新コロナ変異株と原油需要予測の影響想定(2021/11/26)

(これを書いた後の26日(金)米国市場閉場後の結果を最後に追記)

はじめに

昨日11月25日(木)は米国が感謝祭(Thanksgiving Day)のため市場休場だったのだが、そんな中掲題のニュースがあったので、以下にまとめておくことにする。


新型コロナ変異株出現報道

これは日本でも大きく報道されているし、今後新たな情報で上書きされていくだろうから2021年11月26日時点での概要をまとめておく。

  • 最近特定された「B.1.1.529」と呼ばれるコロナ変異株
  • 異例に多い変異が生じており、これまでの例と極めて明確に異なっている(Tulio de Oliveira氏、director of the KwaZulu-Natal Research and Innovation Sequencing Platform)
  • 感染が急拡大していて、向こう数日から数週間で我々(南アメリカ)の医療の逼迫が予想される(同じくOliveira氏)
  • この変異株の重大性についてはまだ完全には分かっていない。我々にとって最善の対策がワクチンであることに変わりはない(同じくOliveira氏。南アメリカのワクチン接種率は24%)
  • 世界保健機関(WHO)は11月26日(金)に緊急会合を招集・開催
  • これ(新変異株)についてはまだよくわかりません。私たちが知っていることは、この変異体には多数の突然変異があるということです。そして懸念されるのは突然変異が非常に多い場合、ウイルスの動作に影響を与える可能性があるということです(Maria Van Kerkhove氏、WHO’s technical lead on Covid)
  • 現在南アメリカハウテン州で77件、ボツワナで4件、香港で1件確認(香港は南アからの旅行者)
  • ボツワナではワクチン接種済みの人々から検出

OPEC経済委員会の石油需要予測

以下はブルームバーク、ロイターで関係者筋の話として報道された12月2日のOPECプラス会合を前に開催されたOPEC経済委員会(OPEC Economic Commission Board)の会合での情報(OPECのホームページには掲載されていない)。

  • 米日中韓英が表明された規模の放出(OPECでは6600万バレルと想定)を行えば、世界市場の供給過剰は日量110万バレル拡大し、供給過剰は12月に日量40万バレル、1月に230万バレル、2月に370万バレルになると見込んでいる

上記の報道を受けての影響

冒頭に述べた通り米国は11月25日が祝日だったため市場への影響はまだ定かではないが、日本では日経平均が前日比2.53%マイナスの大幅下落、既に始まったニューヨーク原油先物も最終的にどうなるかは不明だが、現時点では大幅下落している。こういった動きを考えると以下の様なことが今晩の米国で想像される(あくまで想像)。

【米国主要3市場】

  • ワクチンが効かない可能性もある新コロナ変異株の出現とその拡大による更なる経済停滞の懸念から、日本市場と同様全体的に大幅下落の可能性。NASDAQはいくらかマシかもしれない

【原油先物価格】

  • OPEC経済委員会の直近数ヶ月供給過多になるという予測から原油先物価格は大幅下落。それにつれて自分の所有しているエクソン・モービル(XOM)株も大幅下落の可能性
  • OPEC経済委員会の供給過多という見通しは新変異株の出現によってより補強され、原油先物価格の下落にはしばらく拍車がかかる可能性

【米国債金利】

  • 先に挙げた株式市場下落、つまり株式市場から引き上げた資金で比較的安全と思われる債券を購入する動きが加速。それに伴って米国債の金利は下落する可能性(債券価格が高くなると金利は低くなる)
  • 新変異株の出現による経済停滞、それに伴いFRB利上げ時期が遅くなる観測により金利が低下する可能性
  • 国債金利下落に伴い米銀株が大幅下落の可能性

【ドル円為替】

  • 安全資産といわれている円の買いが強まり円高ドル安となり、自分の円ベース資産がさらに減少する可能性

まとめ

上に挙げたような理由で本日11月26日(金)の米国市場はかなり酷いことになりそうだ。

25日は米国市場が閉場だったので、11月24日(水)閉場時の自分の円ベース資産は

と1億3500万円強だったのだが、下手をすると本日の米国市場閉場後は1億3000万円を割っている覚悟をしておいた方が良いかもしれない。

そして今後だが、ただでさえ現在欧州でCOVID-19の再拡大が問題となっているのに加えて、新変異株の出現とあっては米市場は下落傾向が続く可能性が高いだろう。新変異株が想定ほどの影響力を持たない可能性もゼロではないが、欧州でのCOVID-19再拡大は続いており(米国は少し上昇が停滞気味)世界的な経済回復腰折れの可能性が消えたわけではない。

最近は以下で触れたように主にCOVID-19の再拡大から市場低迷が続きそうだとは思っていたが、

【米市場は上昇、自分の資産は減少】2021年10月末米国株資産

コロナ再拡大と石油備蓄放出と自分の資産(2021/11)

その度合い、期間が想像していたよりも酷く、長くなりそうだ。しばらくは日々の下落に神経をすり減らす状態が続くのではないだろうか。はあ。資産は減ってもいいが、配当減や配当停止が無いといいのだが。


追記:実際の結果

上記を書いたのは日本時間11月25日(金)の夜で米国市場が始まる前。実際の結果は以下の通り。

【米国主要3市場】

【自分のドルベース米国株】

【自分の米国株ポートフォリオ】

【自分の円ベース資産】

【ニューヨーク原油先物】

【ドル円為替】

【米国債金利】

【雑感】

全体的には予想通りということもあり精神的なショック/ストレスは限定的。珍しく市場よりもマイナス幅が少なかったこと、就寝前一時ドルベース資産がマイナス4万ドルを超えていたのでそれらよりマシという意識が高いだけで実際の落ち込みは大きいのだが。

金融株、エクソン株が書いた通り市場より大きい落ち込みだったが、それ以外には旅客需要の落ち込み可能性からの航空機関連のボーイング(BA)や鉄道関連のワブテック(WAB)が市場より落ち込んでいるのが目立つ。ニューヨーク原油先物が10%以上下落したが、エクソン株の落ち込みが3.5%に留まったのはありがたい。

ドル円為替が2円超円高に振れたので自分の円ベース資産はドル資産の減少よりも大きな減少となっている。

11月29日週はどうなるのかなあ。

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