はじめに
2023年3月9日(木)には掲題の通りゼネラル・エレクトリック(GE)の投資家向けイベント(2023 Investor Conference)が開催された。
2023年1月のGE2022年第4四半期決算はまずまずの結果であり、年初来からみても当時は20%ほど株価が上昇していた。そしてまとめの際には
「この調子がしばらく続くといいのだが、この決算を受けてのアナリストの評価や3月9日予定のinvestor conferenceでの内容によってはその流れが変わる可能性もあるので、油断しないで動向に注意しておきたい。」
と書いていたのだがその後も堅調な動きを続けていた。そして今回のInvestor Conferenceを受けてどうなったのか以下に整理しておくことにする。
2023年3月8日のGE 2023 Investor Conferenceまとめ
以下はGEの企業サイトより引用・抜粋。アジェンダは以下の通りでプレゼンテーション資料は表紙等を含め131ページと長め。
GE Overview
- われわれは力強い1年を経過する態勢が十分に整っている
- 経済のリセッションは我々の最後の関心事であるが、ほとんど想定されない
- 受注残高と需要は、信じられないほどの水準を享受している
- 企業コストを下げなければならないが、インフレを相殺するのがうまくなっている
GE Aerospace
- ジェットエンジンの納期に課題があり、需要に応えるのは日々の戦いである
- サプライチェーンの課題解決に向け、チームは前進している
- 2022年よりも2023年の方がインフレが大きな逆風になり、2023年以降にインフレが沈静化すると予想
- GE Aerospaceが独立した会社としてポートフォリオを形成することを期待しないで欲しい
- 2025年のGE Aerospace見通しは以下の通り
- 調整後売上高成長率:2桁台前半から半ば
- 利益率:20%程度
- フリーキャッシュフロー転換率:100%以上
- 2025年までのエンジン出荷総台数における年平均成長率:2022年比で20%台半ば
GE Vernova
- 再生可能エネルギー事業は2024年初頭に自立する準備をしている
- 再生可能エネルギー事業は変革しており、長期的には収益性の高い成長を期待している
- 洋上風力発電ユニットは2023年に困難な年になると予想されるが、パフォーマンスは来年改善される予定である
- 陸上風力発電の受注と利益が2023年と2024年のフリーキャッシュフローの成長を牽引すると予測
- GE Vernovaの長期見通しは以下の通り
- 調整後売上高成長率:1桁台半ば
- 利益率:1桁台後半
- フリーキャッシュフロー転換率:90~110%
2023年の通期見通しは全社、GE Aerospace、GE Vernovaいずれも前回の四半期決算発表時と変わらず。
まとめ
上記の様な発表内容を受けてGEの株価は
5%を超える上昇。同日の米国市場が
いずれも1.5%を超える下落となっていたのを考えると、GE株はかなり大きく上昇したことになる。
2023年2月半ばから景気後退(リセッション)のハードランディング懸念が強まってきている中、説明中で最高経営責任者Larry Culp氏がGEはほとんど景気後退の影響は想定されないとして2023年の通期見通しを維持し、GE Aerospaceの2025年見通しがかなり力強く、GE Vernovaの長期見通しも悪くはないものであったことが市場に好感されたのだろう。
そして自分のGE株はこの上昇を受けて
遂に取得価額からのマイナスが10%を切る事になった。約2年半前の2020年9月には取得価額に比べて半分以下(マイナス60%近かった)であったことを思うと、今後に希望が見えてきた気がする(株式併合やGEヘルスケアのスピンオフがあって当時の取得価額と異なっているが、取得価額には都度調整を入れているので取得価額比は正しい)。
このまま今回提供された見通しを堅持して取得価額比プラスになってくれると有難いのだが、低迷期間が長いだけに今一つ信用しきれない面もある。これまで通り過度な期待は抱かずに、少しずつ業績・株価が改善されていけばラッキー程度の感じでGE株を見ていくことにしよう。