったのではないかと思う。

それまでも何だかんだ言っても最終的には中国政府が何らかの救済措置を講じるのではという見方と、救済はしないのではという見方の双方があったのだが、S&Pグローバル・レーティングのレポートを受けて、9月20日の米国市場は恒大集団が債務不履行に陥り、中国市場、世界経済にマイナスの影響を及ぼすのではという見方へと傾いたのではないかと思われる。

ただ実際にはまだ恒大集団がデフォルトに陥ると決まった訳ではなく、デフォルトに陥った際の影響度についても多々不透明な部分があるので、今後しばらくは注意しておくことにしたい。

その他要因

恒大集団のデフォルト可能性が米国市場大幅下落の一因になったのは確かだろうが、それ以外にも以下の要因が下落拡大に拍車をかけたと思われる。

米国債務上限問題

以前に

米債務上限問題に関する懸念(2021/9)

「最終的には現在の米議会で民主党が上院半数、下院過半数を占めていることから民主党の意向が通り債務不履行(デフォルト)に至ることは無いと思っているのだが、それに至る過程・政治的駆け引きによって米市場(そして自分の米国株資産)に対してここ1~2ヶ月は影響を及ぼしそうな気がする。」

と書いたのだが、想定していた通り民主党と共和党は債務上限問題を巡って折り合いがつかない状態が続いており、9月20日に民主党は債務の上限適用を2022年の中間選挙以降まで凍結する法案の可決を目指すと表明したが、共和党は反対しており週末に行われた交渉では結論が出ずという状況。これもやはり昨日9月20日の下落要因となったのだろう。

今週の米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えた警戒感

米連邦準備理事会(FRB)は21、22日のFOMCで量的緩和の縮小、いわゆるテーパリ
ングについて議論すると見られている。

その結果次第によっては更なる市場の下落を招く可能性もあるので、ひとまず株式市場から資金を引き揚げて様子を見るという動きが昨日の下落の一因となった可能性がある。

9月の下落傾向

元々2021年9月は以下の様に市場(S&P 500)が下げ基調。

今まで挙げてきた要因に加え元々下げ基調にある株式市場から資金を移動する向きに拍車がかかってもおかしくはないだろう。


まとめ

以上2021年9月20日の下落に関して思う所をまとめてみた。

問題はこれが一過性のものなのかしばらくは下げ基調が続くのかという点なのだが、10日程前に

S&P 500の5営業日連続下落について(2021/9/11)

でまとめた時からあまり状況は変わらず、恒大集団という更なる悪材料が加わったことでより不安定さが加速する可能性もある。

21、22日のFOMC、23日に社債の利払い2つの期日を迎える恒大集団、債務上限問題に関する対立が続く議会と今週は米国市場は上下動が激しくなりそうだ。願わくばそろそろ下げ止まりしてもらいたいのだがなあ。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

コメントの入力は終了しました。