2021年明けのコカ・コーラ(KO)格付け(2021/1/8)

はじめに

2021年に入ってから自分の米国株資産の上下動は、米国市場・為替レートの影響で日ごとに100万円を超え、結構大きく振れている。

コロナの状況が予断を許さない中で資産が増加しているのは嬉しい反面、理由が今一つ得心がいかないので不安を抱えているのだが。

そんな全体的な資産上昇に埋没してしまっていたのだが、自分が所有しているコカ・コーラ(KO)株が2021年になってから投資格付けのアップデートが相次いでいる事に気が付いた。以下にその内容をまとめておくことにする。


2021年に入ってからのコカ・コーラ株の投資格付けアップデート

2021年1月4日:RBC Capital

投資格付け:OutperformからSector Performへ下方修正

目標株価:55ドルで変わらず

【RBC CapitalのアナリストNik Modi氏の見解要旨】

  • コカ・コーラの経営陣は、組織の再設計、ポートフォリオの最適化などの最近のイニシアチブは称賛するに値するが、会社がその進歩を遂げるには時間がかかる(”take time for the company to hit its stride”)
  • 組織の変更は2021年1月1日に有効になり、少なくとも1〜2四半期は「成長痛」”growing pains”が発生し、投資家は第3四半期まで改善の兆しを見ないかもしれず、完全な影響は2022年まで実現されないだろう
  • またコカ・コーラは、ソーシャルディスタンスやその他健康対策が少なくとも夏の半ばまで実施される可能性が高いため、他のすべての企業と同様の逆風に直面している

2021年1月6日:Deutsche bank

投資格付け:BuyからHoldへ下方修正

目標株価:57ドルから55ドルに下方修正

【Deutsche BankのアナリストSteve Powers氏の見解要旨】

  • 米ドル安を考えるとコカ・コーラは2021年に向けて説得力のある回復の物語を表現し続けている
  • しかし回復のペース(そして第二にコカ・コーラの遂行(”Cokes’ execution”))は常にある程度の不確実性をもたらしてきた
  • ライバルのペプシコに比べて、レストランから映画館に至る外出先での消費がビジネスの大部分を占めており、ワクチン接種が普及したとしても、人々が古いやり方を再開することを躊躇し続けるリスクがある
  • また11月の税務裁判所の判決により、コカ・コーラが内国歳入庁(IRS)に対して約33億ドルの税金を支払う必要があることが判明し、2007年から2009年までの支払いに関する問題にまでさかのぼる
  • これは「重大な追加の後退(material added setback)」であり、訴えが最終的にはより低い価格で解決される可能性もあり、判決に関連する下振れリスクが発生しないとしても、この問題が長引くことが想定される

2021年1月7日:JP Morgan

投資格付け:OverweightからNeutralへ下方修正

目標株価:55ドルで変わらず

【JP Morganの見解要旨】

  • 11月下旬、米国税務裁判所はIRSに有利な判決を下し、2007年から2009年までの課税年度でコカ・コーラは約33億ドルの税金を支払うと決定しました
  • さらに、この金額がそれを超える可能性があるというリスクがあります。IRSが2009年以降の課税年度に同じ税務処理をコカ・コーラに適用する必要がある場合はその税額は3倍以上になる可能性があります
  • 長期的にはコカ・コーラを基本的に気に入っていますが、(訴訟に関する)リスクは高まっていると信じています

ちなみに2021年1月6日の米国市場閉場後、コカ・コーラはJ. Michael Luttig氏をカウンセラー兼特別顧問に任命したことを発表している(J. Michael Luttig氏は元米連邦判事、元ボーイング社の顧問弁護士)。その役割は税務問題について会社・取締役会への助言。特に米国内国歳入庁(IRS)との進行中の訴訟に焦点を当てる、としている。


まとめ

2020年11月の判決が何故このタイミングで投資格付けに反映されたのかはよく分からないのだが、この問題がしばらくコカ・コーラの株価に影響を及ぼしそうなことは分かる。

こういった2021年に入ってからの格付け下方修正を受けてコカ・コーラの年初来の株価は、

ダウ工業平均が1.4%上昇しているにもかかわらず8.9%の下落。上にあげた格付け下方修正の理由も個人的にはタイミングは別として納得感があったので、この下落は仕方がないだろう。少なくとも短期的にはコカ・コーラの株価は低迷が続きそうだ。

ただ自分のコカ・コーラへの投資は、

と平均取得価額が@37.50ドルなので、短期的な値下がりはそれほど懸念する必要はないだろう。上の格付け下方修正に関しても、長期的な観点ではいずれも悪い評価は下してはいない。ただ格付けの根拠が必ずしも正しくはない、という事には留意しておく必要はある。

最後に気に掛かる点と言えば、コカ・コーラは恐らく今月中旬に四半期配当の発表をするのだが、その際は通常であれば増配のタイミング。こういった報道を受けて配当が据え置きにならなければ良いのだが。

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