アルトリア(MO)の投資格付けアップデート(2022/6/9)

はじめに

自分が所有している米国株の中でアルトリア・グループ(MO)は現在の資産価値が5番目に多く、配当率も高いので注目している銘柄。

アルトリアについては5月に

アルトリア(MO)の投資格付けアップデート(2022/5/11)

でまとめた様にBernsteinのアナリストCallum Elliott氏による投資格付け、目標株価の下方修正があった際6%超と大きく株価を下げていた。

そして今朝6月8日米国市場閉場後のアルトリア株は

8%を超える大幅下落。理由を調べてみたところ掲題の様にまたしてもアナリストの投資格付けが影響したらしい。以下その内容を確認し整理しておく。


Morgan StanleyのアナリストPamela Kaufman氏によるアルトリア株投資格付けアップデート

投資格付け:Equal-WeightからUnderweightに下方修正

目標株価:54ドルから50ドルに下方修正

以下はPamela Kaufman氏の投資格付けアップデートの要旨。

  • Smokers skew toward low-income consumers, who are disproportionately impacted by rising gas and food prices
    喫煙者はガスと食料の価格の上昇によって不釣り合いに影響を受けている低所得の消費者に偏っています
  • Near term, we anticipate greater pressures from rising gas prices and weaker consumer sentiment, which should weigh on cigarette volumes and enhance trade down risk
    短期的に我々はガス価格の上昇と消費者心理の低下による圧力が高まると予想しており、これにより紙巻タバコの量が圧迫されトレードダウン(より安いものを買おうとする消費動向)リスクが高まります
  • MO shares have outperformed the S&P 500 by 27% YTD, and when adjusting for the 7% decline in ABI’s price in USD, MO’s core business is +29% YTD
    アルトリア(MO)株は年初来(YTD)S&P 500 500を27%上回っており、米ドルでアンハイザー・ブッシュ・インベブ(ABI)株の7%下落を調整すると、アルトリアのコアビジネスは年初来プラス29%です
  • The market may continue to move toward a more defensive positioning, but we see risk-reward skewed to the downside given the combination of near-term fundamental pressures and our longer-term concerns about MO’s cigarette portfolio, limited RRP offering, and PM’s pending SWMA acquisition
    市場はよりディフェンシブなポジショニングに向かって動き続ける可能性がありますが、短期的なファンダメンタルズ圧力と、アルトリアのシガレットポートフォリオ、限定的なリスク低減製品(RRP:Reduced-Risk Products)の提供、フィリップ・モリス(PM)の保留中のスウェディッシュ・マッチ(SWMA)買収に関する長期的な懸念の組み合わせを考えると、我々はアルトリアのリスクリワードは下振れに偏っていると考えます

まとめ

5月のCallum Elliott氏のアルトリア株格付け下方修正理由は主にフィリップ・モリスのスウェディッシュ・マッチ買収に関連したものであったが、今回のPamela Kaufman氏の下方修正理由はそれとは異なる理由。ガス価格の上昇で紙巻きタバコの量が減るという点は今一つ納得感は薄いが、それ以外の理由は理解できる。

年初来のアルトリア株とS&P 500の推移を見てみると

となっており、アルトリア株の下落が目立つのは、5月10日のCallum Elliott氏の投資格付け下方修正、5月19日の年次株主総会(2022 Annual Meeting of Shareholders)、そして昨日のPamela Kaufman氏の下方修正といったところ。これらを含めても年初来ではまだプラスとなっている。

ただし、これら3つの要因が含まれる過去1ヶ月で見てみると

市場がほぼ変わらずなのに対し、アルトリア株は12.5%の下落となっている。ただし昨日の下落までは、5月10日、5月19日の下落分をそれなりに取り戻しており悪くない動きには見える。

結局アナリストが懸念要素として挙げているフィリップ・モリスのスウェディッシュ・マッチ買収の行方がどう着地するかでアルトリア株は大きく変動するのだろうが、取りあえずは今回の投資格付け下方修正による大幅下落が、直近2回の下落の様に一時的なものに留まるのを期待したい。

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