米ジョージア上院選後の金融株上昇について(2021/1/7)

はじめに

昨日2021年1月6日は5日に投票が行われたジョージア州の連邦議会上院決選投票の結果が判明し民主党が2議席を確保した。

これで米上院は民主党、共和党それぞれ50議席ずつとなった。ただし上院の採決が同数となった場合はハリス次期副大統領(民主党)が上院議長を兼任し決定票を握ることになるので、実質的には民主党が大統領、上院、下院全てで主導権を握ることになる。

ジョージア州の決選投票の結果が判明したのは6日米国市場閉場後ではあったが、5日の時点で民主党が1議席は確保、もう1議席も勝利する可能性が高いと報道されていた。

こういった事を踏まえて、昨日1月6日の米金融株の株価について整理しておく。


1月6日の手持ち米金融株の株価

自分が所有している米金融株はシティグループ(C)とJPモルガン・チェース(JPM)。1月6日の米国市場閉場後の株価は以下の様になった。

ダウ工業平均が1.44%、S&P 500が0.57%それぞれ上昇し、NASDAQが0.61%下落しているのを考えると、シティ、JPモルガンともに大幅上昇。

手持ち以外でもバンク・オブ・アメリカ(BAC)が6.26%、ウェルズ・ファーゴ(WFC)が7.08%、ゴールドマン・サックス(GS)が5.4%それぞれ上昇しているので、金融株全体が多きく上昇していたことが分かる。

では、なぜ1月6日に米金融株が上昇したのか考えてみる。


1月6日の米金融株上昇の原因

端的に言うと米長期金利が上昇したことが原因だろう。以下は2021年に入ってからの米債権金利。米10年債の利率が1%台になっているが、これは2020年3月以来のこと。

昨日の長期金利上昇と金融株の上昇についてもう少し詳しく整理すると、

  • 5日のジョージア州上院選で民主党が2議席とも確保し、民主党が支配的になる可能性が高い
  • 民主党政権の経済刺激策がスピーディかつ強力に実行されそう
  • これを受けて6日の米債長期金利が上昇
  • 長期金利が上昇すると、(短期債と長期債との金利の差に基づく)金融業の純利ざやが大きくなる
  • 金融業の業績がアップする

というロジックで金融株が上昇したものと思われる。


まとめ

正直に書くとジョージア州の決選投票で民主党が1議席確保、もう1議席も勝利する可能性が高いと報道されたのを見た時(日本時間1月6日の午前)は、金融株は下落すると思っていた。

というのも通常民主党が支配的になると金融規制の強化と税金の引き上げに繋がるケースが多いため、金融株にマイナスの影響を与えるのではないかという懸念を持っていた。実際バイデン次期大統領も法人税を21%から28%に引き上げるとしている(実際にこの幅の上昇になるかは未定だが)。

今回は状況が状況だけに、民主党が支配的になった事でコロナ第2波による経済問題を緩和するため議会が多額の支出パッケージがスムーズに承認される可能性が高い点を市場が評価したたと思われる。ただし、中長期的には規制強化を考慮しなければならない可能性がある点については留意しておくべきだろう。

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