米労働統計局発表の2022年5月消費者物価指数(2022/6)

はじめに

2022年6月10日の米国主要3市場は

いずれも前日比2.5%を超える大幅下落。原因は掲題に挙げた米労働省が開場前に発表した5月の消費者物価指数(CPI:Consumer Price Index)が市場予想を上回る上昇となり、インフレ圧力が引き続き強く米連邦準備理事会(FRB)が更に積極的な利上げを行うとの観測が高まったためだろう。

以下、発表された消費者物価指数について確認しておく。


2022年6月10日米労働省労働統計局(U.S. Bureau of Labor Statistics)発表の2022年5月消費者物価指数(CPI)

以下の情報は米労働省労働統計局の発表資料より引用・抜粋。

  • 2022年5月の前月比消費者物価指数(季節要因調整済)は1.0%上昇、市場予想は0.7%の上昇

  • 2022年5月の前年比消費者物価指数(季節要因調整済)は全品目では8.6%上昇、市場予想は8.3%の上昇。変動の大きい食品及びエネルギーを除くと前年比6.0%上昇、市場予想は5.9%の上昇
  • 全品目の前年比消費者物価指数(季節要因調整済)8.6%上昇は、1981年12月以来40年振りの大幅な上昇

CPIの構成要素で目立った点は以下の通り。

  • 家庭用食品(Food at home)は前年比11.9%上昇で1979年以来の伸び率
  • 電気代(Electricity)は前年比12.0%上昇で2006年8月以来の伸び率
  • 住居費(Shelter、主に家賃)は前年比5.5%上昇で1991年2月以来の伸び率

住居費はサービス分野で最大の構成要素でCPI全体の約3分の1を占めると言われているので、前年比上昇は10%以下ではあるが気になる項目。


まとめ

先月2022年5月末に

シティグループ(C)の投資格付けアップデート(2022/5)

をまとめた際には、米商務省が発表した4月の個人消費支出(PCE:Personal Consumption Expenditures)指数が前月に比べて物価上昇率が減速している傾向が示され

軒並み上昇しており(シティ株は投資格付け下方修正で下落)、インフレ加速の懸念が後退したかと思われたのだが、なまじ先月の個人消費支出(PCE)でインフレ改善の兆しが見られただけに今回の消費者物価指数(CPI:Consumer Price Index)で上述の通りインフレ圧力はまだ根強い事が示されたので冒頭の様に米国市場の大幅下落に繋がったのだろう。

これで米国市場は6月8~10日と3日間の続落。

3日間でいずれの市場も5%を超える下落となっている。

5月末には一瞬市場が上向いた時もあったのだが、その前は

S&P 500が2001年以来の7連続週間下落(2022/5)

でまとめた様にしばらく下落傾向が続いており、今回の消費者物価指数もあってまた下落傾向が続く可能性が高まった気がする。6月14日、15日に予定されている米連邦公開市場委員会(FOMC)で提供される材料によってまた市場は動くのだろう。何とか早く市場が落ち着いて欲しいのだが。

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