エクソン(XOM)2020年第3四半期決算発表(2020/10)

はじめに

2020年10月30日には自分の所有しているエクソン・モービル(XOM)の2020年第3四半期決算発表があった。

11月から完全リタイアとなる現在、1000万円近くを投資しているエクソン株は株価、配当両面で頑張って欲しいのだが、どうなったか以下に整理しておく。


決算前の配当発表

決算発表の2020年10月30日の前、10月28日にエクソンは第4四半期の配当を発表している。その内容は、

  • The Board of Directors of Exxon Mobil Corporation today declared a cash dividend of $0.87 cents per share on the Common Stock, payable on December 10, 2020 to shareholders of record of Common Stock at the close of business on November 12, 2020.

というもので、一株当たり@0.87ドルの配当と変わらず。これで7四半期連続で@0.87ドルの配当となった。完全リタイア直後に減配から始まるという事態は避けられたのは良かったが、これがどこまで維持できるのか。これから決算を確認してみる。


2020年第3四半期決算概要

以下の情報はエクソン・モービルの企業サイトより引用・抜粋。

  • 2020年第3四半期の総収入(Total revenues and other income)は461億9900万ドル、前年同期は650億4900万ドルで28.97%減少
  • 2020年第3四半期の純損失(Net income(loss))は6億8000万ドルの損失、前年同期は31億7000万ドルの利益
  • 2020年第3四半期の1株あたり利益(損失)(EPS)は0.15ドルの損失、前年同期は0.75ドルの利益

  • 2020年第3四半期の特別項目を除く調整後1株あたり利益(Earnings Excluding Identified Items Per Common Share Assuming Dilution)は0.18ドルの損失、前年同期は0.68ドルの利益

事業部の結果は以下の通り。

【アップストリーム(U/S)(探索権の獲得、原油の探鉱、開発、生産)】

前年同期の21億6800万ドルの利益に対して、3億8300万ドルの損失。主に石油生産量と原油価格の低下が原因。

【ダウンストリーム(D/S)(精製、販売)】

前年同期の12億ドルの利益に対して、2億3100万ドルの損失。主に市場需要が低迷したことによる利益率の低下が原因。経費削減により部分的に相殺。

【ケミカル事業】

前年同期の2億4100万ドルの利益に対して、6億6100万ドルの利益。主に米国事業からのマージンの増加が寄与している。

財務に関しては、

今期は営業活動と資産売却(Cash Flow from Operations and Asset Sales)から45億ドルのキャッシュフローを生み出しており、前四半期よりは改善。ただし前年は95億ドル。

第4四半期の見通しは各事業部ごとに一応提示している。

具体的な数値目標は乏しく、数値も売上や収益ではなく、その前提となる数値やコストに留まっている。ただ決算資料の中では、最高経営責任者(CEO)Darren W. Woods氏のコメントとして、

  • “We remain confident in our long-term strategy and the fundamentals of our business, and are taking the necessary actions to preserve value while protecting the balance sheet and dividend,”
    「当社は長期戦略と事業の基本に自信を持っており、バランスシートと配当を保護しながら価値を維持するために必要な措置を講じています」
  • “We are on pace to achieve our 2020 cost-reduction targets and are progressing additional savings next year as we manage through this unprecedented down cycle.”
    「当社は2020年のコスト削減目標を達成するペースで進んでおり、この前例のないダウンサイクルを管理しながら、来年はさらなる節約を進めています」

としている。

また決算発表の前日10月29日には、全世界で約1万4000人の人員削減を発表している。


市場予測との比較

今回の主な決算内容と市場予想とを比べてみると、

  • 2020年第3四半期の総収入(Total revenues and other income)は461億9900万ドル、市場予想の490億4700万ドルを下回っている
  • 2020年第3四半期の特別項目を除く調整後1株あたり利益(Earnings Excluding Identified Items Per Common Share Assuming Dilution)は0.18ドルの損失、市場予想の0.28ドルの損失ほど悪くはなかった

となっている。


まとめ

この様な決算内容を受けてエクソン・モービルの株価は、

と1.06%の下落。同日のダウ工業平均は0.59%、S&P 500が1.21%、NASDAQが2.45%それぞれ下落しており、市場と同程度の下落に留まっている。

ただ年初来の株価推移を市場と比較してみると、

年初来、前四半期決算来ともに下落傾向であり、市場に比べると低パフォーマンスが際立つ。決算内容もこの傾向が変わる程の内容ではない。ちなみに米国の原油価格は年初来41%下落している。

前四半期の決算時には、

「最後に、決算発表の資料から見ると第3四半期は業績の回復が期待できそうでもあるのだが、先に挙げたように7月に入ってからのCOVID-19の状況を考えると、個人的には次回2020年9月の定期購入時にはエクソン株の購入は見送るのが妥当だろう。」

と書いていたが期待したほどの業績回復には至らずという結果。やはり新型コロナによる需要減少と原油価格の低下が改善されないと、エクソン株の本格的な回復は難しい気がする。

取り合えず冒頭に上げた通り配当は維持されている。アナリストとのカンファレンスコールでも複数のアナリストから配当に関する質問(配当とキャッシュのバランス、今後の配当減、等)があったが、基本的に配当維持のスタンスは崩していない。が、それもいつまで続くのかが懸念なのだよなあ。

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