AT&T(T)2020年第1四半期決算発表(2020/4)

はじめに

2020年4月22日は、自分が多く所有しているAT&T(T)の2020年第1四半期決算発表があった。所有株数が多く、配当額も高いことから、新型コロナウイルスの市場への影響が顕著になってから、割とマメに状況を整理してきた。

新型コロナで懸念していたAT&T(T)の配当発表(2020/3)

2020/3のAT&T投資格付けの格下げに関して(2020/4)

AT&Tが財務状況のアップデート情報を提供(2020/4/7)

実際の四半期決算内容がどうだったかを整理してみる。


AT&T2020年第1四半期決算発表

以下の内容はAT&Tの企業サイトより引用・抜粋。

  • 2020年第1四半期の総売上高(Total Operating Revenues)は427億7900万ドルで、前年同期の448億2700万ドルから4.6%減少
  • 2020年第1四半期のAT&T帰属の純利益(Net Income Attributable to AT&T)は46億1000万ドルで、前年同期の40億9600万ドルから12.5%増加

  • 2020年第1四半期の調整後一株当たり利益(Adjusted EPS)は0.84ドルで、前年同期の0.86ドルから2.3%減少

そして業績見通しを撤回(Withdrawn)している。

COVID-19による影響で年内の見通しは不透明だが、フリーキャッシュフローは十分で、配当金の支払いや債務返済は可能としている。

また、事業部ではアナリストが懸念していたワーナーメディアがやはり振るわなかった。

売上高は74億ドルと前年同期の84億ドルから減少。スポーツイベントの中止により広告収入が減ったことを原因として挙げている。ちなみにここで挙げられているMarch Madnessは3月から4月にかけて行われるNCAAのバスケットボールトーナメントの事。全米の注目が非常に高いイベントで、視聴率も高い。

また、ここで5月27日に動画配信サービス「HBO Max」を開始することに言及している。決算発表の前日4月21日に明らかにされていた。

そして同じく懸念されていたコミュニケーション事業のエンターテインメント部門(DirecTVなど)も振るわず。

有料加入者数(Premium video。ほとんどはDirecTV)が89万7000人減少。青字で「Cash generation remains stable(キャッシュの創出は安定している)」としているが、苦しい状況が続いている。


まとめ

上記決算発表の主な数値を市場予想と比較してみると、

  • 総売上高:市場予想は442億ドルだったが、実際は428億ドルと市場予想を下回る
  • 調整後一株当たり利益:市場予想は0.85ドルだったが、実際は0.84ドルと市場予想を下回る

といずれも市場予想を下回っていた。この結果を受けて決算発表後のAT&T株は、

と1.34%の下落。ダウ工業平均が1.99%、S&P 500が2.29%それぞれ上昇していることを考えると、結構な減少具合といって差し支えないだろう。決算内容からすると、市場全体が上向きだったことに助けられた感がある。決算発表内容でポジティブなものがほとんどなく、配当を維持する方向や新規の携帯電話契約者が第1四半期に16万3000人の純増と、市場予想(9万人の純増)を上回ったことぐらいではないだろうか。

AT&T株にはこの状況では配当を維持してくれることが個人的には一番の重要事項であり、それは今のところ何とか果たされそうなのだが、そもそも業績の方がパッとしないのではそれがいつまで続くのか不安。動画配信サービスの開始が5月27日とようやく発表されたが、それがどこまでワーナーメディア、ひいてはAT&Tの助けになってくれるのか。HBO Maxが開始される5月27日以降の報道を注視しておきたい。ディズニー・プラスの立ち上がりの様になってくれればいいのだがなあ…。

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