アルトリア(MO)2022年第1四半期決算(2022/4)

はじめに

2022年4月28日には自分の所有銘柄であるアルトリア・グループ(MO)の2022年第1四半期決算発表があった。

先日決算発表のあった同業のフィリップ・モリスはウクライナでの事業停止等がありながらも決算を受けて上昇したのだが、アルトリア株はどうだったのか。

以下にアルトリアの決算内容を確認し整理しておく。


アルトリア・グループ2022年第1四半期決算概要

以下の内容はアルトリア・グループの企業サイトより引用・抜粋。

  • 2022年第1四半期の売上高(Net Revenues)は58億9200万ドル、前年同期比2.4%減少
  • 2022年第1四半期の物品税控除後の売上高(Revenues net of excise taxes)は48億1900万ドル、前年同期比1.3%減少
  • 2022年第1四半期の1株当たりの調整後利益(Adjusted diluted EPS)は1.12ドル、前年同期比4.7%増加

売上高が前年比で減少しているのはワイン事業の売却が影響しており、ワイン事業を除くとほぼ横ばい。

  • 2022年第1四半期のタバコ製品の出荷量は前年同期比6.4%の減少

2022年見通し

2022年の見通しについてのプレゼンテーションスライドは提供されなかったが、発表資料中で前四半期と変わらずとしている。前四半期の見通しは以下の通り。

  • 2022年通年の調整済み希薄化後EPS:4.79~4.93ドル(2021年比で4%~7%の成長率。EPSの成長率は下半期に偏ると見込んでいる)

その他

【自社株買い戻し】

  • 第1四半期に1130万株を5億7600万ドルで買い戻し
  • 2022年12月31日までの35億ドルの株式買戻しプログラム残は約12億ドル

【アナリストとのカンファレンスコール】

  • インフレの上昇は、雇用指標の改善と一部消費者の賃金上昇の増加によって部分的に相殺されている
  • IQOS製品の入手に関しては前四半期から変更は無い
  • FDAは今月メントールタバコと風味付葉巻に関する製品基準を発表する予定
  • フィリップ・モリスUSA全体におけるメンソールタバコの割合は9.4%
  • ロシアのウクライナ侵攻に関連するサプライチェーンの重大な悪影響は発生していない

同日のFDAのメンソールタバコに関する発表

上記アナリストとのカンファレンスコールで触れられたFDAのメンソールタバコ及び風味付葉巻に関して、同日28日木曜日にFDAがメンソールタバコ及び風味付葉巻を禁止する製品基準案を発表している。

ただし最終的な実施にはまだ数年かかる可能性があるとのこと。


市場予測との比較

今回の主な決算内容と市場予想とを比べてみると、

  • 2022年第1四半期の物品税控除後の売上高(Revenues net of excise taxes)は48億1900万ドル、市場予想の48億ドルを僅かながら上回っている
  • 2022年第1四半期の1株当たりの調整後利益(Adjusted diluted EPS)は1.09ドル、市場予想の1.08ドルを僅かながら上回っている

となっている。


まとめ

上記の様な決算発表を受けてアルトリア・グループの株価は

0.51%の上昇。同日の米国市場が

大きく上昇したのに比べるとアルトリア株は上昇したとはいえ見劣りがする。同日の動きを見てみると

開場直後は53.50ドルまで下がったものの、すぐに持ち直しその後はあまり大きな動きは無かった。

開場直後に下落したのは決算内容とFDAの発表が原因だろうと思われ、その後割とすぐに持ち直したのはアナリストとのカンファレンスコールでの説明、質疑で上手く対応したためではないだろうか(米国市場の開場は9時半、アナリストとのカンファレンスコールは9時から9:45ぐらいまで)。ただし、その後市場程上昇しなかったのはやはり決算内容がそこそこだったことに起因するのだろう。

決算発表翌日の4月29日も含めた年初来のアルトリア株は

市場(S&P 500)がそれなりに変動があり13%程下落しているの比べると、概ね右肩上がりで17.26%の上昇となっており非常に堅調な動きとなっている。

先日決算発表のあったフィリップ・モリスはウクライナ情勢による影響を受けて3月は低調だったのに比べて、アルトリアは米国内ということもあり地政学的な影響が軽微だったのが同じタバコ業界とはいえ差異が生まれた原因なのだろう。

タバコ銘柄は現在の状況では他の銘柄に比べて悪くない動きをしているのだが、これが長続きするのかどうかが気に掛かる。長期的に見た場合の紙巻きタバコ製品の需要減は規制もあり避けられないのでアルトリアには早くIQOSの米国展開を進めて欲しいのだが、来年2023年まで米国でのIQOSの再開は無いのでそれまで堅調な株価・業績を維持して欲しい。

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