クラフト・ハインツ2020年第2四半期決算(2020/7)

はじめに

2020年7月30日には自分の所有しているクラフト・ハインツ(KHC)の2020年第2四半期決算発表があった。自分の所有株の中では配当率の高さから先月の購入検討にも上がったのだが、2019年2月の株価急落以来、株価も決算内容もパッとしないままなので追加購入はない状態が続いている。今後の購入検討をする上でも決算内容をきちんと確認しておくことにする。


2020年第2四半期決算概要

以下はクラフト・ハインツの企業サイトより引用・抜粋。

  • 2020年第2四半期の売上高(Net Sales)は664800万ドル、前年同期は64億600万ドルで前年同期比3.8%増
  • 2020年第2四半期の同社帰属の純利益(Net income/(loss) attributable to common shareholders)は16億5100万ドルの損失、前年同期は4億4900万ドル
  • 2020年第2四半期の希薄化後一株あたり利益(Diluted EPS)は1.35ドルの損失、前年同期は0.37ドル
  • 2020年第2四半期の一時項目を除く調整後一株あたり利益(Adjusted EPS)は0.80ドル、前年同期は0.78ドルで前年同期比2.6%増

営業損益(Operating income/(loss))、同社帰属の純利益(Net income/(loss) attributable to common shareholders)、希薄化後一株あたり利益(Diluted EPS)が前年比で大きくマイナスになっているのが目に付くがこれについては、

  • During the second quarter, the Company performed its 2020 annual impairment test, which reflected the completion of the Company’s enterprise strategy and five-year operating plan.
    第2四半期中に当社は2020年の減損テストを実施しました。これは当社の企業戦略と5年間の事業計画の完了を反映しています
  • These impairment charges caused the Company to report a net loss attributable to common shareholders of $1.7 billion and a diluted loss per share of $1.35.
    これらの減損費用により、当社は普通株主に帰属する純損失17億ドルおよび希薄化後1株当たり1.35ドルの損失を報告しました

と述べている。詳細では非現金のれん減損損失で約18億ドル、非現金無形資産減損損失で約11億ドルの損失を計上している。減損処理というと2019年2月の減損処理を想起させるのだが、その時の154億ドルに比べるとまだマシだろうか。

第2四半期のサマリーとして以下の様にまとめている。

いずれも前年同期に比べて改善している。

2020年の見通しについては以下の通り。

前四半期の2020年見通しと比べてみると

あまり大きな変化はない。唯一数値で表されているAdjusted EBITDAは前回の前年比7%減から前年比9%減となっている。


市場予測との比較

今回の主な決算内容と市場予想とを比べてみると、

  • 2020年第2四半期の売上高(Net Sales)は664800万ドル、市場予想の65億4000万ドルを上回っている
  • 2020年第2四半期の一時項目を除く調整後一株あたり利益(Adjusted EPS)は0.80ドル、市場予想の0.65ドルを上回っている

となっている。


まとめ

上記の様な決算内容を受けてクラフト・ハインツの株価は、

3.32%のマイナス。ダウ工業平均が0.85%、S&P 500が0.38%それぞれマイナスだった事を差し引いても大幅な下落だった。売上、調整後一株当たり利益は市場予測を上回ったのだが、減損処理の17億ドルがやはり響いたのだろうか。

そして決算発表と同日に四半期配当も発表。一株当たり@0.40ドルの四半期配当で、これで7四半期連続という事になる。クラフト・ハインツが増配するのはいつになることやら。

次回9月の定期購入時にクラフト・ハインツを買い足すかはこの決算内容からは少し微妙。決算資料の中で最高経営責任者(CEO)のMiguel Patricio氏が、

  • “We are now starting to realize the benefits of agility and scale, while implementing changes across the Company to further drive agility, both internally and how we go to market. We believe this will be the key to returning the Company to sustainable long-term growth and profitability, and we look forward to providing greater details on these initiatives during our Investor Day in September.”
    「私たちは現在俊敏性と規模のメリットの実現に着手している一方で、社内全体と市場への進出方法の双方で、俊敏性をさらに高めるため会社全体に変更を実施しています。これは、会社を持続可能な長期成長と収益性のある状態に戻すための鍵となると信じています 、そしてこれらのイニシアチブの詳細を9月のInvestor Dayで提供できることを楽しみにしています」

としているので、来月のInvestor Dayの内容も踏まえて判断するのが妥当だろう。

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