アルトリア(MO)2021年第3四半期決算(2021/10)

はじめに

昨日2021年10月28日には自分の所有銘柄であるアルトリア・グループ(MO)の2021年第3四半期決算発表があった。

一昨日の10月27日に自分の所有株7銘柄の決算発表があったのでそちらの確認・整理を優先しようと思っていたのだが、昨日のアルトリア株の終値を見てアルトリアの確認・整理を先にやる事にした。

以下にあまり気は進まないがアルトリアの決算内容を確認し、整理しておく。


アルトリア・グループ2021年第3四半期決算概要

以下の内容はアルトリア・グループの企業サイトより引用・抜粋。

  • 2021年第3四半期の売上高(Net Revenues)は67億8600万ドル、前年同期比4.7%減少
  • 2021年第3四半期の物品税控除後の売上高(Revenues net of excise taxes)は55億3100万ドル、前年同期比2.6%減少
  • 2021年第3四半期の1株当たりの調整後利益(Adjusted diluted EPS)は1.22ドル、前年同期比2.5%増加

Reported Diluted EPSがマイナスになっているのは主にABI(アンハイザー・ブッシュ・インベブ)の減損処理(due primarily to 2021 impairment of its investment in ABI)のため。

  • 2021年第3四半期のタバコ製品の出荷量は前年同期比12.9%の減少

2021年の見通しに関しては以下の様にアップデート。

  • 2021年通年の調整後希薄化後EPS:4.58ドル~4.62ドル(前回は4.56ドル~4.62ドル)

下限を少し上方修正している。


その他

自社株買い戻しプログラムを既存の20億ドルから35億ドルに拡大することを取締役会が承認し、2022年12月31日までに完了する予定。第3四半期にアルトリアは670万株を3億2200万ドルで買い戻している。2021年の9ヶ月では2020万株を9億7200万ドルで買い戻している。現在は約25億ドル相当の自社株買い戻しプログラムが残っている。

IQOSデバイスの特許に関する最新情報は以下の通り。

  • 2021年9月国際貿易委員会(ITC)は、IQOS及びMarlboro HeatSticksデバイスの輸入を禁止し排除措置命令(CDO:cease-and-desist orders)を発行
  • アルトリアはIQOSが原告の特許を侵害していないと考えているためITCの決定に同意していない
  • ITCの決定は現在バイデン政権による60日間のレビューの下にある
  • レビュー後に決定が却下されない場合、CDOは2021年11月29日に発効しすべてのIQOS及びMarlboro HeatSticks製品が市場で入手できなくなる
  • アルトリアの子会社であるPM USAは命令に従う準備をしており、緊急時対応計画を検討している。国内製造計画については、Philip Morris Internationalと連絡を取り合っている

市場予測との比較

今回の主な決算内容と市場予想とを比べてみると、

  • 2021年第3四半期の物品税控除後の売上高(Revenues net of excise taxes)は55億3100万ドル、市場予想の57億6000万ドルを下回っている
  • 2021年第3四半期の1株当たりの調整後利益(Adjusted diluted EPS)は1.22ドル、市場予想の1.26ドルを下回っている

となっている。


まとめ

上記の様な決算内容を受けてアルトリア・グループの株価は

6.15%の大幅下落。同日のダウ工業平均が0.68%、S&P 500が0.98%、NASDAQが1.39%上昇する中でこの下落は如何にアルトリアの決算内容が悪かったかを物語っている。

物品税控除後の売上高(Revenues net of excise taxes)、1株当たり調整後利益(Adjusted diluted EPS)が市場予想を下回り、またタバコ製品の出荷量が10%を超える減少となったので株価が下落するのは仕方がない。ただ下がり過ぎの様な気もするのだが・・・。

年初来のアルトリア株の推移は

4月のニコチン規制9月のIQOSデバイス問題による大幅下落がありながらも10月半ばまでは市場と同じ程度のパフォーマンスだったのだが、10月半ばからの市場上昇に追随することができず、昨日の決算を受けてさらに市場パフォーマンスとの差が広がってしまった。

問題は昨日の決算発表内容が今四半期だけの一過性のものなのか、今後も業績・株価が振るわないのかという点。2021年通期のEPS下限を上方修正していることから、ある程度今後に自信を持っていると思いたいのだが、紙巻きタバコの出荷量がCOVID-19時の比較とは言え10%超の減少、紙巻きタバコに代わる加熱式タバコ(IQOS)が特許の件で展開計画が遅れる可能性もあり、正直先行きは厳しそうな気がする。

現時点ではギリギリ取得価額比プラスではあるが

取得価額割れとなる覚悟もしておいた方が良さそうだ。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

コメントの入力は終了しました。