はじめに
2022年7月28日には自分の所有銘柄であるアルトリア・グループ(MO)の2022年第2四半期決算発表があった。
先日決算発表のあった同業のフィリップ・モリスは決算を受けて上昇したのだが、アルトリアは前回4月の決算以降自分が確認しただけでも
アルトリア(MO)の投資格付けアップデート(2022/5/11)
アルトリア(MO)の投資格付けアップデート(2022/6/9)
アルトリア(MO)の投資格付けアップデート(2022/6/30)
と投資格付けの下方修正が相次ぎ、それに加えてJUULの電子タバコが米国内で販売禁止の決定がなされるなどアルトリアには悪いニュースが目立っている。
そんな状況の中、アルトリアの決算内容そしてそれを受けての株価はどうだったのか。以下に決算内容を確認し整理しておく。
アルトリア・グループ2022年第2四半期決算概要
以下の内容はアルトリア・グループの企業サイトより引用・抜粋。
- 2022年第2四半期の売上高(Net Revenues)は65億4300万ドル、前年同期比5.7%減少
- 2022年第2四半期の物品税控除後の売上高(Revenues net of excise taxes)は53億7400万ドル、前年同期比4.3%減少
- 2022年第2四半期の1株当たりの調整後利益(Adjusted diluted EPS)は1.26ドル、前年同期比2.4%増加
売上高が前年比で減少しているのは2021年10月のワイン事業売却と次に述べるタバコ製品の出荷減少によるもの。
- 2022年第2四半期のタバコ製品の出荷量は前年同期比10.9%の減少
2022年通期見通し
2022年通期の見通しについてのプレゼンテーションスライドは今回も提供されなかったが、発表資料中で以前と変わらずとしている。以前の見通しは以下の通り。
- 2022年通年の調整済み希薄化後EPS:4.79~4.93ドル(2021年比で4%~7%の成長率)
その他
【自社株買い戻し】
- 第2四半期に1010万株を5億700万ドルで買い戻し
- 2022年上半期に2140万株を10億8400万ドルで買い戻し
- 2022年12月31日までの35億ドルの株式買戻しプログラム残は約7億5000万ドル
【JUUL関連】
- 2022年6月、米国食品医薬品局(FDA)は JUUL に販売拒否命令(MDO)を発行し、現在米国で販売されているすべての JUUL 製品を市場から除外するよう命じました
- 2022年7月、JUULの市販前タバコ製品申請に固有の科学的問題があり当局による追加審査が必要であるという決定を理由にFDAは行政上一時的にMDOを停止しました。この行政処分によりMDO は一時的に停止され、JUULの製品は現在も市場に出回っています
- 2022年第2四半期にJUULへの投資の推定公正価値が減少した結果、12億ドルの非現金税引き前未実現損失を計上しました。その結果、2022年6月末時点でJUULへの投資推定公正価値は4億5000万ドルとなります
【IQOS関連】
- フィリップ・モリスとIQOSに関する検討を続けており、年内に計画を最終化するという予定通りに進捗している
市場予測との比較
今回の主な決算内容と市場予想とを比べてみると、
- 2022年第2四半期の物品税控除後の売上高(Revenues net of excise taxes)は53億7400万ドル、市場予想の53億9700万ドルを僅かながら下回っている
- 2022年第2四半期の1株当たりの調整後利益(Adjusted diluted EPS)は1.26ドル、市場予想の1.25ドルを僅かながら上回っている
となっている。
まとめ
上記の様な決算発表を受けてアルトリア・グループの株価は
前日比マイナス0.16%と僅かながら下落。同日の米国市場が
いずれも1%少しの上昇だった事を考えると、アルトリアの決算結果を受けての株価はあまり良かったとは言えない。しかし冒頭に挙げたような第2四半期に投資格付けが複数下方修正されており、決算内容そして株価ももっと悪くなると思っていたので個人的には上手く決算を乗り切ってくれたと感じる。
ただタバコ製品出荷量の減少、そしてJUULの更なる減損処理などを考えると正直アルトリア株はもっと下落してもおかしくなかった気がする。何とか持ちこたえたのは通期見通しを維持したことや決算までの投資格付け下方修正に伴う株価下落で、既に株価に悪材料を織り込んでいたためかもしれない。
過去3ヶ月のアルトリア株と市場(S&P 500)の推移を見てみると
市場がほぼ変わらずだったのに対し、アルトリア株は投資格付け引き下げが続いたこともあって想定していた通り20%を超える大幅下落。
年初来で見ると
5月初旬までアルトリア株は好調だったこともありまだ市場を上回るパフォーマンス。
ただ最近の傾向や決算内容で特筆すべき好材料が無かったことを考えると、今後のアルトリア株は残念ながら市場を下回るパフォーマンスが続きそうな気がする。市場を下回るのは仕方ないが、何とかこれ以上の大幅下落は避けてもらいたい。