はじめに
2023年9月のFOMC以降は以下でまとめた様に米国株式市場は低調であり、
その際に
「FOMC以降これまでの動きを見るとまだまだ株式市場が軟調な時期は続く気がする。予想外の経済指標やつなぎ予算案の速やかな可決、10月半ばからの米国企業2023年第3四半期決算などで上向いてくれるといいのだが。残念だが自分の米株資産が100万ドルを割ることを覚悟しておいた方がよさそうであり、しばらく気の重い日々が続きそうだ。」
と書いていたのだが、その後も下落が続いて掲題通り自分の米国株資産が約1年ぶりに100万ドルを割り込んでしまった。
以下、最近の米国株式市場の懸念材料や1年前に100万ドルを割り込んだ際の状況について整理しておくことにする。
最近の米国株式市場の懸念材料
当然単一の要因ではなく複数の要因が関係してくるのであくまで個人的な懸念材料。
【米政策金利】
- 2023年9月FOMCを受けて高金利水準が予想より長く続くとの見方が強まったため、米国株式市場が低迷傾向。多分これが一番のマイナス要因
- 2023年9月FOMC以降の経済指標やFRB理事などの発言では、概ねFRBが高金利水準を維持するとの見方を強化するものが多い
【米政治動向】
- 2023年9月末はつなぎ予算案が可決されない可能性が取り沙汰されており、これもまた米国市場低迷の要因だったと思われる
- それが9月30日(土)に上下院及びバイデン大統領の署名を経て成立
- つなぎ予算案が成立したことで米国市場が上向くかと思われたが、10月2日(月)の米国市場では先に触れたFRB理事の発言の方が重視されたようでほぼ変わらず
- 更に10月3日(火)の米国市場閉場後には野党共和党マッカーシー下院議長の解任動議が可決。下院議長の解任は史上初めてとのこと。今後の市場に影響が出る可能性もある
- またバイデン大統領の次男が起訴された。現大統領の子の起訴も史上初めてとのこと。一方トランプ前大統領も金融詐欺を巡る民事訴訟中。どちらも来年2024年の大統領選の有力候補と見なされており、今後の影響が気になるところ
【(あまり関係ないと思われるが)ドル円為替】
- 米金利政策が高い水準で続くとの見方から日米金利差が意識されドル高が続いている
- しかし1ドル=150円を超えた時点で恐らく日銀の介入があったと思われ、1円以上ドル安に
- 基本的には日米金利差が意識されドル高状態が続く可能性が高いが、今回の様な日銀介入によっては不安定な為替相場になり、それが米国株式市場に影響を与える可能性もわずかにあるかもしれない
1年前に自分の米国株資産が100万ドルを割った際の状況
【期間】
- 2022年9月21日~2022年10月21日までの約1ヶ月間100万ドル割れ状態
【原因】
- 2022年9月発表の米消費者物価指数(CPI)が予想以上に高くインフレ圧力が強いことが認識された(1日でS&P 500が4.32%下落)
- その後2022年9月のFOMC会合結果発表後のパウエル議長会見で「(景気の)ソフトランディングは非常に困難だ。一連の引き締めが景気後退につながるのか、それがどの程度になるのかは誰にもわからない」との発言があり、下落傾向が続く(1日でS&P 500が1.71%下落)
- その後9月末にはS&P 500は6営業日連続で下落(6営業日で6.93%下落)
【回復のきっかけ】
- 2022年10月13日発表の米消費者物価指数(CPI)で市場はやや上向き(1日でS&P 500が2.60%上昇)
- 翌日2022年10月14日から本格化した米企業の四半期決算(主に6~9月期)内容が市場予想よりも堅調だった(2022年10月のS&P 500は月間で7.99%上昇)
まとめ
約1年ぶりに自分の米国株資産が100万ドルを割ったので、最近市場に悪影響を及ぼしている要因の洗い出しと1年前に米株資産100万ドルを割った際の状況を確認してみた。
当然昨年と今年では状況が違うのだが、振り返ってみると直近のFOMCを契機として株式市場が低調になった点が同じだったことには驚いた。昨年は10月発表のFOMC結果と同時期から本格化した米企業の四半期決算に助けられて持ち直したのだが今年はどうなることか。昨年の100万ドル割れ期間は約1ヶ月であり、今回も同程度で持ち直してくれることを願いたいが何となく昨年より長引きそうな気はしている。自分の市場予想は外れることが多いので、今回も自分の予想が外れてくれると有難いのだがなあ。